「採用選考の途中で応募者と連絡がつかなくなって困っている」「採用活動中に連絡が途切れるのにうんざりしている」という採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
実際にほとんどの企業で「採用活動中に応募者との連絡がつかなくなる」という事態を経験しており、採用担当者を悩ませています。
そこで今回は、採用選考の途中で連絡がつかなくなる件について、対処法や対策方法などを紹介していきます。
少しでも連絡途切れを減らし、採用を円滑に進めるためにも、ぜひ最後まで読んでくださいね。
こちらでは他にも採用活動における悩みと解決法を紹介しています。
採用途中で応募者と連絡つかない場合、どうすればいい?
採用活動の途中で連絡がつかないと不安になりますし、どう対応すればよいのでしょうか?
ここでは、応募者との連絡がつかない場合の対応ステップをご紹介します。
- 対応方法①:さまざまな方法で連絡を
- 対応方法②:それでも連絡がつかない場合は不採用の連絡を
対応方法①:さまざまな方法で連絡を
連絡が取れない場合、まずはさまざまな方法で連絡を試みましょう。
応募者と連絡が取れない理由は人によってさまざまです。もしかしたら「何かしらの理由で電話が取れない」「他の連絡に埋もれてしまっている」「折り返しの連絡を忘れている」という場合もあります。
そのため、まずは丁寧に根気強く連絡を試みるのがベターです。
応募者への連絡方法は以下のようにさまざまあります。
応募者への連絡手段例
・電話(留守番電話)
・メール
・SMS(ショートメッセージ)
・手紙
・LINE
とくに近年の若者はLINEなどのSNSに使い慣れていることから、「知らない番号からの電話には出ない・折り返さない」「留守電の確認方法がわからない」「メールを滅多に確認しない」など、電話離れ・メール離れの傾向があります。
応募者とLINEでやり取りするなど、連絡方法を工夫してみるといいでしょう。
対応方法②:それでも連絡がつかない場合は不採用の連絡を
連絡が取れなくなったからといって、そのまま放置してしまうよりも、できる限り誠意を示した行動を取っておくほうが賢明です。
さまざまな連絡方法を試しても連絡がつかない場合は、不採用の旨を連絡しましょう。
たとえ面接のドタキャンや内定後に連絡が取れなくなった場合にも、明確に不採用の通知を行うことをおすすめします。ただし、理由によっては別日を設けるなど柔軟な対応が考えられる場合には状況の確認も含め行うとよいでしょう。
後々トラブルにならないためにも、連絡は「メール」か「書面」、「電話(留守番電話)」で通知します。
連絡がつかなくなった応募者へ送るメール例文
連絡が取れなくなった応募者への不採用通知には、「期日を設けること」と「辞退とみなすこと」といった内容を盛り込むとよいでしょう。
しっかりと明示しておくことでトラブルを防げます。
ここでは採用の段階別に連絡が取れなくなった応募者へのメール文例をご紹介します。
採用選考中に連絡が取れなくなった応募者へ送るメール例文
○○様
株式会社◯◯◯◯ 採用担当の◯◯と申します。
この度は、弊社求人募集に応募頂き誠に有難うございます。
「○○○」についてのご連絡をお送りいたしましたが、ご回答をいただいておりません。○月○日までにご回答いただきますようご連絡申し上げます。
尚、期日までにご回答がない場合は、選考参加への意志がないものと判断させていただきます。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
面接ドタキャン者へ送るメール例文
○○様
株式会社◯◯◯◯ 採用担当の◯◯と申します。
この度は、弊社求人募集に応募頂き誠に有難うございます。
〇月〇日(〇) 〇時~の日程で面接のお約束を頂いておりましたが、参加がなかったため連絡させていただきました。
再度面接をご希望の場合は、別日程を調整いたしますので、
〇月〇日の週(平日)でご希望の日程をご提示ください。
【〇月〇日(〇)〇時まで】に ご返信をいただけますと幸いです。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
何卒よろしくお願いいたします。
内定者と連絡取れない場合のメール例文
内定辞退を決めたら、速やかに企業に連絡をすることが常識だと思いますが、他社に決めたのに連絡してこない等、採用内定者と音信不通になることもままあります。
連絡が取れない内定者の内定取り消しはできるのか?
内定者であっても手を尽くしても連絡が取れない時は、やむを得ず内定を取り消すことができます。
ただし、何らかの理由により連絡したくても連絡できない内定者がいることも考えられます。
まずは、可能な範囲で連絡を取る努力が求められます。
内定取消しは解雇にあたります。取り消しにおいては事前にできる限り連絡を取る努力をした上で、正当な理由を添えて通知を行うことで後のトラブルを回避できます。
音信不通の可能性を減らすために企業ができることとしては、採用内定を出す前に現住所やご家族を含め複数の連絡先を聞いておき、内定を辞退する場合には速やかに連絡してほしい旨を十分説明しておくとよいでしょう。
また、内定通知書等に内定取り消しに関する規定を明記しておくと安心です。
○○様
株式会社◯◯◯◯ 採用担当の◯◯と申します。
この度は、弊社求人募集に応募頂き誠に有難うございます。
この度は弊社の採用試験をお受けいただき、誠にありがとうございました。
一緒に働けること、大変嬉しく思います。
つきましては入社準備を進めたく、メールや文書などでご案内しておりましたが、お返事を確認できかねております。
その後のご状況はいかがでしょうか。
もし弊社のメールを確認できていなかった場合や、選考について問い合わせがある場合には、
下記までご連絡いただけますと幸いです。
なお、〇年○月○日までに連絡がない場合は、当該日の2週間後の日付をもってやむを得ず内定を辞退したものとして取り扱います。
何卒よろしくお願いいたします。
■問い合わせ先
株式会社 〇〇
採用担当 〇〇
メール
電話
不採用を伝えるメール例文
○○様
いつもお世話になっております。
株式会社◯◯◯◯ 採用担当の◯◯と申します。
この度は、弊社求人募集に応募頂き誠に有難うございます。
○○様の応募書類をもとに社内で慎重に検討しました結果、誠に残念ではありますが、今回はご希望に添いかねることとなりました。
せっかくご応募いただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。
尚、お預かりしております応募書類は弊社が責任を持って破棄を致しますことを
ご承知置き下さいますようお願い申し上げます。
メールにて大変失礼とは存じますが、何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
未筆ながら、○○様の今後のご活躍とご発展を心よりお祈り申し上げます。
見落としを防ぐメール件名
なお、件名もメールを一目見て分かりやすいものにしておきましょう。
社名に加えて、【選考結果のご連絡】【採用内容のご連絡】などメールボックス内で埋もれないような件名がおすすめです。
応募書類の正しい取り扱いについて
連絡が取れなくなった応募者を不採用とした場合、応募時の提出書類の取り扱いには注意が必要です。以下は一般的なガイドラインをご紹介します。
これらのステップを踏んでデータの取り扱いを行うことで、企業は法的なコンプライアンスを確保し、同時に個人のプライバシーを尊重することができます。
プライバシーとデータ保護の尊重
応募者の個人情報はプライバシーとデータ保護に関する法律や法規制に基づいて取り扱われなければなりません。これには、応募者の履歴書、職務経歴書、面接で得た情報などが含まれます。
セキュリティの確保
不採用となった応募者のデータは機密情報となる可能性があります。したがって、データへのアクセスを制限し、適切なセキュリティ対策を講じることが必要です。
データ保持期間の定義
不採用となった応募者のデータを保持する期間を定義することが重要です。
応募時に提出された書類類は、返却するか、返却しない場合には保管期間を設け一定期間補完することが一般的です。保管期間は、求人募集終了後や応募者が不採用となった時点から数か月から1年程度が多いようです。
法律で保管期間が決まっているわけではないので、企業内でルールを設けておくとよいでしょう。
もちろん即時に廃棄しても問題はありません。
通知と同意の取得
応募者に対してデータの保持期間や取り扱いについて事前に通知し、同意を得ておくとより安心です。このひと手間をかけることで、透明性が確保され、応募者との信頼関係が維持されます。
データの削除・破棄
データ保持期間が終了したら、応募者の個人データを適切に削除または破棄する必要があります。これには電子データだけでなく、印刷物や手書きのメモなども含まれます。
この時、ごみ箱にそのまま捨てたりはせず、シュレッダーにかけるなど適切な処理を心がけましょう。
採用途中で応募者と連絡つかない原因は?
ここまで、応募者と連絡がつかない時の対処法を紹介してきました。応募者と連絡がつかない場合は「あらゆる連絡手段で連絡を試し、それでも連絡がつかないなら辞退の旨を連絡する」ことはお分かりいただけたかと思います。では、応募者はなぜ連絡しなくなるのでしょうか。
ここでは採用選考時に応募者が連絡をしない理由を紹介していきます。理由をまとめると以下の通りです。
<応募者が連絡しなくなる理由>
・企業の返信スピードが遅い・連絡がつかないから
・面接官や採用担当者の印象が悪かったから
・企業の魅力が伝わらなかったから
・選考期間が長く、負担になったから
・他の企業に採用をもらったから
・状況や気持ちが変わった・なんとなくやめたくなった
1つずつ詳しく解説していきます。
採用途中で応募者が連絡をしない理由1.返信スピードが遅い・連絡がつかない
応募者が連絡をしない理由として「企業の返信スピードが遅い・連絡がつかないから」があげられます。
応募者は連絡が遅い企業に対して「この企業は対応が良くない」「不信感を抱く」「応募者を大切にしていない」など、不満を感じてしまいます。すると、「この企業で働きたくない」「採用選考に参加するのが面倒くさい」と感じてしまうのです。また、転職などでは「できるだけ早く仕事を決めたい」と考えている人もいます。
連絡が遅いと、他の企業に決められてしまう場合もあるため、応募者からの連絡が来なくなるのです。
採用途中で応募者が連絡をしない理由2.面接官・採用担当者の対応が良くない
応募者が連絡をしない理由として「面接官や採用担当者の対応に不信感を抱いた」という理由も少なくありません。面接官や採用担当者の対応が悪いと、不信感を抱くだけでなく、「この企業は労働環境が悪いのではないか?」「この企業は対応が悪い不誠実な人しかいないのでは?」と思わせてしまいます。
応募者は「企業の雰囲気」や「一緒に働く人の人柄」なども企業を選ぶ際のポイントとなるため、採用担当者は企業の顔として丁寧に対応することが大切です。
採用途中で応募者が連絡をしない理由3.企業の魅力が伝わっていない
応募者が連絡をしない理由として「企業の魅力が伝わっていない」ということがあげられます。採用選考が進む中で「この企業に就職するメリットがない」「魅力がない」と応募者が感じ、志望度が低くなると、連絡もおろそかになります。
求職者は複数の企業を並行して就職活動をしているので、他社よりも魅力を感じてもらう必要があります。
採用途中で応募者が連絡をしない理由4.選考期間が長く、負担に
応募者が連絡をしなくなる理由として「選考期間が長く、負担になってしまったから」という理由も挙げられます。応募者にとって就職活動はそもそも負担がかかるものです。面接の回数が多かったり、何度も赴かなければならなかったりすると、負担もかかりますし、日程を合わせるのも大変です。
選考期間が長いと、せっかく興味を持って応募してくれても、途中で見切りをつけられてしまいます。
採用途中で応募者が連絡をしない理由5.他の企業から採用をもらったから
応募者が連絡をしなくなる理由として「他の企業に決まったから」という理由も多いでしょう。ほとんどの求職者は複数の企業を並行して就職活動をしています。希望する企業に決まれば、音沙汰がなくなることも多いです。
一般的には応募者側から辞退の連絡を入れてほしいところですが、「もう関係なくなった」「連絡するのが気まずい」などの理由で連絡をしない人もいます。
「採用途中で応募者と連絡つかない!」を減らすには?企業がとれる対応策5選
ここまで、応募者が連絡をしなくなる理由について紹介してきました。応募者は企業に対して不信感を抱いたり、就職活動の負担が増えたりすると連絡をしなくなる傾向があります。
では、どうすれば「応募者と連絡がつかない」という現象を減らせるのでしょうか?
ここでは「応募者と連絡がつかない」を減らすための方法を紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
<「採用途中で応募者と連絡つかない!」を減らす方法>
・不信感を抱かせない
・選考や内定のスケジュールを伝える
・自社の魅力を発信
・選考期間は短く
・コミュニケーションツールを工夫する
「採用途中で応募者と連絡つかない!」を減らす方法1.不信感を抱かせない
応募者に「連絡したくない」と思わせないためにも、まずは不信感を抱かせないことが大切です。そのためにも以下の2つのことに注意しましょう。
<応募者に不信感を抱かせないために意識すること>
・こまめに連絡をする
・返信はスピーディに
・面接官・採用担当者の丁寧な対応
応募者に不信感を抱かせないためにもこまめに連絡をすることが大切です。
また、連絡だけでなく応募者への正しい振る舞いも大切です。例えば「定型文の使いまわしなど」の不誠実な対応に応募者は敏感です。そのため、定型文をそのまま送るのではなく、応募者に合わせて内容を数行変えるなど、応募者が「自分に対してしっかりと対応してくれている」と感じられるように意識しましょう。
「採用途中で応募者と連絡つかない!」を減らす方法2.選考や内定のスケジュールを伝えておく
他にも、面接前日なら「明日お会いできるのを楽しみにしております。」といったリマインド他、面接後は「〇日以内に結果をメールにて連絡いたします」など、丁寧な連絡を入れることで、熱意が伝わります。
例えば「まだ面接候補日が決まっていないから連絡しなくていいかな」と企業が思っていても、応募者は「連絡がこない」「あの求人の件、大丈夫かな?」と不安を感じてしまいます。そのため、「数日以内に面接候補日を送ります」「日程を調整していますので少々お待ちください」など、簡単でいいのでこまめに連絡をすることが大切です。
「採用途中で応募者と連絡つかない!」を減らす方法2.自社の魅力を発信
「応募者の反応が悪い」「応募者と連絡が取れなくなるケースが多い」という場合は自社の魅力が発信しきれていない可能性が高いです。応募者が「この企業に入ってもメリットがないな」と感じてしまうのは、音信不通になる要因の1つですので、応募者に対して自社の魅力が伝わるように発信していきましょう。
有効な手段としては「自社の採用サイト」です。自社の採用サイトを持つことで、仕事内容や募集要項以外にも、「職場の雰囲気」「社員インタビュー」「企業理念」など、多くの情報を載せることができます。
応募者は常に「この企業で本当に働けるかな」「どんな人と働くのかな」と不安を感じています。その不安を取り除き、「この企業で働きたい」と感じてもらうためにも、採用サイトの開設は有効です。
他にも企業の魅力を発信する方法としては「SNS」があります。SNSは近年注目されており、企業アカウントも増えています。
SNSを活用したリクルーティングは、多くの人の目に留まるには時間がかかりますが、応募者や応募前の求職者と直接コミュニケーションが取れるため、応募者の不安を払しょくでき、連絡が途切れにくくなるでしょう。
「採用途中で応募者と連絡つかない!」を減らす方法3.選考期間を短くする
選考基準を短くすることも、応募者との連絡を途切れさせない方法の1つです。あなたの企業の選考を見直し、「選考が長すぎないか」を見直してみましょう。
選考が長いと、応募者にとっても負担になりますし、他の企業の内定が先に決まってしまう可能性も高くなってしまいます。
選考を慎重に検討することも大切ですが、「無駄な選考フローは削る」「日程が調整しやすいようにwebでの面接にも対応する」など、選考期間が短くできないか検討してみるといいでしょう。
「採用途中で応募者と連絡つかない!」を減らす方法4.コミュニケーションを工夫する
連絡が途切れないためには、コミュニケーション手段を工夫することも1つの方法です。
先ほども少し触れましたが、最近の若者は「電話」をする習慣がなく、スマホに電話がかかってきても「知らない番号からの電話は出ない」「折り返さない」「留守電も聞かない・聞き方がわからない」という人も少なくありません。
また、メールに関しても「メールは数週間に1度しか確認しない」「そもそもメールを使わない」という人もいるなど、電話やメールに慣れていない若者もいます。
そのため、若者のメインコミュニケーションツールであるLINEを導入するなど、ツールの工夫をするだけでも、連絡が途切れにくくなるでしょう。
採用途中で応募者と連絡がつかない場合はさまざまな方法で連絡を
ここまで、「採用選考中の連絡がつかない」件について、対処法や「連絡がつかない」を減らす方法を紹介してきました。この記事の内容を改めておさらいすると以下の通りです。
・連絡がつかない場合の対処法は「さまざまな手段で連絡を試みる」「それでも連絡がつかなければ辞退の旨を通知する」
・応募者が連絡をしない理由は「企業に対する不信感」や「魅力が伝わっていないこと」
・「連絡がつかない」を減らすには「誠実な対応」や「魅力の発信」が大切
・「さまざまな連絡手段を用意する」のも、連絡を途切れさせない1つの方