
令和2年5月5日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が発表されました。その影響を最も受けるのは、現時点で非正規雇用を活用している企業及び経営者です。
ですが、具体的に何が変わって、どういった改正なのかを理解している経営者は少ないのではないでしょうか?
この記事では、社会保険制度を詳しく知りたい、上手に利用したいという方に向けて分かりやすく解説していきます。
正直、これを知らないと損しかありません。
【2022年】社会保険の加入条件が大幅変更
まず最初に2022年10月に社会保険の何が変わるのかを説明します。
社会保険の加入条件の改正は度々行われてきましたが、今回大きく変わった項目は4つです。
- 週労働時間20時間以上
- 月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)
- 勤務期間2ヶ月超
- 従業員101人以上の企業等
週労働時間20時間以上
まず1つ目の「3週労働時間20時間以上が必要」というのは、31日以上の雇用が見込まれる人で、週20時間以上働く場合は必ず雇用保険に加入しなければならず、自分で加入を選択することはできないというルールです。
月額賃金8.8万円以上(年収換算で約106万円以上)
この月額賃金の8.8万円に「賞与」、「残業代」、「通勤手当」などは含まれません。
つまり最初に決まっている賃金(所定内賃金)で判断されます。これが俗にいう「106万円の壁」というものです。
勤務期間2カ月超
今回の変更で特に注目すべき変更点は、この「勤務期間2ヶ月超」という箇所でしょう。
この加入対象である従業員の勤務期間が「1年以上見込み」から「2ヶ月超」と大幅に短くなったことで、半年程度の雇用期間であっても、月の給料が8,800円以上であれば社会保険に加入できるようになりました。
また、従業員規模の基準が大幅に下がった点も覚えておくべきポイントでしょう。
従業員101人以上の企業等
2022年10月からは「従業員101人以上の企業」に適用されます。さらに2024年10月以降には、「従業員51人以上の企業」へと変更される見込みですので、今後さらに社会保険の加入のハードルが低くなるでしょう。

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社会保険加入のメリット・デメリット

ここまでで「社会保険のハードルが下がり、今後はさらに加入する人が増える」という傾向なのは説明しましたが、そもそも社会保険によって発生するメリット・デメリットはどういったものがあるのかを簡単に説明していきます。
- 従業員が辞めにくくなる
- 採用コストの削減
- コストの増加
- 安心できる
- 個人で払うよりも安い
- 手取りが減る
- 106万円の壁
企業側のメリット
従業員が辞めにくくなる
企業が非正規の従業員に求めることは、採用にお金をかけたくないので「できるだけ長く働いてほしい」ということでしょう。
この点においては社会保険の加入はメリットと言えます。
なぜなら、社会保険に加入することで傷病手当金や出産手当金などの保障も手厚くなり、従業員からしてみれば生活のリスクを避けることができ、働くことへの安心感を得られるためです。
採用コストの削減
上記のメリットと付随しますが、従業員の離職率が下がるということは、それに伴って採用にかかっていたコストも下がってきます。
例えば、今までは月に平均3人のペースで辞めていた企業が社会保険のおかげで月に1人になれば、その分を補填するためにかけていた採用コストが2人分少なくなるということです。
企業側のデメリット
コストの増加
従業員が社会保険に加入した際に企業側に発生するのが「社会保険料の企業負担」です。
社会保険料のおよそ半分を企業側で負担しなくてはならず、企業規模が大きくなればなるほどコストは大きくなってきます。
非正規従業員のメリット
安心できる
従業員側の最大のメリットはこの「安心感」でしょう。非正規雇用という不安定な雇用形態で働いている方からすれば、いつ何があって収入がゼロになるか分かりません。
常にそんな不安を抱えながら生きている従業員から見れば、社会保険は大きな安定剤になります。
個人で払うよりも安い
企業側のデメリットで説明したとおり、社会保険は個人と企業で折半となるので1人で払っていた時より負担が少なくなります。
非正規従業員のデメリット
手取りが減る
社会保険の加入のデメリットは手取りが減ることです。
社会保険は基本的に給料が天引きされるので、給料明細の額面を見てガッカリする方も多いでしょう。
106万円の壁
社会保険の加入は毎月の給与から社会保険料が天引きされるので、基準を少し超えた程度では未加入時よりも手取りの収入が少なくなってしまいます。
例えば、毎月9万の給与だと年収108万になります。ここから社会保険である健康保険料と厚生年保険料を引くと、年収は約93万円です。
これであれば社会保険に加入せず、毎月8万の年収96万円の給与のほうが手取りが多くなってしまうという仕組みです。
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非正規雇用のデメリットを抑える活用方法

ここまで社会保険について説明しましたが、結論何が変わったかというと企業側にとっては負担が大きくなるということです。それに伴って、非正規従業員の活用方法が上手い企業が勝つ時代に移行してきているのです。
社会保険加入のハードルが下がり、非正規社員が増えるにつれて、企業も非正規従業員の活用方法を考えていかなければなりません。
では、非正規従業員の有効な活用方法を紹介します。
- プロジェクトごと活用
- 採用のハードルを低下
プロジェクトごと活用
1つ目はプロジェクトごとに雇うということです。
非正規の良いところは、短期で雇用できて、その後の心配をしなくてすむことです。社員を増やすとなると、その人の時間を遊ばせないように仕事を長期的に用意しなくてないけません。
長期的なプロジェクトならば良いですが、全てがそうである保証はありません。
急なプロジェクトの変更や、そもそも実験的な事業の場合であれば、その度に社員を雇用していてはコストがかかりすぎます。この場合は、非正規雇用の方が良い選択と言えるでしょう。
採用のハードルを低下
次に採用のハードルを低くすることができます。
採用というと、書類選考→面接日程調整→面接→最終選考と人的工数がかなりかかってしまいます。さらに1日に面接できる回数も決まっているので、上限が決まってしまいます。
これはどこの企業も抱える問題です。
ですが、非正規雇用であれば、短期での雇用、高いスキルを求めないという観点からハードルが下がり、工数削減を行えます。
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非正規雇用を活用しない企業はデメリットばかり
最では、非正規雇用の活用が上手い企業の方が成長率が高いと言われています。
今までの正社員でいる大きなメリットは、社会保険に加入できるということでした。しかし、今回の法改正により非正規雇用でも社会保険に入りやすくなりました。
これでは従業員はわざわざ正社員になって不自由な生活をする必要がありません。これからの時代は、能力が高い人から非正規に移っていくと思われます。
非正規雇用を武器にする経営
非正規雇用と聞くと、良い印象を抱かない方は多いと思います。
しかし、実際に非正規を上手く活用している企業が売上を伸ばし、いつまでも昔の雇用方法にこだわって経営をしている時代遅れの企業が倒産に追い込まれています。
既に人材派遣会社や、フリーランス派遣会社などの会社が着々と力をつけています。
初動で動いた企業は、そこでノウハウが貯まり今後も勝ち続けるでしょう。弊社のクライアント様も明確に売上に差が出てきました。
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まとめ:2022年の非正規雇用の社会保険を理解する
では、非正規雇用の活用企業の後発組として何ができるのかというと、
それは早急に非正規雇用にシフトチェンジするということです。
ノウハウを作り、すぐにでも活用することが一番の近道ですが、そう簡単にデータは取れません。
ですが、弊社は今まで100社を超えるクライアント様とお付き合いさせて頂き、現在も契約を続けています。
非正規雇用の活用法を検討する前に確認したい実務ポイント
非正規雇用の活用法とは、採用・人事労務の目的に対して、対象者、費用、運用方法、法令面の注意点を整理しながら進めるための判断テーマです。
非正規雇用の活用法を判断する時は、サービス名や制度名だけでなく、採用目的、対象職種、運用担当、費用対効果、応募者対応までまとめて確認することが重要です。
筆者は採用支援・人事労務領域の記事を複数年にわたり調査し、求人媒体、採用管理システム、人事制度、労務管理の比較情報を整理してきました。筆者の確認では、実際に成果が出る企業ほど「導入前の目的」と「導入後の運用」を分けています。現場で見落とされやすい論点も、経験上、先に表で確認しておくと判断しやすくなります。
| 確認項目 | 見るべきポイント | 見落とすと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 目的 | 応募数、質、定着率、工数削減のどれを優先するか | 施策の成功基準が曖昧になる |
| 対象 | 新卒、中途、アルバイト、派遣など対象者を分ける | 求人文や選考フローが合わなくなる |
| 費用 | 初期費用、月額費用、成果報酬、運用工数を確認する | 採用単価を正しく比較できない |
| 運用 | 誰が更新し、誰が応募者対応するかを決める | 掲載後に放置され、成果が落ちる |
| 法令 | 労働条件、個人情報、公正採用の観点を確認する | 求人票や選考対応でトラブルになる |
採用・人事労務の判断では、次の公的情報も確認しておくと安全です。
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非正規雇用の活用法に関するよくある質問
Q. 非正規雇用の活用法は最初に何を確認すべきですか?
目的、対象者、費用、運用担当、法令や個人情報の確認事項を先に整理してください。条件が曖昧なまま進めると、採用効果や社内運用でズレが出やすくなります。
Q. 非正規雇用の活用法で失敗しやすいポイントは何ですか?
導入目的を決めずにツールや制度だけを選ぶこと、応募者対応の担当を決めないこと、求人票や選考基準を更新しないことです。
Q. 非正規雇用の活用法の費用対効果はどう見ればよいですか?
応募数だけでなく、有効応募率、面接設定率、採用単価、入社後の定着率まで見て判断します。短期の反応と中長期の改善を分けて確認しましょう。
Q. 非正規雇用の活用法を社内で進める手順は?
現状課題の整理、比較表の作成、担当者の決定、少人数での試験運用、効果測定、本格運用の順で進めると失敗を減らせます。
Q. 非正規雇用の活用法で法令面の注意点はありますか?
募集条件、労働条件、個人情報、採用選考の公平性に注意が必要です。制度や求人票を変更する場合は、厚生労働省などの公的情報も確認してください。
