【人材派遣会社必見】安定的に求職登録者を獲得するために必要なWeb集客戦略とは?

「派遣先はあるのに派遣人材がいない」「安定的に登録者を集客できる方法がない」「応募者の獲得にかかる広告費を改善したい」という悩みをお持ちではないですか?

人材派遣会社がコストを抑えて安定した求職者集客を狙うには、集客方法の選択、コスト抑制のための施策、大手派遣会社に負けない戦略作りが重要です。
本記事ではそれぞれについて、わかりやすく説明します。

この記事のポイント
  • 人材派遣会社の集客に必要なWeb集客の方法を知る
  • 集客コスト抑制に!外せないWebメディア3つ
  • 大手と差別化ポイントは「事業計画」「求職者目線」「自社の資産」
目次

人材派遣会社の集客:基本は3つのWeb集客

人材派遣会社で求職者を集客する場合、対策はWebで行うのが現在の主流です。2021年のリクルートの調べでは、派遣社員が仕事探しに使う情報源はWeb媒体が上位を独占しています(ハローワークを除く)。この傾向は年々強まっており、集客の基本がWebであることは間違いありません。

現在、インターネットを使った集客には、大きく3つの方法があります。

  • Web求人媒体の利用
  • Webメディアの運用
  • Web広告の運用と求人検索エンジンの活用

まずは、それぞれについて理解しましょう。

人材派遣会社の集客方法①Web求人媒体の利用

Web求人媒体とは「求人情報掲載サイト」や「媒体が運営する求人広告・サイト」のことです。前者の代表的なものは「リクナビ派遣」や「エン派遣」などのサイト、後者の代表的なものには日本経済新聞社の「日経転職版」などがあります。

Web求人媒体の利用のメリット・デメリットは下記の通りです。

Web求人媒体の利用のメリット・デメリット
メリット
  • 現在、派遣の仕事を探している人に求人情報を届けられる
  • 求人情報を掲載し、応募を待つだけなので簡単
  • 短期間で効果の有無がわかる
  • 媒体のデータベースを利用してスカウト機能を利用できる
デメリット
  • 他の集客方法に比べ費用がかかる
  • コストをかけても必ず応募者があるとは限らない
  • 掲載期間が短い(通常2週間〜)
  • 潜在層へのアプローチはできない
  • 定型の情報掲載のため、他社との差別化が難しい

人材派遣会社の集客方法②Webメディアの運用

Webメディアの運用とは、会社ホームページ、ブログ、YouTubeチャンネルやSNSアカウントなどを自社で運用する方法です。Webメディアを通じて求職者の求める情報を発信し、自社を見つけてもらい、人材獲得につなげます。SEO対策や、採用サイト運用などが代表例です。

Webメディア運用のメリット・デメリット
メリット
  • 他の手法と比較して、低コストで実施できる
  • 情報の自由度が高く、他社と差別化を図りやすい
  • 現代の求職者の行動様式に合わせて自然なマーケティングができる
  • 作り上げたメディアは自社の資産となり、長期的に効果をあげる
デメリット
  • 効果に即効性がなく、成果が出るまで時間がかかる
  • コンテンツの設計から発信まで手間がかかる
  • メディアの制作やSEO対策にはWebの知識が必要

人材派遣会社の集客方法③Web広告の運用と求人検索エンジンの活用

Web広告の運用と求人検索エンジンの活用とは、Web上で広告活動を行うことです。あらかじめ対象となるユーザーを設計し、Web上で特定の行動をとったユーザーにのみ広告表示ができるのがポイントです。

Web広告には下記のような種類があります。

  • 「リスティング広告」「ディスプレイ広告」…検索エンジン上での広告表示
  • 「Facebook(Instagram)広告」…SNSメディア上での広告表示
  • 「求人検索エンジン広告」…求人検索エンジン上で広告表示や求人の上位表示

求人検索エンジンとは、Web上に掲載されているあらゆる求人情報を、プログラムを使って自動で収集・掲載しているWebサイトです。代表的なものには「Indeed」「スタンバイ」や「求人ボックス」があります。放っておいても自社の求人が掲載されますが、求人情報を修正したり、有料サービスを申し込んだりと能動的に活用することで効果が見込めます。

Web広告運用と求人検索エンジン活用のメリット・デメリット
メリット
  • ターゲットを絞った求職者層に訴求力の高いアプローチができる
  • 少ない予算から広告を運用できる
  • Webメディア運営との併用で高い効果を狙える
デメリット
  • Webマーケティングのノウハウが必要
  • ランディングページとなる運用Webメディアの質が重要

集客コスト抑制に!外せないWebメディア3つ

人材派遣会社の集客方法で、今注目が高まっているのが前項で紹介した「②Webメディア運用」です。

Web求人媒体を使った集客はいまだに求職者からの強い支持がありますが、派遣会社にとってはコスト高になることを始め、さまざまなデメリットがあります。利益率の高くない人材派遣業にとって、派遣案件の都度発生する集客コストの抑制は、事業計画上も重要です。

Webメディア運用による集客手法で、運用すべき代表的なメディアは「SNS」「オウンドメディア」「採用サイト」の3つです。それぞれについて具体的に説明します。

集客コスト抑制に外せないメディア①:SNS(ソーシャルメディア)

数あるSNS(ソーシャルネットワーキングシステム)の中でも、派遣求職者を集めるために効くSNSはFacebook(フェイスブック)だと言われています。

Facebookは米SNS大手のMeta社が運営する実名性の高いSNSで、日本でのメインユーザー層は30代・40代です(総務省調べ)。ユーザー年齢層は、日本における派遣労働者のボリュームゾーン(30〜49歳)とも合致しています(厚生労働省調べ)。

SNS(Facebook)運用でできること

1.無料で利用できる

Facebookは企業向けのビジネスアカウントが無料で作成でき、企業ページへの投稿でさまざまな情報発信を行うことができます。SNSでの情報発信は求人情報に限らず、社風や働く人、職場環境がわかるような投稿が効果的です。

2.情報の拡散性が高い

Facebookページやグループを活用して、新着求人情報や業界の動向を発信する方法もSNS活用の手法の一つです。シェア機能を活かして、求職者が簡単に情報を拡散できるよう工夫すると効果的です。

3.ユーザープロフィールデータを活用できる

また、高い精度を誇る広告機能があることもFacebookの魅力です。実名登録が基本であるFacebookでは、膨大なユーザープロフィールデータ(学歴・職業・居住地・性別・年齢等)をもとに、広告対象を絞り込むことができます。

Facebook広告は、同じくMeta社が所有するSNS、Instagramとも自動連携しているため、10代から50代まで幅広い年齢で利用者を獲得しているインスタグラムにも広告を表示させることができます。

4.フィードバックや評価の活用

派遣先企業や求職者からのフィードバックや評価は活用することができます。実際の成功事例や喜びの声を公開することで、信頼性を高め、引き続き登録者を増やす要因となります。

SNS集客の種類

SNSを活用した採用活動手法の種類としては次のようなものがあります。

・コンテンツマーケティング
・SNS広告
・インフルエンサーマーケティング
・SNSキャンペーン

魅力的なコンテンツをSNS上に発信し、ユーザーの興味を引きつけるコンテンツマーケティングや、業界やテーマに特化したコミュニティやグループを作成し、関連する人々を集めるコミュニティ構築、SNS広告を活用して、ターゲットとなるユーザーに直接広告を表示するSNS広告、有名なSNSユーザー(インフルエンサー)の力を借りて拡散を狙うインフルエンサーマーケティングなど目的に応じた戦略的なSNS集客を行うことが重要です。

人材派遣会社におすすめのSNS集客方法

人材派遣会社におすすめのSNS集客方法は、ターゲットに対して有益な情報を提供し囲い込みを行うことです。
次のポイントを具体的に紹介します。

・求職者のSNS活用方法を知る
・ターゲットが欲しい情報を発信
・情報交換会やプレゼント企画などのイベントを組み込む
・DMを活用する

1.求職者のSNS活用方法を知る

求職者がどのSNSを主に利用しているかを調査しSNS毎の利用者特性を知っておくことが、SNS活用の第一歩です。例えば、LinkedInはビジネス志向の求職者が多い一方、TwitterやFacebookは幅広い層にアプローチ可能です。各プラットフォームの特性を理解し、適切なコンテンツ戦略を展開することがポイントです。

2.ターゲットが欲しい情報を発信

SNSは拡散しやすい点がメリットです。求職者が求める情報やキャリアに関するアドバイスを提供する情報を投稿すれば、情報を有益と感じた人がブックマークやいいねなどのアクションを起こす他、登録などゆるやかにつながることも可能です。

求人情報だけでなく、業界の動向やスキル向上に関する情報を発信することで、信頼性を高め、フォロワーの中から質の高い求職者を引き寄せます。

3.情報交換会やプレゼント企画などのイベントを組み込む

SNS上で求職者との対話を促進するため、情報交換会やプレゼント企画などのイベントを企画・実施する方法も効果的な手法です。これにより、コミュニケーションの場を提供し、相互の信頼を築きやすくします。

4.DMを活用する

ダイレクトメッセージ(DM)を活用すれば、個別の対話を促進することができます。求職者の興味やニーズに合わせて、適切な情報や提案をDMで送り、直接的なやり取りを通じて信頼関係を構築し、イベントや本サービスへの登録を案内することも可能です。ただし、無理に営業的なアプローチを避け、相手の立場に立ったコミュニケーションが重要です。

SNS運用代行サービス

人材派遣会社の集客において、Web集客は強力な戦略手法となります。しかし、ノウハウが必要で合ったり、運用に手間がかかるのも事実です。

何からはじめていいのか分からない場合には、SNS運用代行サービスを活用するのも手です。

集客コスト抑制に外せないメディア②:オウンドメディア

オウンドメディアとは自社で保有するメディアの総称ですが、Webマーケティング上は自社で立ち上げ・運営・情報発信を行うWebサイトを指します。

オウンドメディアの特徴は、集客したいユーザー目線で、役に立つ情報、知りたい情報、必要な情報を発信する内容であることです。「お役立ちコラム」「派遣Q&A」「派遣で働く」など、派遣会社のサイト(顧客向けのサイト)や派遣会社の採用サイト(求職者むけのサイト)の一部に、その機能を持たせている場合もあります。

WordPressやMTなどの無料CMSを活用すれば無料または低コストで立ち上げることができます。WEB制作会社等に制作を依頼する場合は、30~50万円前後が費用相場となっています。

オウンドメディア運用でできること

オウンドメディアを使った集客には、2つの効果が期待できます。一つ目は潜在層に自社を認知してもらうこと、二つ目は潜在層に有益な情報を与え続けることで信頼構築を行い、自社を選んでもらうことです。

例えば、山陰地方を中心に保育士派遣に実績があり、山陰地方の活性化に強い思いのある派遣会社であれば、「保育士派遣」「山陰地方」「地方就労」「UIターン」「地方活性化」などについての情報の求職者ニーズを調査し、ニーズに応じてコンテンツ(情報)を発信します。

派遣会社が想定した求職者がWeb検索によってコンテンツに辿り着けば、求職者の自社認知が行われます。さらに、自社の発信するコンテンツに興味を持ち、ファンになってくれれば求人登録に進んだり、採用サイトを訪れたりしてくれるでしょう。

人材派遣会社におすすめのオウンドメディア運用法

人材派遣会社におすすめのオウンドメディア(自社メディア)の運用法について紹介します。

1.ターゲット別のメディアを用意する

人材派遣会社にとって、ターゲットとなる層は「人事向け」と「求職者向け」の大きく2種類です。
オウンドメディアを運用する際は、誰向けのサイトなのかを明確にすることで集客力が高まります。

ターゲット別に異なるオウンドメディアを展開することで、より効果的な情報発信が可能です。例えば、求職者向けのブログやキャリアアドバイスコーナー、クライアント企業向けの業界トピックや雇用法の解説など、対象層ごとにメディアを最適化することが効果的です。

2.人材系オウンドメディアの事例

業界の最新動向や人材派遣に関連するトピックに焦点を当てたブログやコラムを定期的に配信したり、求人情報の紹介や企業文化の紹介、スタッフの声などを伝える動画コンテンツを公開しているサイトもあります。

大手の事例を見てみましょう。

リクルートホールディングス – 『リクナビNEXT』

リクナビNEXTは、求職者向けのオウンドメディアとして、就職活動に役立つ情報や企業の紹介などを提供しています。記事や動画、イベント情報など多岐にわたるコンテンツがあります。

PERSOL CAREER – 『パーソルキャリア ブログ』

パーソルキャリアは、求職者向けに業界トピックや就職活動に役立つ情報を提供するブログを運用しています。キャリアアドバイスや企業の特徴などを発信し、求職者の関心を引きつけています。

集客コスト抑制に外せないメディア③:採用サイト

人材派遣会社の集客において、今や「採用サイト」は必須と言ってもいいでしょう。エン派遣が行ったアンケートでは、興味のある求人を見つけた際、派遣会社の情報をホームページで調べる人は全体の8割に上りました。

「採用サイト」とは、企業がその求職者へ向けた情報発信のために運用するWebサイトです。企業の顧客向けのホームページとは独立して存在し、主に求職者の疑問に応え、求職者目線で必要な情報提供を行うことを目的とします。

採用サイト運用でできること

採用サイトには求人情報と会社概要の他に「求職者の疑問・不安を解消する」「自社の強みを打ち出し、差別化を図る」ためのコンテンツを充実させましょう。さらに広告やSNSからの導線を設計し、「すべての広告からのランディングページとして機能する」などの役割が期待できます。

Web求人情報掲載サイト、SNSやオウンドメディアなど、すべての接点から求職者を誘導するWebページ(ランディングページ)として設計し、サイト解析を行うことで、Webを使った集客全体の分析改善も可能です。

採用サイトに必要なコンテンツとは

人材会社の採用サイトには企業の魅力を伝え、求職者やクライアント企業を引きつけるためのコンテンツが必要です。

企業概要やメッセージ、具体的な求人情報、社員の声やインタビュー、キャリアパスや教育制度、社内活動やイベントの紹介、選考プロセス、よくある質問、お問い合わせフォームなどが重要です。

ブログやコラムを通じて業界トピックやキャリアアドバイスを提供し、訪問者に魅力的な情報を定期的に提供することも不可欠です。これらを組み合わせて分かりやすく、魅力的なサイトを構築し、採用活動の効果を最大化します。

集客に大きく貢献するのはランディングページ

LP(ランディングページは)とは、商品やサービスに誘導することに特化した特別ページのことです。効果的に構築されたランディングページは訪問者を引きつけ、目的の行動へ誘導する役割を果たします。

人材紹介会社のLPは分かりやすいCTA、簡潔で魅力的なメッセージ、ビジュアルコンテンツ、応募プロセスの説明、信頼性強化要素を特徴とします。モバイルフレンドリーな設計と情報提供、データ収集と分析が組み込まれ、訪問者に安心感と利便性を提供し、採用活動への誘導を効果的に行います。

加えて、web広告と連携しながら運用することで効果を最大化できます。

大手と差別化ポイントは「事業計画」「求職者目線」「自社の資産」

Webメディア運用とWeb広告の運用・求人検索エンジンの活用を組み合わせ、Web求人媒体以外の方法で求職者にリーチできる方法を確立したら、次に必要なのは「発信すべき情報」の部分です。ここでは大手と差別化を図る戦略が必要になります。

差別化のポイントは「事業計画から考える」「求職者目線で考える」「自社の資産から考える」の3つです。

人材派遣会社集客:事業計画から大手との差別化を考える

人材派遣会社は事業計画の段階から市場分析をもとに、エンジニア・専門職派遣など人材ジャンルを絞り込んだ特化型か、地域密着型にするなどの「売り」を持っているはずです。まずは、それを訴求ポイントにしてコンテンツを企画し、Webメディアでのアピールしていきましょう。

人材派遣会社集客:求職者目線から大手との差別化を考える

自社がターゲットにする求職者のニーズから差別化ポイントを探すのも有効です。保育士派遣を強みとする場合、求職者となる保育士がどんな悩み・ニーズを持っているのか調査しましょう。

「職場環境、特に休みの取りやすさや勤続年数の長さが知りたい」「社員登用制度があるか、その実績などが知りたい」など、その職種や業態特有の情報ニーズがある場合、それらを提供することも有効でしょう。その業種特有の派遣での悩みがあれば、そこを解消できる自社の仕組みなどの情報提供が差別化のポイントになるでしょう。

人材派遣会社集客:自社の資産から大手との差別化を考える

自社の資産のうち、求職者にとって有益なものを差別化ポイントとして明確に伝えましょう。厳選された求人案件、営業担当者のフォロー体制、キャリアコンサルティング力、UIターン者の派遣実績、派遣社員の勤続年数や満足度…自社には様々な資産があります。会社アピールのように一方的にならないように、求職者が自分にとって有益であると判断するような形で、魅力的に伝える工夫が必要です。

Webを使った集客戦略で大手に負けない戦い方を

派遣法の改正や労働契約法の整備などにより、人材派遣業界では、大手派遣会社がより登録人材を抱えやすい状況になりつつあります。また、資金力のある大手には、ブランド広告や広告費で競っても新規人材獲得では敵いません。

しかし、Webの普及により、ターゲットを絞った訴求力の高いマーケティングが可能になりました。自社採用サイトなどのWebメディア運用は、低コストかつ安定的な集客力向上に繋がります。

Webメディア運用の難点はノウハウとマンパワーが必要なことですが、今はさまざまな外部サービスが利用できます。集客に関する悩みを抱える場合は、まずは社外リソースを活用し、自社でのWeb集客・Webメディアの運用を始めてみるのもおすすめです。

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この記事を書いた人

人材業界|求人サイト運営・運用・管理
広告運用歴4年
ベンチャー企業でプレイングマネージャー
求人アグリゲーションサイトのことからベンチャー企業のあれやこれやも発信します。
indeed/求人ボックス/stanby/Google広告/seo

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