「自社の中途採用がなかなか成功しない」
「これから中途採用を取り入れようと思うけど、具体的にどうすればいいのかわからない」
といった悩みを持つ企業や人事担当者の方は多いのではないでしょうか?
新卒採用が売り手市場の今、中途採用に注目が集まっているのが現状です。
この記事では中途採用活動を行う企業や採用担当者向けに、中途採用で押えておきたい基礎的な知識から、実際に中途採用を行う上での具体的なポイントまで詳しく紹介していきます。
- そもそも中途採用とは?新卒採用との違い
- 中途採用が今注目されている理由とは?
- 中途採用を実施するメリット・デメリット
- 中途採用を実際に行う9ステップ
- 中途採用を成功に導くためのポイントと注意点
この記事を読んで、中途採用についての知識やポイントを網羅し、自社の採用活動に存分に生かしてくださいね。
そもそも中途採用とは?
中途採用とは就業経験がある人材を採用することです。
新卒採用以外の採用であれば、職務経歴や年齢に関係なく中途採用に当てはまるため、中途採用と一言で言っても、対象となる人材は多岐にわたります。
採用目的別に分類すると、主に以下の6つに分けることができます。
- キャリア採用
- 第二新卒・既卒採用
- スタッフ採用
- シニア採用
- 障がい者採用
- 人材派遣
それぞれ解説していきます。一般的に中途採用と言えば「キャリア採用」と「第二新卒・既卒採用」のことを指すことが多いですが、ほかの採用手法も把握しておきましょう。
中途採用の種類1.キャリア採用
キャリア採用とは、その業界や職種での勤務経験のある人材を採用することです。
即戦力人材を採用できるため、「教育にかかるコストを抑えられる」「すぐに活躍してくれる」などの特徴があります。
中途採用の種類2.第二新卒・既卒採用
第二新卒という言葉に明確な定義はありませんが、主に「学校を卒業後3〜5年以内で就業経験のある、主に20代の若手人材」を採用することを言います。
「新卒採用よりも社会経験があり、キャリア採用よりも若手」という新卒採用とキャリア採用の中間の位置にあたり、新卒を1から育てる時間を割けない企業などでは、第二新卒の採用を積極的に行っていることもあります。
また、第二新卒と似た言葉として「既卒採用」があります。こちらも明確な定義はありませんが、第二新卒と異なり就業経験のない人材の採用に使われることが多いです。
中途採用の種類3.スタッフ採用
一般的に、補助的労働者の採用を言います。期間や地域を限定した採用で、短期的に人材が必要な場合にこの採用方法が取られることがあります。
中途採用の種類4.シニア採用
パートやアルバイトなどでの高齢者の採用です。
昨今の少子高齢化による人材不足の中で、シニア層の労働力は注目されつつあります。
中途採用の種類5.障がい者採用
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所持者向けの採用です。
一定数の従業員を雇用している企業では、国が定めた割合で障害者を雇用する義務があるため、障害者の雇用を前提とした採用をしている企業が数多くあります。
中途採用の種類6.人材派遣
直接の雇用ではなく、派遣会社からの採用です。
中途採用の種類に入るかは微妙なラインですが、業務量の変動に合わせた契約が可能であったり、2週間程度で就業が可能であったりなどのメリットがあり、検討に値する採用方法の1つでしょう。
中途採用と新卒採用の人材募集方法の違い
中途採用のほかに、企業が人材採用をする手段として「新卒採用」があります。
ここからは、中途採用と新卒採用のそれぞれの特徴や、両者の違いについて紹介していきます。
中途採用の特徴
新卒採用と比較すると、中途採用の特徴は主に以下の3つです。
- 不定期採用
- 社会人経験のある人材を採用
- 即戦力の人材を確保しやすい
中途採用は、新卒採用のような「年に1度の採用」とは異なり、自社のタイミングで採用活動ができることが特徴です。
また、就業経験のある人材を採用するため、ビジネスマナーなど社内研修をする必要がなく、即戦力の人材を確保しやすいことも特徴と言えるでしょう。
新卒採用の特徴
中途採用と比較すると、新卒採用の特徴は以下の3つです。
- 年に1度の定期採用
- 自社の文化が浸透しやすい
- ポテンシャル重視の採用
即戦力として採用を求める中途採用と異なり、新卒採用の場合は将来性を求める採用方法です。
定期的に新卒者を採用し、次世代の人材を育成していくことで、長く成長し続ける企業にすることが目的です。
新卒者は就業経験がないため、自社の風土や文化の継承がしやすいことも大きな特徴です。企業を活性化させ、時間をかけて大きく成長させたい場合には新卒採用がいいでしょう。
新卒採用よりも中途採用を選ぶべき場面
中途採用と新卒採用の違いが分かったところで、自社がどちらを活用していくべきか気になるところですよね。
新卒採用よりも中途採用を選ぶべき場面を簡単に紹介していきます。
- 欠員が出た場合
- 新事業の立ち上げを予定している場合
- 高度な専門知識を必要としている場合
- 組織の変革や、企業に新しい風をもたらしたい場合
中途採用の特徴として、自社のタイミングで採用活動を行えるため、急な欠員が出たときなどに向いています。
また、新事業の立ち上げや、専門知識が必要な場合も、即戦力人材を獲得できる中途採用を選択するのがいいでしょう。
他にも、客観的な視点から新たなアイデアや発見が期待できるのも中途採用者の特徴です。
中途採用の人材募集が注目されている背景
従来では、多くの企業が新卒採用を重視していて、特に大企業では新卒採用しか行わない企業も多く見受けられました。
しかし近年では中途採用での人材確保に力を入れている企業が増えてきています。
中途採用が注目されている背景として、以下のような原因が挙げられます。
- 終身雇用の崩壊
- 変化の激しい社会
- 少子高齢化に伴う人材不足
中途採用が注目されている背景1.終身雇用の崩壊
中途採用が注目されている背景の1つとして、終身雇用が崩壊し始めていることが挙げられます。
「1つの企業に生涯にわたって勤める」という意識が薄れてきており、キャリアアップや働きやすさを求めた労働者が中途採用市場に増えているのが現状です。
総務省の労働力調査を見ても、2010年には283万人だった転職者数が、2018年には329万人まで増えており、2010年以降転職者数は増加し続けていることがわかります。(出典:「労働力調査(詳細集計)平成30年(2018年)平均(速報) 」https://www.stat.go.jp/data/roudou/rireki/nen/dt/pdf/2018.pdf)
労働者側の意識の変化によって、中途採用市場にますます優秀な人材が増えつつあるのです。
中途採用が注目されている背景2.変化の激しい社会
デジタル化やIT、人工知能(AI)などによる技術革新によって、社会の変化が激しくなってきていることも、中途採用が注目される要因の1つです。
激しい変化に柔軟に対応しなければならないため、即戦力の人材を求める傾向が強まっており、教育が必要な新卒採用よりも即戦力が期待できる中途採用に力を入れる企業が増えています。
また、多様性が求められるようになってきていることから、企業側も多様な人材を受け入れ、企業イメージの向上や多様な発想を取り入れようという動きも、中途採用ニーズが高まっている理由です。
中途採用が注目されている背景3.少子高齢化に伴う人材不足
少子高齢化に伴って多くの企業が人材不足に悩んでおり、新卒採用で確保できなかった人員を中途採用で補う動きが活発なのも中途採用市場の現状です。
株式会社マイナビが実施した中途採用状況調査では、”6割以上の企業は正社員の不足を感じており、約8割の企業は経験者採用に積極的。”と回答しています。(出典:「中途採用状況調査(2021年版)」https://www.mynavi.jp/news/2021/03/post_30192.html)
このことから、中途採用における採用難が加速することが予想されるため、企業の採用担当者はより戦略的に中途採用の求人活動を進めていく必要があるでしょう。
中途採用の人材募集方法も多様化しており、リファラル採用(社員紹介)やダイレクトリクルーティングなどを取り入れている企業も増えています。
中途採用で人材募集するメリット・デメリット
即戦力人材が期待できる中途採用は、人員不足がはびこる現代において注目されています。
ここからはより実践的な内容として、中途採用のメリット・デメリットを解説していきます。
- 即戦力人材を確保できる
- 自分になかった知識やノウハウを導入できる
- 入社時期を調整できる
- 企業のイメージアップにつながることも
- 前職のやり方に固執してしまうことも
- 逃げ癖がついている可能性
- 若手が育たないことも
- 良い人材を確保するのは難しい
中途採用で人材募集するメリット
まずはメリット4つについて、詳しく紹介していきます。
中途採用のメリット1.即戦力人材を確保できる
中途採用を実施する企業が最も期待することは、即戦力人材の確保かと思います。
自社に必要な能力や経験、資格を持つ実務経験豊富な人材を獲得できます。
そのため、即戦力人材を求めて中途採用を実施する際には、必要な経験、スキル、資格などを明示して採用活動を進めるのが一般的です。
また、新卒採用の場合であればビジネスマナーから専門的な知識や経験を積むまでに時間と費用がどうしてもかかってしまいます。
一方で中途採用は研修の必要がないため、すぐに活躍してほしい場合や、研修に時間と費用をかけてられない場合は中途採用を取り入れるといいでしょう。
中途採用のメリット2.自社にない知識やノウハウを導入できる
以前の職場で培ってきた知識やノウハウを自社に導入できることも中途採用のメリットです。
同業他社で活躍していた中途採用者からノウハウを取り込んだり、異業種の中途採用者から新しい発想や思いがけないアイデアが生まれたり、新しい人脈を獲得できたりと、さまざまな副産物が期待できるのが中途採用の魅力でしょう。
中途採用で入社してきた社員は、自社に新しい発想や別角度からの視点を与えてくれるほか、社内での新しい競争が生み出されることもあります。
自社の活性化が期待できるでしょう。
中途採用のメリット3.入社時期を決められる
年に一度、4月に定期的に入社してくる新卒採用と異なり、自社のタイミングで採用活動を行えることも中途採用のメリットです。
急な欠員補充や新しいプロジェクトなどで人員が必要になった場合に即座に対応できます。
中途採用のメリット4.企業のイメージアップにつながることも
中途採用は企業のイメージアップにつながることがあります。
「積極的に採用活動をしている(雇用を創出している)企業である」「事業を拡大し、成長している企業である」という印象を与えられるでしょう。
中途採用で人材募集するデメリット
中途採用にはメリットがある一方で、もちろんデメリットもあります。
ここからは中途採用のデメリットについて解決策も交えて紹介していきます。
中途採用のデメリットまで理解し、今後の中途採用活動、ひいては全体の採用活動に生かしてくださいね。
中途採用のデメリット1.前職のやり方に固執してしまうことも
中途採用のデメリット1つ目として、前職のやり方に固執してしまう可能性があるというのが挙げられます。
先程、中途採用のメリットとして「人材教育の必要がない」と紹介しましたが、もしも採用した中途採用者が、前職のやり方に固執してしまう癖がある場合には、やはり教育に時間を取られることになってしまいます。
また、既存社員と打ち解ける時間も比較的かかってしまうため、社内のコミュニケーションや引継ぎなどが円滑に進められない可能性もあります。
中途採用者を選ぶ場合は柔軟な思考を持つ人材を選び、自社では中途採用者を歓迎する雰囲気が必要になるでしょう。
中途採用のデメリット2.逃げ癖が付いている可能性
中途採用のデメリット2つ目として、採用した中途採用者にいわゆる”逃げ癖”がついている可能性があることが挙げられます。
人間というのは、1回経験したことはもう1度できてしまう生き物ですので、前職を辞めた時と同様に、また辞めてしまう可能性があります。
対策として、前職をどのような理由で辞めることとなったのかをヒアリングし、同じような状況にならないように注意する必要があるでしょう。
中途採用のデメリット3.若い世代が育たないことも
中途採用のデメリット3つ目として、若い世代が育たなくなる可能性があることが挙げられます。
永続的な企業の成長を目指すのであれば、現在の課題に対応するだけでなく、次世代の人材を育てることも大切です。
自社の採用は中途採用ばかりではなく、新卒採用とのバランスをとって採用活動を行う必要があるでしょう。
中途採用のデメリット4.良い人材を確保するのは難しい
中途採用のデメリット4つ目としては、良い人材を確保するのが難しくなっていることです。
先ほど、中途採用の現状を紹介した際に、人材不足に悩んでいる企業が非常に多いことを紹介しました。
そのことから優秀な中途採用者は、効果的な中途採用活動を行っている企業にすぐにとられてしまうと思った方が良いでしょう。
対策として、自社の採用活動に今まで以上に力を入れることや、採用のプロに採用活動を外注し、効果的な中途採用活動を行うことが挙げられます。
中途採用で人材募集する9つのステップ
ここからは、具体的な中途採用活動の流れを紹介していきます。
これら9つについて詳しく解説していきます。実際の中途採用活動の際の参考にしてくださいね。
中途採用のステップ1.採用目的・目標を決める
中途採用のステップとして、まず初めに採用目的を明確にしなければなりません。
中途採用を行う目的は企業によってさまざまかと思います。
「欠員補充」「事業拡大による人員の確保」「専門的なスキルや経験を持つ人材の獲得」などが目的として多く挙げられます。
そしてその目的をもとに、最終ゴールである採用目標を明確にします。
採用目標で決めることの例としては以下の通りです。
- 募集する人材
- 募集人数
- 期間
- 予算
現在、自社にどのような人材がどのくらいの人数、どのくらいの予算でどのくらいの期間までに必要なのかをまずは明確にすると良いでしょう。
中途採用のステップ2.採用ターゲット・採用基準を決める
中途採用の目的を決めたら、続いて採用ターゲットを固めていきましょう。
採用ターゲットを決めるとは、自社の採用目的を元に「どのような人材が必要か」という採用ターゲットを明確にすることです。
求めるスキルや経験、資格はもちろん、性格や意欲、価値観などの人物像まで明確にすることが大切です。
そして、採用ターゲットに基づいて採用基準を決め、面接官によって選考に個人差が出ないようにしましょう。
中途採用のステップ3.選考フローを決める
採用基準が決まったら、続いて選考フローを決めます。
書類選考や適性検査の有無、面接の形式・回数など、応募者を選考していく過程を決めていきます。
選考フローを固めていくコツとしては、先に決めた採用基準に基づいて決定していくといいでしょう。
「どの選考でどの採用基準を確認していくか」を意識しながらやると、必然的に選考フローが決まっていきます。
また、選考フローはできるだけ最小限にし、選考スピードを上げ、優秀な人材を他社に取られないようにすることも大切です。
中途採用のステップ4.採用手段を決める
続いて、募集手段を決めていきます。
先に決めた採用ターゲットに基づいて募集方法を決めていくと良いでしょう。
採用ターゲットとなる人材がより多く集まる求人媒体や採用手法を見極め、効率よく応募数を集められるような募集手段を選ぶことが大切です。
中途採用で利用される代表的な手法としては以下のものがあります。
- ハローワーク
- 求人メディア
- 自社のホームページ
- 人材紹介サービス
- 合同会社説明会
- ダイレクト・ソーシング
- リファラル採用(社員紹介)
そのほかにも、SNSの活用や、業界紙への掲載など、募集方法は多岐にわたります。
中途採用におすすめの人材募集方法については後ほど紹介していきますので、そちらも合わせて見てみてください。
中途採用のステップ5.求人票作成
ここまでは中途採用における計画のステップを紹介してきました。
ここからは実際に応募者を集める(母集団形成)段階に入ります。まず初めに行うことは求人票の作成です。
数多くの企業の中から自社に興味を持ってもらう必要があるため、求人票の作成は非常に重要なステップと言えます。そのため自社の魅力を積極的にアピールする必要があります。
業務内容や給与など必要最低限の情報はもちろん、職場の雰囲気や入社後のキャリア、社員の声などについても細かく伝える事が大切です。
求人票作成のために、まずは自社の魅力をブラッシュアップし整理することから始めてみてもいいかもしれません。
中途採用のステップ6.募集・採用手法の見直し
作成した求人票をもとに、実際に募集をかけてきます。
応募数やアクセス数などのデータを分析しながら、求人票の見直しや採用手法の見直しをしていき、募集の効果が最大となるように工夫していくといいでしょう。
もし自社での求人募集に結果が出ない場合は、採用のプロに相談したり、採用自体を外注したり、客観的な視点からの工夫も視野に入れるといいですよ。
中途採用のステップ7.選考(面接など)
ここまでは中途採用における募集のステップでした。ここからは実際の選考に入っていきます。
事前に決めた選考フローに基づいて、応募者が採用要件にを満たしているか選考していきます。
採用不採用の責任を1人の採用担当者に背負わせないためにも、面接は2人以上で行うといいでしょう。
また、面接では採用要件のチェック以外にも、応募者の疑問や不安を解消するために質問の場を設けるなどして、企業に良いイメージを持ってもらうことも重要です。
中途採用のステップ8.内定通知
採用が決定したらできるだけ早く内定通知を出し、入社の意思確認をしましょう。
転職希望者は複数の企業の選考を同時に受けていることが多く、優秀な人材を逃さないためには迅速な対応と細やかなフォローが鍵です。
中途採用のステップ9.入社後のフォロー
中途採用活動は入社したら終了ではありません。入社後のフォローを行い、中途採用者がいち早く自社になじめるようにしなければなりません。
入社に必要な書類作成や、採用者の処遇や賃金の決定、状況に応じて研修の実施などを行いましょう。
また、中途採用者が入社する際には「中途採用者を受け入れる雰囲気」を社内で作っておくことも重要です。
なぜいま中途採用者を採用するのか、どのような役割を期待しているのかなどを事前に社内で共有し、社員の疑問を払拭しておきましょう。
中途採用でおすすめの求人媒体6つ
求人媒体は数多くありますが、中途採用でおすすめできる求人媒体は以下の通りです。
- 求人情報サイト
- 自社採用サイト
- 求人検索エンジン
- 有料職業紹介
- 転職フェア
- リファラル採用
中途採用におすすめの求人媒体1.求人情報サイト
求人情報サイトとは、Web上でさまざまな求人情報が掲載されているサイトのことです。
求人情報サイトの中でも、地域や業種、職種などに限らずさまざまな求人情報を扱っている求人サイトを「総合求人サイト」、転職やバイト、派遣、女性専門求人サイトなど、その分野専門の求人情報を取り扱う求人サイトを「専門求人サイト」と言います。
求人情報サイトの特徴をまとめると以下の通りです。
- 全国の転職希望者に求人を広告できる
- 求職者は多くの求人広告を1度に比較できる
- 検索機能により採用条件にマッチした応募が集まりやすい
- 求人サイトごとの特徴を把握して利用する必要がある
- 掲載費用がかかる(約20万円~/月)
- 求人が多く、他社に埋もれてしまう可能性がある
求人情報サイトは近年で最も一般的な求人広告媒体と言っていいでしょう。
求職者目線でも他の媒体に比べて求人数が多く、全国にあるさまざまな業界、業種の求人情報を1度に見ることができます。
また、求職者はサイト内の検索機能を利用して求人を比較するため、採用要件を満たした求職者が集まりやすいこともメリットです。近年求人サイトは増えてきており、それぞれの求人サイトによって特徴が異なるため、自社の採用ターゲットによってさまざまな求人サイトを使い分けるといいでしょう。
デメリットとしては、掲載費用がかかることです。相場としては「月20万円〜」となっていますが、数ある求人の中で求職者への露出を増やすためには、さらに費用をかける必要もあるでしょう。
エリアによっても金額が変わるため費用相場は幅広いです。また、1人も採用できなくても掲載費用がかかってしまうため、費用対効果が計算しにくいこともデメリットです。
中途採用におすすめの大手求人サイト3社の料金と特徴を比較すると以下の通りです。
求人サイト | 料金 | 特徴 |
---|---|---|
マイナビ転職 | 20万円~120万円/4週間 (プランによって異なる) | ・35歳以下の割合が60%以上と若手採用に適している ・全国各地の幅広い業種を取り扱っている ・顧客満足度が転職サイトNo.1の実績 |
en転職 | 28万円~120万円/4週間 (プランによって異なる) | ・企業からのニーズが高い20代〜30代から支持されている ・掲載プランに関係なく新着順に上位表示 ・スカウトメールが個別に送れる |
doda | 25万円~180万円/4週間 (プランによって異なる) | スペックの高い経験者のユーザーが多い 転職エージェントサービスもある 関東圏の募集につよい |
それぞれの求人サイトの特徴や料金を把握し、最適な媒体に求人掲載しましょう。
中途採用におすすめの求人媒体2.自社採用サイト
自社サイトとは、自社のホームページに求人情報を掲載して中途採用者を募集することです。
自社採用サイトは、中途採用者の幅広いニーズに応えることができるため、中途採用を行う上では自社採用サイトの作成をしないに越したことはありません。自社サイトによる中途採用の求人の特徴は以下の通りです。
- 求職者に信用をアピールできる
- コストを抑えられる
- 掲載情報・掲載期間に制限がない
- 求人検索エンジンとの連携で多くの人に閲覧してもらえる
- 作成には知識やノウハウが必要
求職者にとって、企業の自社採用サイトの有無はそのまま信用の有無につながると言っても過言ではありません。
求職者が気になった企業を検索したとき、採用サイトがないだけで不安を抱かせてしまい、応募の取りやめにつながることもあります。一方で採用サイトがあると、企業の魅力や雰囲気が存分に伝わり、信用につなげることができます。
特に中途採用者は、キャリアアップや理想とする働き方を求めて職を探しているため、それらの細かい情報や雰囲気を伝えるためにも、自社サイトを作ることは不可欠と言えるでしょう。
他にも自社サイトのメリットとして、求人サイトは掲載費用がかかるのに対し、自社サイトでは比較的コストを抑えられることが挙げられます。
また、求人情報サイトとは異なり掲載情報に制限がないため求人情報を豊富に掲載でき、自社の魅力や会社の雰囲気など細かい事までサイトから伝えることができるので、応募後のミスマッチが比較的起こりにくいことが特徴です。次で紹介する求人検索エンジンと連携することで、多くの求職者にリーチすることも可能になります。
その一方で、ホームページの作成にはウェブの知識やノウハウ、手間が必要になります。これらの知識がない場合は、自社採用サイトのプロに外注するといいでしょう。
中途採用におすすめの求人媒体3.求人検索エンジン
求人検索エンジンとは、採用ページや求人サイトから求人情報を集めて掲載しているサイトで、一言で言うと「求人版のGoogle」のようなサービスです。
代表的なものとして「Indeed」や「Googleしごと検索」などがあります。中途採用の求人のみならず、さまざまな求人が掲載されていることから、こちらも広く一般的な求人媒体と言えます。求人検索エンジンの特徴は以下の通りです。
- 求職者は多くの求人広告を1度に比較できる
- 採用要件にマッチした応募が集まりやすい
- 採用サイトのアクセスアップを見込める
- 無料で掲載が可能なクリック課金型
- 他社の求人に埋もれる可能性がある
求人情報サイトと同様に、求職者は条件を絞って検索して一度に比較できるので、求職者にとって使いやすく、企業にとっては要件にマッチした募集が集まりやすいことが特徴です。
また、先ほど紹介した自社採用サイトと求人検索エンジンを連携することで、求人検索エンジンで自社採用サイトが表示されるようになり、採用サイトのアクセスアップが期待できます。
また、無料で求人広告を掲載でき、求人をクリックした数に応じて費用が発生するクリック型課金なので、成果に合ったコストをかけることができます。
ただ、掲載求人数が多く、他社の求人に埋もれてしまう可能性があるため、露出を増やすとなるとやはり課金が必要になります。
中途採用におすすめの求人媒体4.有料職業紹介
有料職業紹介とは、エージェントに人材を紹介してもらう採用方法です。
企業の求人依頼から要望に合った人材を紹介するサービスで、「人材紹介」「転職エージェント」などとも言います。
即戦力人材が多く、転職市場に出ていない優秀な人材をヘッドハンティングしてくれる「スカウト型」の職業紹介もあることから、中途採用においておすすめできる求人媒体です。
有料職業紹介の特徴は以下の通りです。
- 成果報酬型でリスクが低い(採用につき、採用者の年収の30%の手数料)
- 採用までの日数・工数を抑えられる
- 非公開での求人も可能
- 専門性の高い人材の確保に適する
人材紹介は成果報酬型の料金体系であるため、初期費用をかけずに始めることができます。手数料は、採用した人材が受け取る予定の年収の約30%程度が相場です。
求人票を作成次第、応募者の推薦が可能で、面接の日程調整や合否連絡などの業務も代行してくれるので、急な欠員が出た場合の中途採用にも迅速かつ手軽に補填できます。
また、エージェントから、欲しい能力や経験を持った人材を紹介してくれるため、専門性の高い人材を確保できることも中途採用の求人で利用するメリットです。
中途採用におすすめの求人媒体5.転職フェア(企業説明会)
大手求人情報サイトの運営企業などが開催する転職フェアなどでブースをセッティングし、自社の魅力を伝えます。
中途採用の求人においては、これまで紹介した求人方法とは異なり対面でのコミュニケーションが可能なため、他とは違ったアプローチができます。
企業説明会の具体的な特徴は以下の通りです。
- 求職者の意欲が高い
- 対面で自社の魅力を伝えられる
- 顔が見えるので求職者は安心できる
- 準備が必要
- プレゼン能力が鍵になる
転職フェアには、会場にわざわざ足を運ぶほど本気で転職を考えている求職者が多いことがメリットです。
また、自社の魅力を対面で伝えることができるため応募率が高く、応募者とのミスマッチも少ない求人方法です。
求職者側も、対面でコミュニケーションを取ることができるため、転職者が気になる「やりがい」や「人間関係」などの細かい情報を質問できるため安心につながります。
一方で、企業説明の資料やプレゼンの練習、ブース設置などの準備には時間がかかってしまうのがデメリットです。
また、プレゼンの出来によって応募数が左右されるため練習が必要になります。対面で話せることが企業説明会のメリットなので、社員1人1人の体験談などを用意しておくといいでしょう。
中途採用におすすめの求人媒体6.リファラル採用
リファラル採用とは、自社の社員や知人などから直接人材を紹介してもらう採用方法です。
中途採用競争が激化する中で、転職市場に出ていない転職潜在層をターゲットにできるため、効果的な中途採用方法として近年注目されています。
リファラル採用の特徴は以下の通りです。
- 転職潜在層をターゲットにできる
- よく知る人物の紹介なので信用できる
- 採用コストが抑えられる
- 人間関係に配慮が必要になることも
- 社員の理解が必要
メリットとしては、自社をよく知る人物から人材を紹介してもらえるため、お互いのことを理解しており、ミスマッチが少なく済むことです。
また、求職者の細かい能力を事前に把握することができるため、専門的な能力が必要な場合や、管理職などの能力の高い人材を獲得する場合など、中途採用に適した採用方法です。
掲載料や、成果報酬などを外部に支払うこともないため、採用コストを抑えることもできます。
一方で、不採用にした場合の当人との気まずさであったり、入社後に知人同士がグループになってほかの社員との連携が悪化してしまったり、人間関係への配慮が必要になることもあります。
また、現在自社が求めているスキルや能力を社員に逐一把握してもらう必要があるため、社員の理解と協力が鍵になる採用方法です。
中途採用の人材募集方法(求人媒体)を選ぶポイント
さて、中途採用の求人におすすめできる6つの求人媒体について紹介しましたが、これらの求人広告をどのように選べば良いのか、気になるところですよね。
ここからは求人媒体選びのポイントを解説していきます。状況別におすすめの求人媒体も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
求人媒体選びのポイントは主に以下の4点です。
- どのような人材を求めているか(採用ターゲット)
- 職種・雇用形態はどうか
- 費用はどのくらいかけられるか
- 時間はどれくらいかけられるか
求人媒体選びのポイント1.どのような人材を求めているか
先ほど固めてた採用ターゲットをもとにして求人媒体を選ぶのが最も重要です。
例えば、比較的若年層にリーチしたいのであれば求人情報サイトなどのweb媒体を、高齢層のリーチしたいのであれば、コネクションからアプローチできるリファラル採用などを中心に求人活動を行うなど、採用ターゲットに合わせた戦略を取れますよね。
他にも、「即戦力人材が欲しいのであれば転職専門の求人サイトや有料職業紹介など、即戦力に強い媒体を利用する。」「将来性や人柄で採用したい場合は、対面でコミュニケーションが取れる転職フェアやリファラル採用を利用する。」など、まずは求める人材によって、求人媒体を検討してみましょう。
求人媒体選びのポイント2.職種・雇用形態はどうか
雇用形態も、求人媒体を絞るポイントです。特に求人情報サイトは「エンジニア専門求人サイト」や「医療・福祉求人サイト」など、それぞれに専門の求人サイトが存在します。
また、総合求人サイトでも「派遣に強い」「女性採用に強い」「営業職に強い」など、それぞれの総合求人サイトに強みや特色があります。
数多くの求人情報サイトから数個に絞るためにも、それぞれの求人情報サイトの特色を理解する必要があるでしょう。
求人媒体選びのポイント3.費用はどのくらいかけられるか
中途採用の求人にかけられる費用も考える必要があります。
あまり費用をかけられない場合は、自社採用サイトやリファラル採用などのコストが抑えられる求人媒体を選びましょう。
また、費用対効果がわかりやすく予算が立てやすい成果報酬型の求人媒体もおすすめです。その場合は人材紹介や、求人検索エンジンなどの媒体を利用するといいでしょう。
また、費用を抑えながら採用活動を効率よく成功させるポイントとしては、採用のプロに求人を外注してしまう方法もあります。
独自のノウハウを所持しているため、効率のいい運用で最大限の効果を発揮してくれるでしょう。コストパフォーマンスを高めたい場合には外注化もおすすめですよ。
求人媒体選びのポイント4.時間はどれくらいかけられるか
採用までにどれくらいの時間をかけられるかも、求人媒体を選ぶのに重要な要素です。
例えば、急ぎで欠員補充をしたいのに0から作成していては時間がかかってしまいますよね。
そのような、急ぎで欠員を補充する場合には、すぐに結果が出やすい人材紹介や求人サイトなどを利用すると良いでしょう。
反対に、時間をかけて慎重に見極めたい場合には、応募者の質を高めるため自社採用サイトを作成して自社のことをより詳しく知ってもらったり、転職フェアなどの対面コミュニケーションで応募者の不安を払拭しつつ、理解を深めてもらうなどの選択肢があります。
中途採用で人材募集を成功させるポイント
続いては、中途採用を成功させるためのポイントを紹介していきたいと思います。中途採用の流れに沿って、以下の3つのポイントで紹介していきます。
- 採用計画におけるポイント
- 募集活動におけるポイント
- 選考活動におけるポイント
採用計画のポイントは「目的を明確にすること」
採用計画で重要なことは、最終目的を明確に決め、その目的を達成するにはどんな要素が必要かを設定することです。
例えば、中途採用の目的が欠員補充であれば、必要な要素は「欠員が出た職種に詳しいこと」「いち早く欠員を埋めるための採用スピード」などが優先的になりますし、中途採用の目的が新事業における人員増強であれば「新しいノウハウがあること」「新事業開始まで慎重に選考を行うこと」などが優先されるでしょう。
中途採用を成功させるには、採用計画において『最終ゴールの設定』と『そのために必要な要素』を固めることが鍵です。
募集活動のポイントは「効果測定と改善」
募集活動における重要なポイントは、データの計測です。
求人広告のアクセス数やクリック率、求人募集の費用対効果など、数値を計測し、ボトルネックとなる部分を改善し、また数値を計測し、改善し、と繰り返していくことで求人募集の効果を最大化できます。
採用募集において重要となる数値は、「どれだけの人に求人が届いたか」と「その中で興味を持ってくれた人の割合」が特に重要になります。
多くの人にリーチしているのに興味を持ってくれないのであれば、求人原稿を見直す必要があり、そもそも求人が届いていない場合には募集方法を改善する必要があります。
魅力的な求人を作成し、最適な求人媒体を選ぶことで、中途採用を成功に導くことができるでしょう。
工夫しても数値が改善しない場合には、求人募集を外注してプロに任せることも検討しましょう。
選考活動のポイントは「スピードと正確性」
中途採用を成功させるための選考活動におけるポイントは「選考スピード」と「正確性」です。
選考スピードは他社に優秀な人材を取られないため、そして採用に余計な時間をかけすぎないために重要なポイントです。
選考フローを必要最小限に絞り、早く正確に応募者を見分けましょう。
正確性は応募者とのミスマッチを減らすことが重要です。
慎重な選考をするのはもちろん、応募者に「この企業に入りたい」と思ってもらえるようにしましょう。
選考前、あるいは選考中に自社の魅力や時にはウィークポイントまで伝え、応募者から選ばれる企業にすることで中途採用の競争力を上げることができます。
中途採用がうまくいかない場合の対応策
ここまで、中途採用を成功に導くポイントを紹介してきました。これらのポイントを押さえるだけで、中途採用の成功は近づくでしょう。
しかし、それでも中途採用がなかなかうまくいかないケースは少なくありません。最後に中途採用がうまくいかない場合の対応策を紹介していきます。
- 幅広い年代の募集
- 即戦力を求めすぎない
- 派遣社員や業務委託などの活用
- 人員補強以外の解決策を探す
- 中途採用の外注化
これから中途採用活動を始める方も、うまくいかなかったときの対応策を知っておくことで、柔軟に対応することができますので、ぜひ最後まで目を通してください。
中途採用がうまくいかない場合の対策1.幅広い年代に向けた募集
中途採用がうまくいかない場合、募集要件を幅広くして応募人数を増やすことが対策として考えられます。
現在の中途採用市場では20代から30代の人材が多く活動していますが、40代や50代、60代以上にも優秀な人材は存在します。
まずは間口を広げて募集し、実際に面接などをしながら先行して判断すると良いのではないでしょうか。
中途採用がうまくいかない場合の対策2.即戦力を求めすぎない
募集要件を幅広くするために即戦力を求めすぎないことも対策として挙げられます。
即戦力を過度に期待しすぎると、他社に人材を取られてしまう可能性が高いです。
中途採用競争に負けないためにも、不足しているスキルは教育や業務経験の中で積んでもらう覚悟で、まずは応募人数を増やしていくといいのではないでしょうか。
中途採用がうまくいかない場合の対策3.派遣社員や業務委託などの活用
中途採用にこだわりすぎず、派遣社員や業務委託などを活用することも対策の1つです。
採用目的や採用目標を見直し、中途採用にこだわらなくても目的を達成できそうな場合は、派遣社員や業務委託などによる人材の活用を検討してみましょう。
中途採用がうまくいかない場合の対策4.人員補強以外の解決策を探す
中途採用がうまくいかない場合、人員補強以外の解決策を探すことも対策の1つです。
具体的には、業務のIT化やシステム化、他社への外注化などがあげられます。これらの対策で当初の目的が果たせるのであれば、中途採用にこだわる必要はありませんよね。
中途採用がうまくいかない場合の対策5.中途採用活動の外注化
中途採用がうまくいかない場合の対策として、中途採用活動の外注化が有効です。
中途採用活動がうまくいかない場合、採用活動においてなんらかのボトルネックが生じている可能性があります。
しかし、自社の採用活動を客観的に評価し、改善するのは簡単なことではありません。
そこで、採用活動のプロに任せて、効率よく採用活動を進めてもらうのはいかがでしょうか。中途採用活動を外注することで、採用における時間や人員を削減でき、中途採用者の選考に効率よく進むことができます。