採用サイトの更新、新しい採用手法の導入や前回の採用活動の振り返りもしたいけど、時間が取れない!
この記事では、そんな採用担当者へ向けて、採用業務効率化のためのツールを紹介します。
驚くほど多彩なツールが開発されていますので、採用業務の実務・雑務に追われている採用担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
業務効率化できるトレンド採用ツール17選 カテゴリ別にまとめて紹介
サービス名・ツール名 | カテゴリー | 特徴 |
---|---|---|
OfferBox | 採用支援 | 人気が急上昇している「逆求人」型、新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービス |
TRUNK for Enterprise | 採用支援 | 学生のうちから実践型トレーニングを積んだ人材に企業からアプローチ。マッチングサービス |
MyRefer | 採用支援 | 国内初のリファラル採用活性化クラウドサービス。社員の「紹介しやすさ」に強み |
Refcom(リフカム) | 採用支援 | 経験豊富なアドバイザーが支援定量的なデータ分析をもとにリファラル採用の活動支援 |
harutaka | Web面接・オンライン面接 | 2段階の動画・ライブ面談での選考が可能。面談採用管理システム(ATS)と連携 |
ApplyNow | Web面接・オンライン面接 | 動画選考で面接時間の大幅短縮がメリット。アルバイト採用や新卒の一次選考に |
Miahire(ミアハイヤー) | Web面接・オンライン面接 | 会社紹介動画や面接問題動画の制作も依頼できる。最終選考以外をほぼ自動化 |
Jicoo(ジクー) | 日程調整 | Web会議機能も備え、採用面接に便利 |
skett(スケット) | 日程調整 | 採用面接に特化した面接日程調整ツール。シンプルな機能で導入が容易 |
waaq Link(ワークリンク) | 日程調整 | プログラミング不要でATS(採用管理ツール)などと連携し、業務を効率化 |
Chatwork(チャットワーク) | 社内コミュニケーション | 国産ビジネスチャットツール。タスク管理機能で業務効率化 |
Slack(スラック) | 社内コミュニケーション | IT・エンジニア系に人気の高い、カスタマイズが魅力のビジネスチャットツール |
GMOサイン | 契約業務 | 契約にかかる実務を大幅に削減できる、電子契約システムの大手2社。セキュリティや業務の透明性の点でもメリットが高い |
CloudSign | 契約業務 | 同上 |
MatchinGood(マッチングッド) | 人材派遣管理システム | 人材派遣・人材紹介の両方に対応。初期費用はゼロ、低額の月額費用からスタートできるところが魅力 |
StaffNavigator(スタッフナビゲーター) | 人材派遣管理システム | 実務を全て集約化できるオールインワンシステム。Web面談や適性テスト機能もついている |
STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス) | 人材派遣管理システム | 機能をフルで使えば、案件受注から会計システムへの橋渡しまで、一貫して処理できるのが魅力 |
採用業務の効率化に使えるツールをカテゴリ別に簡単に紹介します。
採用ツール:採用支援
採用支援ツールには、採用手法の多様化がそのまま反映されています。
例えば従来の採用ステップ(企業が求人情報をだし、求職者が応募する)とは真逆の、企業側が自社にマッチする候補者へ直接コンタクトを取る「ダイレクトリクルーティング」のためのツールがあります。
「OfferBox」は、人気が急上昇中の新卒に特化した「逆求人」型のダイレクトリクルーティングサービスです。利用する学生の数も年々増加し、企業の方から学生にコンタクトできるため、有名企業でなくとも早期に母集団形成できることがメリットです。
「TRUNK for Enterprise」は、学生のうちから実務経験を積んだ人材に企業からアプローチできる、新しいタイプのマッチングサービスです。学生むけには就業を前提とした実践型トレーニングを提供し、企業向けには、トレーニングを終了した学生とのマッチングを提供しています。トレーニングはエンジニア、クリエイティブ、ビジネス系をカバーしています。
また、ダイレクトリクルーティングのもう一つの形である「リファラル採用」向けツールもあります。リファラル採用は、社員の知人や友人を紹介・推薦してもらい、選考をする採用手法で、「攻め」の採用活動と言われます。
国内初のリファラル採用特化型クラウドサービスの「MyRefer」は社員の「紹介しやすさ」に定評があり、中途採用・アルバイト採用で導入が進んでいます。「Refcom(リフカム)」は、経験豊富な担当アドバイザーがつく他、定量的なデータ分析をもとにリファラル採用の活性化支援をしてくれるのがポイントです。
採用ツール:Web面接・オンライン面談
いわゆるWeb面接・オンライン面談には、2種類あります。
- 動画面接(企業が事前に定めた質問等に、応募者が動画で回答を提出するもの)
- Web接続によるライブ面接
ライブ面接だけであれば、ZoomやSkypeなどの無料ツールでことが足ります。しかし、採用面接に特化したツールは、両方の面接スタイルに対応し、かつ質の高い内定者獲得に効果を発揮するその他機能があるのが特徴です。動画選考を取り入れている企業の多くが書類選考のステップを廃止しており、採用プロセス自体も改善できます。
「harutaka」 は、独自開発のAI技術で録画動画から応募者の印象を可視化し、客観的な評価をサポートしてくれる機能があります。また、動画エントリーで一次選考、ライブ面談で二次選考を行い、応募者のデータは採用管理システム(ATS)連携で進捗を一括管理することもできます。
「ApplyNow」は、録画動画を活用した選考支援サービス(スマート選考ソリューション)。企業が登録した質問に、応募者が動画や記述で回答、企業がWeb上で合否判断をするという流れです。会社も求職者も時間に縛られずに選考に参加でき、選考時間の大幅短縮が実現します。アルバイト採用や新卒の一次選考、自治体の選考で活用されています。
「Miahire(ミアハイアー)」は、1次〜2次面接の業務を完全自動化できるソリューションです。選考前の会社紹介動画や面接問題動画の制作も依頼でき、書類選考・日程調整も不要。面接を受けた人数分の費用がかかるチケット制で効率化とコストダウンが狙えます。セキュリティ機能の高さや他言語対応など、他社にない機能が多いのも特徴です。
採用ツール:日程調整
日程調整ツールは大きく予約受付型と候補提案型に分類できます。
主流となる「予約受付型」は応募者にこちらの空いてる日時を見せて、予約を受け付けます。一方、「候補提案型」はいくつか特定の候補日を応募者に提示し、応募者はそこから希望日時を選択します。面接や面談の日程を限定して採用活動を進める場合は「候補提案型」が選択肢となります。
通常機能として、業務で利用する各種カレンダーと連携し、複数人の日程調整にも対応します。また「waaq Link」のように採用管理ツール(ATS)と連携するものや、「Jicoo(ジクー)」のようにWeb会議機能を備えるもの、採用面接の日程調整に特化した「skett(スケット)」などのタイプがあります。
採用ツール:社内コミュニケーション
採用業務は関わる人が多いため、情報共有にも時間がかかります。
また、登録人材派遣のマッチング業務ではB to BとB to Cのやりとりが同時進行するため、採用業務以上に関係者が増える中での、迅速で円滑な情報共有が仕事の質を左右します。
社内のコミュニケーション効率化には、すでに普及が進んでいるビジネスチャットが有効です。2大サービスは「Chatwork(チャットワーク)」と「Slack(スラック)」で、どちらも、デスクトップアプリ・スマホアプリ・ブラウザで利用できるほか、メール連携、音声通話、ファイル添付、メンションといった基本機能があります。
これまでメールや電話で管理していた全ての情報を一元化し、トピックごとにまとめて話し合いができ、後から検索できるビジネスチャット。
独自のタスク管理機能を使用したい&コストを抑えたいなら国産ツールの「Chatwork」、豊富な連携機能からカスタマイズして使いたいなら「Slack」がおすすめです。
採用ツール:契約業務
派遣会社の採用・マッチング・営業業務の実務のうち、一番時間がかかるのが、派遣契約に関する「契約」業務ではないでしょうか。コンプライアンスの面でも重要な契約業務である一方、郵送・押印・印紙・ファイリング等の作業は定型業務でもあります。
煩雑な契約業務ですが「CloudSign」や「GMOサイン」のような電子契約システムが出てきたことで、一気に効率化ができるようになりました。契約書を電子で承認するプロセスで業務の透明性も上がり、省スペース、人為的なミスも減らせます。
契約業務の効率化が進めば、本来のコア業務である、派遣スタッフ・派遣先両方へのフォローに時間をあてられるかもしれませんね。
採用ツール:人材派遣管理システム
人材派遣管理システムとは、人材派遣業に関わる様々な情報を登録・管理し、業務効率化を行うシステムを指します。スタッフの人事管理だけでなく、勤怠管理、給与計算、派遣先との契約、売り上げ請求などの機能を持つシステムもあり、大量の情報を管理するためERP(基幹系情報システム)とも呼ばれます。
派遣業務は事業規模が小さければExcel管理でも間に合いますが、登録スタッフ数や派遣先が増えてくると、エクセルでは到底管理しきれません。
マッチング精度の向上に強みを持つ「MatchinGood(マッチングッド)」は人材派遣・人材紹介の両方に対応した、営業サポート支援系クラウドERPです。人材派遣管理システムの基本機能がそろった上で初期費用はゼロ、低額の月額費用からスタートできるところが魅力です。
派遣の現場で行う実務を全て集約化できるオールインワンシステムには、Web面談や適性テスト機能もついている「StaffNavigator(スタッフナビゲーター)」や、最初は機能の一部からの利用もできる「STAFF EXPRESS(スタッフエクスプレス)」があります。機能をフルで使えば、案件受注から会計システムへの橋渡しまで、一貫して処理できるのが魅力です。
トレンド採用ツールの選び方
- 自社の採用課題を深掘りする
- トライアルなどで「試しに使ってみる」
採用ツールの選び方のポイントを簡単に紹介します。
自社の採用課題を深掘りする
まずは自社の採用課題を深掘りすることが大切です。
採用ツールを選ぶ基準は「自社の採用課題を解決できるかどうか」です。採用課題を明確にしていないと、効果を出せないツールに時間とコストを費やすことになってしまいます。
実際、「真新しいツール!使ってみよう!」「他の企業の採用担当者がおすすめしてたから導入しよう」など、自社の採用課題とは関係ないのに導入してしまうケースは少なくありません。
そのため、まずは自社の採用において「何を解決したいのか?」「課題は何なのか?」を深掘りしましょう。
トライアルなどで「試しに使ってみる」
0円で利用できるツールや、トライアルがあるツールは「試しに使ってみる」のもおすすめです。
多くの人がおすすめしているツールが、必ずしも自社に合っているとは限りません。吟味して選んだツールが、思ったような効果を出せない場合もあります。
トライアルを通じて「課題を解決できそうか」「業務は効率化しそうか」「長期的に利用できそうか」を検討してみましょう。
採用業務効率化を一括で目指すならシステム・サービスの導入を
採用業務を効率化する手法はツールだけではありません。システムやサービスを導入することで、一括で業務効率を上げることができます。
- 採用代行サービス(RPO)
- 採用管理システム(ATS)
- CMS型採用サイト制作サービス
採用代行サービス(RPO)
採用代行サービス(RPO:Recruitment Process Outsourcing)は、採用業務の一部または全部を専門の業者に外注できるサービスです。会社によって得意分野やサービス内容は様々ですが、一件のみの利用からプロジェクト単位の発注まで可能なものもあります。
採用のプロに任せることができるため、自社にノウハウがない場合や、費用をかけても一時的に大量の人数を採用したい場合などに、採用サポーター的なメリットが見込めます。
採用管理システム(ATS)
採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)は、採用活動を一元管理できるように設計されたITシステムです。求人の管理・応募者の管理・選考状況の管理など、採用活動の情報一元化・進捗管理がこのシステム一本で完了するのがポイントです。パッケージで導入するもの、自社にあったカスタマイズが可能なもの、サービスの範囲や機能によって様々な商品があります。
各種自動化ツールや機能連携などにより、採用の効率化・作業の抜け漏れを防止する効果もあり、採用活動のスピードアップが期待できます。
CMS型採用サイト制作サービス
求職者の8割が参考にすると言われている「採用サイト」。応募者の質、エンゲージメントを高め、採用後のミスマッチを低減するという役割を果たします。
特にCMS型の採用サイトは、Webに関する知識がなくとも採用担当者が簡単にコンテンツ更新・運用できるのが特徴です。応募時から自社理解を深めてもらい、自社にマッチした人材で母集団形成をすることで採用プロセス全体を最適化できます。
また、採用マーケティングや母集団形成、応募者管理の機能が着いたサービスの導入で、選考までの業務を大幅に効率化することもできます。
採用ツールがトレンドとして普及している理由
採用ツールが普及している理由として、担当者の負担が増加していることがあげられます。
- 採用競争の激化
- 採用活動のオンライン化
- 採用手法の多様化
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、採用市場は売り手市場が続いています。
この減少傾向は今後も続き、生産年齢(15~64 歳)人口は減少傾向にあり、平成 27(2015)年の国勢調査では7,728万人いる生産年齢人口は、2029年に約7,000 万人、2040年に約6,000 万人、2056年には約5,000 万人に減少することが予測されています。
また、採用活動のオンライン化も進むなど採用手法が多様化し、採用担当・人事担当の負担が増加していることも原因です。
実際に、WEB面接の実施率は2019年の調査では11.3%だったのが、2020年には73.4%と飛躍的に増加しています。今後もオンラインの活用は増加することが予測されているなど、採用手法は変化し続けています。
これらの結果から、業務を効率化できる「採用ツール」の普及が進んでいるのです。
参考:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」
参考:DISCO「新卒採用に関する企業調査(2020 年 10 月調査)」
採用ツールで業務効率化する効果
採用業務の効率化は、単に採用担当者の負担を減らすだけではありません。
採用業務を効率化する効果について3つご紹介します。
内定出しまでのスピード感アップで優秀な候補者を逃さない
近年の採用市場は、労働力、特に若手の人材不足から求職者に有利な状況となっています。
自社にとって魅力的な候補者は、多くは競合他社でも有力な候補です。中途採用はもちろん、新卒採用においても、応募から内定までスピーディにテンポ良く進めていくことが、優秀な候補者を逃さないコツです。
採用業務やプロセスの効率化により、選考・採用にかかる時間を短縮しましょう。
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内定者の満足感を高め、内定辞退リスクを下げる
せっかく内定を出しても、入社前に辞退されてしまっては採用活動にかかったコスト、マンパワーが水の泡になってしまいます。
内定者を無事に入社まで持っていくには、
- その企業についての自分なりの理解がしっかり進んでいる
- 入社後、その企業で働くことのイメージができている
- 不安が出てきた際に解消できる人やツールにつなげている
などのポイントをクリアし、応募・選考過程を通じて内定者の納得感・満足感が形成されていることが大切です。
採用業務を効率化すれば、空いたリソースをそこに割り振ることができ、内定辞退のリスクを減らすことができます。
採用担当者がコア業務に集中し、本来の役目を果たす
採用活動は簡単なものから、ある程度の経験を要するものまで、様々なプロセスで成り立っています。
求人票のフォーマット転記や面接日程調整の業務は特段の経験がなくてもできますが、他にやる人がいないため、採用担当が実務をおこなっていますよね。
一方、採用戦略・採用計画の策定、採用費の予算どりや採用活動結果の分析など、採用担当がその職責において行うべき業務もあります。
採用担当が会社に最も寄与できる業務は、この「本来行うべき業務(コア業務)」であり、これがあって初めて予算内で安定的に質の高い人材が採用できるようになります。
採用業務の効率化は、採用担当者がコア業務にもっと集中できるようになるには?という観点から、進めましょう。
採用業務効率化の進め方と方法
採用プロセスからコア業務とそうでない業務に分ける
採用業務の効率化に当たって、まずは、採用担当者しかできない・本来やるべき業務(コア業務)を分けます。
大まかに分けると、一般的には、下記のようになるのではないでしょうか。
採用戦略・採用計画を立てる | コア業務 |
求人広告(求人情報・募集要項)を作成・公開する | コア業務以外 |
応募者受付・書類選考・面接選考・適性検査 | コア業務以外 |
内定後フォロー・導入研修 | コア業務以外 |
その他(契約・社員管理) | コア業務以外 |
効果検証・採用コスト精査 | コア業務 |
コア業務以外に入っている業務は、コア業務となっている採用活動の大枠と計画が決まっていれば、ブレることがありません。手順書を作り、思い切って他の人にやってもらうことは可能です。
コア業務以外の業務を他の人が実行するという前提で計画し、採用担当の業務は採用プロセスを計画通りに回すこと、と捉えてもいいかもしれません。
採用業務効率化の具体的な方法
採用プロセスを「コア業務」と「コア業務以外」に分けたら、「コア業務以外」の方から、効率化の方法を検討します。効率化の代表的な方法は、下記4つです。
ツール化 | ツールを導入し、自動化や手順の統一化によるマニュアル化を図る |
システム化 | システムを導入し、自動化や複数の手順の一元化、マニュアル化を図る |
外注化 | プロセスごと、もしくは全体についてアウトソーシングを行う |
プロセス改善 | プロセス(工程・活動)の内容を効率化の観点から改善する |
本記事では、このうち、ツール化に焦点を当てて次項以降で紹介します。
採用ツールやシステムは人材派遣のマッチングにも有効
採用プロセスのコア業務分けの表を見ていただくと、求人広告からその他(契約・社員管理)は、登録派遣の派遣業務マッチングの流れとほとんど同じです。
本記事で紹介する各種ツール・システムは、新卒・中途採用だけでなく、登録派遣の応募と案件のマッチング業務、契約業務、派遣スタッフ管理等にも有効ですので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ:採用業務はツールで効率化し、コア業務に集中!
採用活動のオンライン化、採用市場の競争激化が日々進行しています。
採用プロセスにスピード感が求められる一方、必要なコミュニケーションの質と量は変わっておらず、採用担当者が行う実務は減るどころか増える傾向にあります。
紹介したツールには、応募者や内定者の質を上げつつ、これまでのプロセスを大幅に短縮できるものもあります。採用担当者が本来の業務に集中するために、業務効率化ツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。