通年採用とは?一括採用との違いや特徴、導入のメリットデメリットなど解説

通年採用
通年採用は企業にとってメリットが大きい?

企業側のメリットは大きいです。
特に採用力がない企業や、資金が少ない企業は取り切れなかった人材を補填することができ、長期的な人材確保が実現できます。

日本では新卒採用が一般的ですが、もう1つ「通年採用」といわれるものがあります。
通年採用とは1年を通して採用活動を行うことで、中途や新卒を問いません。

日本の企業ではあまり行われていない方法ですが、実は海外では一般的におこなわれている採用方法です。
通年採用を行うことによって、新卒採用では見つからない人材が見つかる可能性があります。

この記事では、通年採用の概要からメリット・デメリット、行う際のポイントなどを紹介します。
通年採用のメリットなどを知り、新しい人材を見つけるチャンスを獲得していきましょう。

目次

通年採用とは?一括採用との違い

通年採用とは1年を通じて採用活動行うことです。
もちろん一年を通して採用を行っているため、新卒・中途は問いません。

日本では新卒採用が一般的ですが、実は海外では通年採用が一般的です。

とはいっても、日本でも通年採用する企業は増えつつあります。
通年採用ならば、帰国子女や留学生でも求職活動がしやすく、企業も新卒採用では見つからない人材を見つけられるといったメリットがあります。

通年採用がいま注目される理由

前述の通り、欧米などでは通年採用がごく一般的な採用手法として行われています。

しかしこれまでの日本の採用には、経団連が主体となって大学側と連携しており、「大学3年の3月に就職活動の情報解禁をして、大学4年の6月から選考開始」がスタンダードなスケジュールでした。

しかし最近では、経団連に所属していない新興企業や外資系企業が、独自のスケジュールで採用活動を行っています。通年採用が可能な採用媒体も、以前より増えてきました。結局のところ、経団連のルールも「抜け駆けはしない」という協定に過ぎず、昨今の情勢を踏まえると、必ずしも企業と学生にとってプラスとはいえませんでした。

2019年には経団連と大学側が「多様性のある採用活動を可能にする」ことで合意し、徐々に通年採用をする企業が増えてきました。ほかにも、留学生や帰国子女などの増加によって、必ずしも日本の採用スケジュールに合わない学生が増えてきたことも、通年採用が行われる理由にも挙げられます。

いずれにせよ、慢性的な人材不足の中で、従来の枠組みに捉われない採用手法が普及してきているのです。

通年採用する企業が増えた理由は?

新興企業や外資系企業が増えたことにより、受け入れ側企業の多様化が進んだことが挙げられます。また、留学生や帰国子女が増えたことにより、従来の日本の採用スケジュールでは立ち行かないケースが増えてきたことも要因です。

通年採用の現状

通年採用の現状

通年採用をしている企業は全体を見ればまだまだ少ないものの、有名な企業は続々と行っています。
例えば「チームラボ」「サイボウズ」「KDDI」「ソフトバンク」などが通年採用を導入しています。

就職白書2021|就職みらい研究所によると、通年採用を検討している企業は27%、2021年に比べて7.8%も増えており、年々増加していることがわかるでしょう。
通年採用は一般的ではないにしても、年々多くの企業が検討しています。

通年採用の【企業側】のメリット・デメリット

通年採用のメリット・デメリット

ここでは、通年採用のメリット・デメリットを企業側と学生側の視点から解説します。
通年採用を導入すると、採用に付随する業務も発生するため、人事の負担が増えると懸念している企業もいるでしょう。

しかし、実は企業側にとってもメリットがあるのです。
ここでは、さらに詳しく通年採用のメリットをみていきましょう。

【企業側】通年採用のメリット

企業側のメリットは、外国人や留学生など、新卒採用では雇うことのできなかった人材からの応募を獲得できます。

また、応募数も新卒採用ほど多くはないため、時間に余裕を持って選考に取り組めるでしょう。
人事のことを考えても、一度に大勢の新卒者を雇う新卒採用よりも、通年採用のほうが短期的な負担は小さいといえます。

そして各職種・部署の状況に合わせて採用活動を進められるのも、通年採用ならではのメリットです。
仮に内定者が辞退したとしても、通年採用を行うことによって補うことが可能です。

【企業側】通年採用のデメリット

企業側のデメリットは、一年中採用活動をしているため、人事の負担が増え続ける可能性があります。
短期的な負担は一度に多くの方が応募する新卒採用のほうが大きいものの、通年採用は1年を通して採用活動をしているため、中長期的な負担は大きいものです。

時期によっては応募者が急増したり、スケジュール調整が難しかったりするのも、通年採用のデメリットといえます。

また、教育や研修も採用するごとに行わなければなりません。
新卒採用で立てやすかったスケジュールも、通年採用になると予想しにくくなるため、体制をしっかり整えておくことが重要です。

通年採用の【学生側】のメリット・デメリット

【学生側】通年採用のメリット

学生側のメリットは、新卒採用のように時期が決まっていないため、就職活動を行いやすくなります。
スケジュールに余裕を持って取り組めるため、しっかりとした面接対策が可能です。

ほか企業と面接会や説明会が被ることも少ないため、心身ともに余裕を持って求職活動ができます。

新卒採用では内定の数によってモチベーションが大きく左右されるものも、通年採用ならば高いモチベーションで就職活動に挑むことができます。

【学生側】通年採用のデメリット

学生側のデメリットは、新卒採用よりも能力が必要になり、内定をもらうのが難しくなる可能性があることです。
新卒採用では大学を卒業した方がメインであるものの、通年採用ともなればキャリアのある中途の方も対象となってきます。

そうなれば、面接対策を念入りにして、他の求職者との差別化をしなければなりません。

通年採用のほうが、余裕のあるスケジュールで応募できて心身に余裕があるものの、応募先企業や自身の能力によっては大きなプレッシャーを感じる場合もあるでしょう。

通年採用をする企業側のメリットは?

外国人や留学生など、新卒採用では雇うことのできなかった人材を採用できます。また応募が通年に分散されることで、一度の採用にかかる短期的な負担を軽減できます。

通年採用を導入する流れ

では、ここからは通年採用を導入する流れを解説していきます。

  • 採用計画の立案
  • 採用したい人物像を設定
  • 選考基準や方法の共有
  • 入社後の育成体制の構築

採用計画の立案

まず最初に行うのは採用計画の立案です。
通年採用を行う前に「どの部署に、何人、いつまでに」というのを決めなければいけません。

それができなければ採用の目的や目標が定まらず、本来の方向性からずれてしまう可能性があります。
通年採用では決まったスケジュールがないため、基本的に臨機応変な対応が求められますが、最初に基本の部分を決めておけば大きく外れることはないでしょう。

採用したい人物像を設定

次の行うのは採用したい人物像を設定することです。
通年採用では時期や会社の状況などで人物像が変化する場合があります。

そのため部署や現場ごとでヒアリングを行いながら、今の状況とギャップが生まれないように進めていきましょう。

選考基準や方法の共有

3つ目は選考基準や方法の共有です。
採用したい人物像が決まったら、選考基準を決めていきます。
その際には、「基準が厳しすぎないか?採用単価と予算に無理はないか?」などを確認する必要があります。

選考基準を設定した後は、その方法を担当者間で共有しましょう。
担当者ごとで選考基準が違ったり、管理体制が違うと長期間での採用活動が失敗する危険性があります。

入社後の育成体制の構築

最後は入社後の育成体制の構築です。
通年採用は決まったスケジュールなどがないため、入社後の育成体制をキチンと構築できていなければミスマッチや不満が出てきてしまい、早期離職の原因になります。

特に通年採用では未経験採用やポテンシャル採用なども多いため、入社後の育成環境を整えることは非常に重要になります。

通年採用を実施する際のポイント

通年採用を実施する際のポイント

通年採用を実施する際のポイントは、次の3つです。

  • 採用の窓口を広げる
  • 受け入れ体制を整える
  • 自社採用サイトを整える

何も知らずに通年採用を行うと、かえって人事の負担が大きくなり選考にしっかりと取り組めない、予想よりも人が集まらないと成りかねません。
そうならないためにも、ここで紹介する通年採用を実施する際のポイントを押さえておきましょう。

通年採用のポイント①採用の窓口を広げる

通年採用を行う際は採用の窓口を広げて、より多くの学生が目に入るようにしましょう。
採用窓口を広げることによって、応募者の増加が見込めます。

例えば大手の就活サイトに掲載したり、自社の採用を制作したりなどが挙げられます。
状況によっては就活サイトを通してのスカウト、自社の社員から紹介してもらうリファラル採用なども活用していきましょう。

さらに定期的に説明会をして、SNSでの発信を行うことによって、より多くの求職者に自社をアピールできます。
通年採用を導入したとしても、求職者の目に入るようにしていかなければ応募者は見込めません。

通年採用のポイント②受け入れ体制を整える

窓口を広くしたとしても、受け入れ体制が整っていなければ応募を見逃す可能性があります。
採用窓口を広くすればするほど、管理は難しくなり、人事の負担も大きくなってしまいます。

パンクしないためには管理を容易にするツールを導入したり、人事同士の情報共有ができるようにチャットツールを導入したりしましょう。

また、レスポンスが早い企業は求職者にとって好印象であるため、人材獲得につながる可能性もあります。
受け入れ体制を整えてから通年採用を行うことによって、通年採用の強みを発揮できます。

通年採用のポイント③自社採用サイトを整える

求職者のなかには、「企業名+採用」と検索をする方もいます。
そのときに自社採用サイトがあれば、そこから応募に繋がります。

すでに自社採用サイトを持っている場合は、通年採用向けに更新をし、ない場合は自社採用サイトの制作をしましょう。
SEO対策を行えば、より多くの求職者を集めることが可能です。

会社の知名度に自信のない企業でも、「〇〇(業界名)会社+地名」といった形で上位を獲得すれば、そこから求職者の目に入ることもあります。

通年採用の場合、内定はいつ出す?

通年採用で人材を確保する場合、内定日の決まりは特にありません。
内定日、入社日を決めていないからこそ柔軟な採用活動を行うことができます。

まとめ:通年採用のメリット・デメリットを理解しよう!

通年採用は新卒採用では見つからない人材を発見できるうえ、求職者にとっても精神的に余裕がある状態で就職活動ができます。企業にとっても求職者にとってもメリットがあるものです。
実際、通年採用を検討している企業は増えています。

この機会に通年採用の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

人材業界|求人サイト運営・運用・管理
広告運用歴4年
ベンチャー企業でプレイングマネージャー
求人アグリゲーションサイトのことからベンチャー企業のあれやこれやも発信します。
indeed/求人ボックス/stanby/Google広告/seo

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