派遣会社の人集め方法「Web集客」と「採用サイト運用」がこれからの鍵

人材派遣会社での人集めの方法は、何がベストなのか悩んでいませんか?

「最近はポスティング広告の反応が悪い」
「求人掲載サイトを利用しているが、広告費が負担だ」

という課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。

これからの派遣会社の人集めは、Webマーケティングを使用したインターネット集客と採用サイトの運用が鍵となります。本記事では、Web集客の手法、採用サイトが必要な理由についてわかりやすく説明します。

この記事の注目ポイント
  • 派遣会社の人集めの方法はWeb集客が有効
  • Web集客の代表的な手法は5つ
  • 派遣会社が人集めに採用サイトを持つべき3つの理由
目次

派遣会社の人集めの方法はWeb集客が有効

派遣会社で登録人材を集客する方法は、インターネットを使ったWeb集客が有効です。
Web集客には、従来型の集客にない様々なメリットがあります。
まずは、従来型の集客とWeb集客、それぞれについてメリット・デメリットを見てみましょう。

従来型の派遣会社人集めの方法

これまで人材派遣会社が人集めにとっていた方法には、下記のようなものがあります。

  • 公共交通機関や新聞、マスメディアへの広告掲載
  • 求人誌、フリーペーパーへの求人情報掲載
  • 求人情報チラシのポスティング
  • 派遣の登録会などイベントへの出展

従来型の派遣会社人集めの方法のメリット・デメリット

従来型の派遣会社人集めのメリット・デメリット
メリット
  • 特段の知識がなくとも、すぐに実施できる
  • 効果がすぐにわかる
デメリット
  • 効果を出すには、高度なマーケティングスキルが必要
  • ツール設置場所やイベントの人数などで効果が限定される
  • 同じ求人媒体では広告費が潤沢な大手が有利

従来型の派遣会社人集めのメリット

まずはメリットから紹介していきます。

特段の知識がなくとも、すぐに実施できる

公共の場所や求人誌の掲載は、主に広告代理店を通して行います。フォーマットが決まっていることが多く、デザインも代理店が作成してくれるため、派遣会社には特段の知識は必要ありません。求人情報チラシのポスティングも、人手があれば実施は可能です。

効果がすぐにわかる

従来型の人集めの一番のメリットは、効果の有無がすぐに判断できるところです。求人広告は掲載期間が決まっており、効果は通常その期間のみです。

従来型の派遣会社人集めのデメリット

次に、従来型の派遣会社の人集め方法のデメリットを説明します。

効果を出すには、高度なマーケティングスキルが必要

従来型の人集めの方法で効果を出すには、高度なマーケティングスキルが必要です。求人誌に求人広告を掲載する場合、採用ターゲット層にリーチできる求人誌を選定する必要があり、決められたフォーマットの中で他社との差別化を行うため、紙面の研究も必要です。ポスティングの場合も、実施地域の市場調査を始め、配布チラシのデザイン・内容の十分な検討が必要です。

ツール設置場所やイベントの人数などで効果が限定される

電車の車内広告がその路線を使う人にしか届かないように、設置型広告はツールの場所による効果の限定があります。派遣イベントなどでは、イベントの集客人数が効果の上限となるでしょう。

同じ求人媒体では広告費が潤沢な大手が有利

従来型の集客方法は広告費が広告の面積・頻度と連動しているものが多く、同じ広告媒体を使用する場合、広告費が潤沢な大手が有利になります。求人誌では求人広告の大きさ、掲載写真の数、掲載ページの順番などが広告費次第で決まります。

Webを使った派遣会社人集めの方法

Web集客には次のような手法があり、いくつかの手法を組み合わせて行うのが一般的です。詳細は後述します。

  • 派遣求人掲載サイトへの求人情報掲載
  • 求人検索エンジン対策
  • リスティング広告などのWeb広告運用
  • オウンドメディアマーケティング
  • 採用サイト・ランディングページの運用

Webを使った人集めの方法のメリット・デメリット

Webを使った人集めの方法のメリット・デメリット
メリット
  • 求職者に効率よくアプローチできる
  • ターゲットを絞り込んで訴求力の高い情報発信ができる
  • 持続的な効果が見込める
  • 求職者の居住地に関わらず情報を届けられる
  • 小額から広告を運用できる
  • 費用対効果が見えやすい
デメリット
  • 自社で実施する場合はノウハウが必要
  • 手法によっては効果が出るまで時間がかかる

Webを使った派遣会社人集めのメリット

Webを使った人集めのメリットを説明します。

求職者に効率よくアプローチできる

派遣大手のエン派遣の調査によると、求職者が職探しで使用する媒体は上位4つがWeb関連になっています。

図の出典:アンケート集計「仕事の探し方(2020年5月調査)」|エン派遣

今仕事を探している人材に効率よくアプローチするには、求職者が職探しで使用するWebでのアクションが必須となるでしょう。

ターゲットを絞り込んで訴求力の高い情報発信ができる

Webを使った人集めでは、求人情報を届けたい対象を絞り込み、その対象へ最適化した内容・手段で情報発信を行うことが可能です。対象を絞り込むことで、訴求力の高いアプローチができます。

求職者の居住地に関わらず情報を届けられる

設置型の広告と異なり、Webの集客は求職者がどこにいても情報を届けることができます。転居・転職を考えている層や、テレワーク業務を探している層にアプローチできるのも強みです。

持続的な効果が見込める

Web集客では、求職者の役に立つコンテンツ(Webページなど)を作成する手法があります。コンテンツは消去しない限りインターネット上に蓄積されるため、持続的な効果を発揮します。

小額から広告を運用できる

リスティング広告やSNSを使用した広告は毎月予算を決めて、その範囲内で少額から開始できるのがメリットです。広告を表示するターゲットを絞ることで、コストの無駄も省くことができます。

費用対効果が見えやすい

Webを使った集客の一番のメリットは、効果を数字で見ることができる点です。広告の表示率、広告のクリック率、採用サイトの訪問人数などがわかるため、費用対効果の把握も簡単です。データを使った分析と改善により、さらに効果を高めることもできます。

Webを使った派遣会社人集めのデメリット

自社で実施する場合はノウハウが必要

派遣求人掲載サイトへの掲載はサイトの運営会社が行ってくれる場合がほとんどです。しかし、それ以外のWebを使った集客ではインターネットやWebマーケティングの基本的な知識が必要です。日進月歩の分野なので、ノウハウの蓄積と新しい技術への対応が欠かせません。

手法によっては効果が出るまで時間がかかる

採用サイトの運用やオウンドメディアマーケティングといった手法では、広告費を抑えることができる代わりに、集客の効果が出るまでは時間がかかります。迅速に求職者にアプローチするには、リスティング広告などと組み合わせる必要があります。

派遣会社の人集めに使えるWeb集客の代表的な手法

Web集客の代表的な方法を5つ紹介します。

  1. 派遣求人掲載サイトへの求人情報掲載
  2. 求人検索エンジン対策
  3. リスティング広告やSNS広告の運用
  4. オウンドメディアマーケティング
  5. 採用サイト・ランディングページの運用

①派遣求人掲載サイトへの求人情報掲載

派遣求人掲載サイトは、派遣会社各社が掲載料を払って求人掲載するものです。代表的なサイトは下記の5つです。

  • マイナビスタッフ
  • ジョブリンク派遣
  • はたらこねっと
  • リクナビ派遣
  • エン派遣

いずれのサービスもスマートフォン用アプリがあり、求人案件をスマホで簡単にチェックすることができます。

派遣求人掲載サイトの特徴

派遣求人掲載サイトは、従来型の人集めの方法とWebによる集客手法の間にあるような存在です。求人掲載後は応募を待つだけで良いため、手間がかからず便利な反面、下記のような理由から費用対効果が出せず求人コストがかさむ原因にもなります。

  • 広告費の大きさで広告効果や広告期間が変わるため、大手には勝てない
  • 求人サイトに掲載する情報はフォーマットが決められており、他社と差別化が難しい
  • 同じ派遣案件についてサイト内で複数の派遣会社と競合する場合がある
  • 求人情報が溢れており、自社の求人情報が埋もれてしまう
  • 求職者を獲得できるとは限らない(先行投資リスクがある)

②求人検索エンジン対策

求人検索エンジンとは、インターネット上に掲載されている求人情報を、クローラーと呼ばれるプログラムを使って収集・掲載しているWebサイトです。代表的な求人検索エンジンには、下記があります。

  • Indeed
  • スタンバイ(旧:Yahoo!しごと検索)
  • Googleしごと検索(Google for Jobs)
  • 求人ボックス
  • careerjet

企業の採用ページ、ハローワーク、求人掲載サイトに載っている求人情報がをまとめて閲覧できることと、掲載求人数の多さが求職者への魅力となっています。

求人検索エンジンはクローラーを待たず手動で求人情報を登録できるほか、掲載料を払う有料プランで掲載ランクを上げたり、狙ったユーザーに広告配信を行うことができるものもあります。

③リスティング広告やSNS広告の運用

リスティング広告はGoogleなどの検索エンジンで、キーワード検索をしたときに最上部に表示される広告のことです。「(勤務地)+派遣」、「(職種)+派遣求人」などのキーワードを検索する人は、求人情報へのニーズがあると言えるため、高い広告効果が見込めます。

FacebookなどのSNS広告では、ユーザープロフィールから「年齢」「性別」「学歴」などから広告対象を絞り込むことができるため、精度の高いターゲティングが可能です。

いずれの広告も、自社の採用サイト・ランディングページやオウンドメディアへ誘導して、自社のサービスについて興味を持ち、理解を深めてもらうためにも有効です。

④オウンドメディアマーケティング

オウンドメディアマーケティングは、Googleなどの検索エンジンを使ってユーザーが「検索」するという行動を利用する集客方法です。「(勤務地)+派遣+介護」など、自社がアプローチしたい求職者が検索しそうなキーワードを狙ってコンテンツ(Webページ・記事)を作り、自社メディアへ訪れたユーザーを求人情報ページや採用サイトへ誘導します。

一度作ったコンテンツはWeb上で継続的に検索されるため、オウンドメディアがある限り広告費をかけずにユーザーを集められるメリットがあります。

⑤採用サイト・ランディングページの運用

自社の採用サイトやランディングページとは、求人情報への応募や派遣求人登録への導線を用意したWebサイト・ページのことです。

このサイトやページの目的は、求職者がアクション起こすのに必要な情報を提供することです。例えば、下記のような情報を掲載して求職者の不安を解消することができれば、求人応募や求人登録に繋がりやすくなります。

  • 派遣会社について(概要・派遣先実績・強みなど)
  • 環境・制度について(フォロー体制、福利厚生、キャリアパス、教育サポートなど)
  • 求人情報や求人登録への分かりやすい導線

派遣会社が人集めに採用サイトを持つべき3つの理由

Webを使った集客のうち、特に注目したいのが「採用サイト」の運用です。競争の激しい人材派遣業界において、派遣会社が自社の採用サイトを持つべき理由は3つあります。

派遣会社が人集めに採用サイトを持つべき3つの理由
  • 求職者は会社HPを見て派遣会社を選ぶ
  • 他社との差別化を図ることができる
  • 訴求力のある魅力的な求人情報を掲載できる

それぞれについて、説明します。

採用サイトを持つべき理由①求職者はHPを見て派遣会社を選ぶ

派遣の仕事を探す求職者は、実際に求人に応募する前に派遣会社のHP(つまり採用サイト)で情報収集しています。

派遣大手・エン派遣の派遣社員「仕事の探し方」についてのアンケート結果では、求人に応募する前に派遣会社の情報を調べる人は全体の78%を占め、調べる方法は「派遣会社のホームページ」が83%でした。

また、同調査では「派遣会社を選ぶ際に気になるポイント」についても調査しており、下記の結果が出ています。

図の出典どちらも:アンケート集計「仕事の探し方(2020年5月調査)」|エン派遣

この二つのアンケート結果から、求職者の意思決定のステップがわかります。

求職者の意思決定のステップ
  1. 自分の希望条件に合う求人を見つける
  2. 「派遣会社を選ぶ先に気になるポイント」を中心とする情報収集を目的に派遣会社のサイトを訪れる
  3. 必要な情報が得られ、納得できたら次のステップに進む(求人応募や派遣登録等)

派遣会社のホームページ、特に求職者むけの情報を目的とした「採用サイト」は重要な機能を果たすことがわかります。

採用サイトでは「派遣会社を選ぶ先に気になるポイント」に対する自社の取り組み、それぞについての実際に働く社員の満足度など、色々な切り口で具体的な情報提供をするのが効果的です。

派遣求職者の知りたいことはたくさんあります。他社派遣会社HPなどのFAQを見ながら、自社のターゲットとする求職者がどんなことを知りたいか想定してみるといいでしょう。

他にもある!派遣求職者の知りたいこと
  • 託児所の有無や利用条件
  • 在籍社員の勤続年数
  • 派遣会社の経営状況
  • 求人数以外の会社の強み
  • 在籍社員からの評価 など

採用サイトを持つべき理由②他社との差別化を図ることができる

採用サイトでは、求人掲載サイト、求人検索エンジンやWeb広告では難しかった「他社との差別化」を図ることができます。情報発信の方法・内容・ボリュームの自由度が高く、コストをかけずに差別化のためのコンテンツを追加できるためです。

人材派遣会社はサービスで差別化を図るのが難しい業種です。福利厚生や教育サポートの手厚さ・豊富さでは、大手には勝てないこともあるでしょう。

しかし、どんな企業でも、そこで働く「人」は差別化のポイントになります。

  • 自社の営業担当者やコーディネーター
  • 自社で働く派遣社員
  • 自社とお付き合いのある派遣先

上記のように実在する人にフォーカスを当てたコンテンツは独自性が高く、実態を反映した情報として求職者にニーズがあるでしょう。また、求職者に自社で働くイメージを持ってもらいやすくなり、派遣登録後のミスマッチも起きにくくなります。

採用サイトを持つべき理由③訴求力のある魅力的な求人情報が掲載できる

自社の採用サイトに掲載する求人票は、フォーマットが決まっている派遣求人掲載サイトに比べ、はるかに多くの情報を掲載できます。その自由度を活かし、採用サイトでは、訴求力のある魅力的な求人情報を掲載しましょう。

2022年のエン派遣の派遣社員を対象とした調査では「探している条件に合う求人を見つけても、応募を見送ったことがある」人が全体の78%いました。その理由としては「応募資格を満たしているか不安」が49%、「情報が不足している」が32%でした(アンケート集計「派遣の仕事探しの条件」|エン派遣)。

採用サイトに掲載する求人情報では、求職者の上記のような不安を解消するとともに、ニーズを満たす情報発信をする必要があります。「自分のための求人だ」と思ってもらえるような、訴求力のある求人情報にするためのポイントを3つ紹介します。

  • 求人情報を作成するときはペルソナを設定する
  • 具体的な業務の内容と求める人材を明記にする
  • 求職者が応募によって得られるメリットを記載する

それぞれについて説明します。

求人情報を作成するときはペルソナを設計する

ペルソナとは、その求人で獲得しようとしている求職者を、実在する人のように人格を持たせて細部設定をした架空の人物像です。

年齢、性別、家族構成などの定量的な属性だけではなく、性格、価値観、働くモチベーション、趣味、派遣の働き方を選んだ理由などの定性的な要素も想定します。

その上で、そのペルソナに訴求できるポイントを求人情報に盛り込みましょう。

具体的な業務の内容と求める人材を明記にする

業務の内容はできるだけ具体的に記載し、求人票から実際の仕事のイメージを持てることが大切です。

また、派遣先との条件確認やペルソナ設計に基づき、その業務に絶対必要な能力・スキルと、その業務に活かせる経験・適性は分けて記載します。

求職者が応募によって得られるメリットを記載する

求職者が求人票に応募する際、その仕事や派遣の人材登録によって「何が得られるのか」というメリットが明確であることは他の求人案件との差別化ポイントになります。

ペルソナ設計を見返しながら、ターゲットとした求職者がどんなメリットを好むのか、仕事内容・派遣会社・派遣先などいくつかの切り口で考えて提示しましょう。

派遣会社の人集めの方法はWeb集客と採用サイトの運用が鍵

これからの派遣会社の人集めでは、Web集客と採用サイトの運用が、低コスト・低リスク・持続性のある集客の鍵となるでしょう。

一方、Web集客と採用サイトの運用には、Webやマーケティングのノウハウが必要です。自社で全て対応するためには、専門人材の採用が必要になる場合もあります。

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この記事を書いた人

人材業界|求人サイト運営・運用・管理
広告運用歴4年
ベンチャー企業でプレイングマネージャー
求人アグリゲーションサイトのことからベンチャー企業のあれやこれやも発信します。
indeed/求人ボックス/stanby/Google広告/seo

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