
企業の採用活動において最も重要なのが「面接」です。
面接は今後の企業の生命線になってきます。
なぜなら今後の日本は生産人口が減少していくことが予想され、その中で企業は優秀な人材を取り合わなければいけないからです。
つまり、面接は企業が受験者を見抜く場ではなく、受験者が企業を見抜く場になっているのです。
せっかく予算をかけて応募数を獲得し、優秀な人材に内定を出しても、結局他社を選び、内定辞退となってしまっては今までかけたコストが無意味になります。
この記事では、採用担当者が面接・面談で正しく判断できるように質問内容やチェックシートを紹介します。
面接官の役割とは?

採用の要となる面接官は企業にとって非常に重要な役割があります。
なぜなら、面接官はその企業の顔であり、受験者が一番最初に合う採用側の人間だからです。
では、採用側である面接官は具体的にどのような役割があるのかを解説します。
- 自社とマッチするかを見抜く
- 受験者の本音を見抜く
- 「この会社で働きたい」と思ってもらう
自社とマッチするかを見抜く
まず1つ目は受験者が自社とマッチするのかどうかの見極めです。
面接官といえば、このイメージが強いと思いますが、そう単純なことではありません。
面接官は受験者がどのようなスキルや知識があるのかを見抜き、さらに自社で働いてもらう際にその能力が遺憾なく発揮されるのかどうかを考えなければいけません。
この役割の難しいところは「答えがない」というところです。
いかに優秀な面接官だとしても、結局は入社しないと分かりませんので、この役割は面接官の最大の課題といってもいいでしょう。
受験者の本音を見抜く
2つ目は受験者の本音を引き出し、見抜くことです。
企業の面接に来ている受験者は面接官にできるだけ自分を良く見せたいと思っています。
事前に考えてきたことや実際に思っていないことであったり、採用側が喜ぶようなことを選んで質問に回答します。
それが悪いことだとは思いませんが、採用側からするとあまり良いことではありません。
本音や実際の価値観を見抜けなければ、実際に入社したあとでミスマッチに気付く羽目になりかねません。
つまり、採用側である面接官は上手く受験者の本質を見抜き、言葉の裏にある本音を汲み取らなければいけません。
「この会社で働きたい」と思ってもらう
3つ目は受験者に面接後に「この会社で働きたい」と感じてもらうことです。
優秀な受験者であればあるほど、内定がでる企業が多く、引く手あまたの状態になります。
現在、日本ではどの業界でも人材不足に悩まされており、どの企業も優秀な人材は喉から手が出るほど欲しいのです。
その中で、自社で内定を出した人材が辞退ばかりしていると企業は一向に成長しません。面接官はこういった内定辞退を防ぐ重要な役割があります。
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面接で本音を聞き出す方法

では、面接官の役割である受験者の本音を聞き出すためにはどのようなことを行えば良いのかを解説します。
- アイスブレイク
- 履歴書の内容を質問
- 会社の紹介
面接で本音を聞き出す方法①アイスブレイク
まず面接の最初に行うのが「アイスブレイク」です。
アイスブレイクとは、受験者の緊張をほぐすことでコミュニケーションを円滑にし、本来の力を発揮できるようにする手法のことです。
具体的には、
- 趣味や休日の過ごし方
- 面接会場までの交通手段
- 出身地
- 家族、友達の話
- 最近の自身の近況
などです。
できるだけ選考内容と離れたものが良いでしょう。
受験者にも「この質問は選考とは関係ない」と感じてもらわなければいけませんので、できるだけ軽い気持ちで答えられる質問にしましょう。
面接で本音を聞き出す方法②履歴書の内容を質問
次に履歴書の内容を質問しましょう。
履歴書は受験者が事前に考え抜いて書いてきた自分の経歴とアピールポイントです。
その中から、これまでの人生のターニングポイントや長所・短所を聞くことで書いてきたものとは違った内容を知ることができます。
面接で本音を聞き出す方法③会社の紹介
受験者の本音を聞きたいのであれば、自社の紹介をしましょう。
なぜなら、受験者は自社を外側から外側からしかみておらず、ほとんど会社の情報を知りません。
その状態で自分の本音をさらけ出すことはしないでしょう。
また、内部の情報を一部開示することで受験者は特別感を感じて、より自社に興味を持ってくれます。
その状態であれば、受験者の本音が出やすくなります。
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- 面接時にアイスブレイクは必要ですか?
-
アイスブレイクは、受験者の緊張をほぐす効果があります。その結果、面接時のコミュニケーションを円滑にし、本来の力を発揮できるようになります。 必須のものではありませんが、双方気持ちのいいやり取りを生むためにも、冒頭でアイスブレイクを挟むとよいでしょう。
面接でチェックすべき7つの項目
面接の場で求職者の本質を見抜くためには、どういった点に気をつけてチェックすべきでしょうか。ここでは、面接時にチェックする項目をご紹介します。
コミュニケーションスキル | 既存社員と十分なコミュニケーションをとり、社内で円滑に業務をしてもらうために、基本的かつ重要なスキルです。 |
志望意欲 | やりがいをもって仕事に取り組み、会社で実力を発揮してくれるかを計る上で大切です。 |
仕事に対する姿勢 | 仕事に対して積極性があったり、モチベーションが高い人は、成長スピードが速い傾向にあります。 |
ストレス耐性 | ある一定の負荷がかかった際に、きちんと対処し乗り越えられるかは非常に重要です。またどう問題に対処するかの姿勢もポイントです。 |
定着性 | いくら優秀な人材であっても、すぐに辞められてしまっては意味がありません。長期的に活躍してくれそうな人材かどうか、見定めましょう。 |
スキル | 最近「使用可能なツール」などをヒアリング項目に設ける企業も増えています。質問で実務レベルをはかることは、ミスマッチを減らす上で重要です。 |
カルチャーフィット | エンゲージや定着率の観点で、企業文化にマッチできる人材かどうかは見極めましょう。 |
次の章で、これらの項目を見極める上で効果的な質問例をご紹介します。
面接で本質を見抜く10の質問
ここからはより具体的に面接時に本音を見抜く質問を解説します。
面接官であれば、いつも課題になるのが「何を聞くか」ではないでしょうか?
面接時に必ず聞いてほしい10のことを理由も含めて紹介します。
- 応募いただいた仕事とこれまでの仕事の違いはどんな点があると思いますか?
- 会社選びであなたは何を重視しますか?
- 当社で働くことで、どのような目的を達成したいですか?
- これまで挫折したことはありますか?その時はどう対処しましたか?
- これまで人間関係で困った事はありましたか?またそれをどのように解決しましたか?
- ストレスを感じたときに、どのように解消していますか?
- 3年後にどのようなキャリアを描いていますか?
- 現在、自分で勉強していることはありますか?
- 当社のどのような点に魅力を感じましたか?
- 何か質問はありますか?
面接で本質を見抜く質問①応募いただいた仕事とこれまでの仕事の違いはどんな点があると思いますか?
転職で応募してきた受験者であれば、その転職に何らかの事情や理由が必ずあります。それは家庭の問題やプライベートなことかもしれませんが、多くの理由が「前職」に紐づいていると考えられます。
前職で不満に感じていたことが「この会社では解決できる」と考えているから応募してきているので、その思考の中身や本当に自社で解決できるのかを確認することは必須です。
入社後の離職の予防や、受験者が何を基準に会社を選んでいるのかを確認できるので、この質問は必ずしましょう。
面接で本質を見抜く質問②会社選びであなたは何を重視しますか?
日本には会社と呼ばれるものが多数あり、転職サイトを見ればたくさんの会社が求人情報を公開しています。その中で「なぜこの会社を選んだのか?」を聞くことは受験者の価値観の確認になります。
採用側は特にこの部分を意識して、自社と相違ないかを確認しましょう。
面接で本質を見抜く質問③当社で働くことで、どのような目的を達成したいですか?
働く理由は人によってさまざまです。
生きるため、買いたいものがある、良い家に住みたいなど、目的に良いも悪いもありません。
ですが、最も悪いのは「目的がない」ことです。
仕事を行っていくうえで目的がハッキリしていないと、そもそもの働く理由がなくなり、モチベーションややる気がだんだん薄れてきます。
そのため、この質問を投げかけて「自分は何のためにこの会社で働くのか?」を言語化させるようにしましょう。
面接で本質を見抜く質問④これまで挫折したことはありますか?その時はどう対処しましたか?
仕事を行っていると、落ち込むことや失敗して挫折することもあります。
そのたびに立ち上がって、また仕事に向かっていかなければいけません。
過去にそういった経験があるのなら、今後も挫折した際にも安心して最後まで仕事を任せられます。

面接で本質を見抜く質問⑤これまで人間関係で困った事はありましたか?またそれをどのように解決しましたか?
「人間関係」は社員が離職する理由の1位です。
ですが、人間関係は良くしようと思ってもなかなか改善できる問題ではありませんので、その都度対応していく必要があります。
過去にそういった人間関係で困ったことがあり、解決できているのなら離職の可能性がグッと下がるので、聞いておく必要があります。
面接で本質を見抜く質問⑥ストレスを感じたときに、どのように解消していますか?
仕事を円滑に進めるには、ストレスを上手に解消できる能力が必要です。
どんなに優秀な人間でも、ストレスを過度に感じている間は良い仕事などできません。また、ストレスは離職の理由にもなりえます。
プライベートや趣味からストレスを解消する方法を持っている人は、長期的に会社に貢献してくれる可能性が高いので確認しておきましょう。
面接で本質を見抜く質問⑦3年後にどのようなキャリアを描いていますか?
会社や組織に所属する理由に「成長」というのがあります。
多くの人は成長できる会社に長く所属し、楽しさを感じながら仕事をします。
その際に重要になるのが、自身のキャリアをイメージできているかどうかです。自身のキャリアをイメージできれば、そのために何が必要で、どんなスキルが求められるのかが明確になります。
入社前に自身のキャリアをイメージできている人は、入社後も明確な目標を掲げながら意識高く仕事をしてくれます。
つまり、この質問をすることで優秀な人を見極めることが可能になります。
面接で本質を見抜く質問⑧現在、自分で勉強していることはありますか?
入社してすぐに戦力になる人材などは大変まれであり、ほとんどの人が入社直後は研修や育成から始まります。そのため入社後は自己学習ができるのかどうかは重要な要素になります。
仕事に直接関係がなくても、勉強している習慣を持っている人は貴重な人材といえます。
面接で本質を見抜く質問⑨当社のどのような点に魅力を感じましたか?
自社のことをどれだけ調べているのかを確認するのに、この質問はうってつけです。
基本的なことですが、これは非常に重要な質問です。
なぜなら、自社のことを本当に良いと思って応募したのか、ただの滑り止めなのかが明確に分かるからです。これが分かると入社後に戦力になってくれるかどうかを判断できます。
面接で本質を見抜く質問⑩何か質問はありますか?
この質問に対して「何もありません」と答える受験者は内定を出さない方がいいでしょう。
なぜなら入社面接を行い、30分も会社や自身のことについて話せば少なからず質問というのは出てくるはずです。一度の面接で自分の知りたい情報を全て得られているというのは考えにくく、ほぼありえないでしょう。
それでも質問がないということは、つまりこの会社に興味がないからです。
そんな人は入社しても離職する確率が高いので、内定を出すことはおすすめしません。
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面接は無意味なのか?

ここまで本質を見抜く質問や本音を聞き出す方法を解説しましたが、近年よく言われているのが「面接は無意味」というものです。
ではなぜ「面接は無意味」と言われるのかの理由を解説していきます。
- 面接で分かる情報は少なすぎる
- 人間性まで見極めることは難しい
- 面接官の質で評価が変わる
面接で分かる情報は少なすぎる
まず1つ目の理由は面接で分かる情報が少なすぎるからです。
面接の時間は長くて1時間、短い場合は5分で終了するときもあります。
その短時間で、求職者がどんな考え方でどんな人間性なのかを判断することは非常に難しいです。
そのため面接では求職者が自社が求める人材かは分からないと言われています。
人間性まで見極めることは難しい
2つ目は人間性まで見極めることは難しいからです。
求職者が面接で本音を自分から語ることはあまりありません。
なぜなら求職者は面接官にできるだけ良く見られたいと思いますし、少しでも自分の悪い部分や本音は隠そうとするからです。
このことから、求職者が自らが本音を隠すことが面接が無意味だと言われる理由の1つです。
面接官の質で評価が変わる
3つ目は面接官の質で評価が変わってしまうからです。
面接官も人間なので、その日の気持ちや気分で相手の評価がブレます。
さらに人が変わると評価はかなり変わってくるでしょう。
そういった変数が多い状況で本質を見抜くことは難しいでしょう。
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まとめ:面接では無意味な質問をやめて、本質を見抜く質問をする
ここまで面接・面談時のポイントと具体的な質問内容を解説しました。
しかし、そもそも応募の段階で良い人材を獲得できなければ意味がありません。