【今すぐ成果を出す】人材派遣営業の基本とコツを完全マスター

人材派遣営業は、時間をかけても成果が出ないと悩む営業担当者も多い職種です。また、以前は成約を取れていたのに、最近どうも調子が出ない…と困っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、人材派遣営業の基本を振り返り、ポイントを確認して、そのコツをまとめて紹介します。

「知っていたのに忘れていた」「このコツは知らなかった」という点があれば、今日からすぐに実行できます。ぜひ参考にしてみてください。

目次

人材派遣営業の基本を確認しよう

人材派遣営業の基本を確認しよう

人材派遣営業の仕事は、つい「派遣社員を派遣する契約を顧客から取ってくること」にフォーカスしてしまいがちです。そうすると、自社のアピール、派遣社員のアピールに終始し、顧客のニーズを置き去りしてしまいます。

人材派遣会社が安定的に成長を続けるには、顧客となる派遣先の成長と、自社がその成長を支えるパートナーである必要があります。

そのために基本となる人材派遣営業のマインドは下記の通りです。

  • 顧客のビジネス発展が、自分たちの発展につながる
  • そのために、ネックとなっている人材に関する課題を一緒に考える
  • 中長期的な視点を持って、顧客のビジネス発展に寄与する提案を行う

人材派遣営業で成果を出すポイント

人材派遣営業で成果を出すポイント

人材派遣営業で成果を出すポイントは、大きくまとめると3つです。

・アポイントの獲得
・顧客の悩み解消につながる提案力
・しっかりとした事前準備

それぞれについて概要を説明します。

アポイントの獲得

人材派遣は、労働力となる人材を派遣するというサービス自体を差別化するのが難しい業種です。そのため、会社の強みやこれまでの実績、顧客にどんな付加価値を提案できるか、というサービス以外の点で選ばれる必要があります。

しかし、一方的に会社の強みを訴えても、顧客のニーズと合っていなければ興味を惹くことはできません。
まずは、顧客にどのようなニーズがあるか、人材に関してどんな悩みがあるか、話を聞く機会をもらう=アポイントの獲得がスタート地点となるでしょう。

アポイントの獲得率を上げるには「トークスクリプト」の作成が効果的です。トークスクリプトの作り方は後述します。

顧客の悩み解消につながる提案力

人材派遣の営業の基本は「提案型営業」と言われます。

「提案型営業」とよく比べられるのが「御用聞き営業」です。「御用聞き営業」は、クライアントが「Aが欲しい」と言えば、「A」を探して提供するスタイルです。「A」がなければ、「Aがなかった」もしくは「Aがなかったが、Bは見つけた」と、あくまでクライアントが要求した「A」をベースとする営業です。

「提案型営業」はクライアントのニーズ・悩みの発生源から、クライアントと一緒に考えるのが特徴です。「クライアントがAが欲しい理由はなんだろう」と、クライアントが言語化していない潜在ニーズをヒアリングなどから読み解きます。「A」の提供だけに拘らず、市場の現状とすり合わせ、顧客の悩みを解消する提案を行うのが「提案型営業」です。

事前準備を怠らないこと

「アポイントの獲得」と「提案型営業」を安定的に成功させるには、しっかりとした事前準備が必要です。
営業の成果が出せないと、焦ってしまい、手当たり次第テレアポなどの新規開拓に励みたくなります。

しかし、アポイントの獲得率を上げるため、またせっかく獲得したアポイントで良い結果を出すためには、事前準備が欠かせません。本記事では、事前準備のコツも解説します。

人材派遣営業で今すぐできる成果改善のポイントは?

身だしなみに気を遣うことと、 顧客の営業時間帯を意識することの2点です。
人材派遣の営業担当者は、派遣取引が成立してからも顧客と派遣社員双方の橋渡しを行います。顧客にとっては、派遣される人材と同じくらい重要なキーパーソンとなります。信頼感を得るためにも、好感を持たれる身だしなみを心がけましょう。髪型の清潔感と、ベーシックなコーディネートがポイントです。顧客の営業時間帯を把握して営業活動することも基本です。先方の昼食休憩直前や終業間近に訪問することは迷惑がられることがあります。また、どうしても終業間近に電話を掛ける必要があるときは「終業間近のお忙しい時間に申し訳ありません。資料をお持ちしたので、5分程度お時間いただけないでしょうか?」と一言伝えるだけでも効果があるでしょう。

人材派遣営業で人事担当に刺さるフレーズは?

「派遣社員の募集や定着でお困りではないですか?」などの悩みを聞き出すフレーズです。人事担当者は普段、社内の問題処理を行なっていることが多く、前向きな気持ちで新規派遣会社の検討を行うことは稀です。そんな人事担当に刺さるアプローチの一つが、人の採用や派遣受け入れに関する困りごとを聞くスタイル。「人事担当者のサポートが人材派遣営業の仕事である」という姿勢を見せれば、頼ってもらえる確率が上がるでしょう。

人材派遣営業のコツ3つを完全マスター!

人材派遣営業のコツ3つを完全マスター!

人材派遣の営業におけるポイントを3つ確認しましたが、それぞれにコツがあります。
以下、ポイントごとにそれぞれ紹介します。

  • 人材派遣営業のコツ1 アポイント獲得には「トークスクリプト」
  • 人材派遣営業のコツ2 提案型営業のための「ヒアリング力」
  • 人材派遣営業のコツ3 成果を出すための事前準備

人材派遣営業のコツ1 アポイント獲得には「トークスクリプト」

トークスクリプトとは、営業が顧客に話をする際の内容・話の流れを決めた「台本」のことです。飛び込み・テレアポ等でのアポイント獲得シーンに限らず、提案営業の場面でも役に立つツールです。あらかじめ先方の反応を想定し、話す内容を事前に準備・パターン化しておけるため、落ち着いた態度で会話を進めることができます。

トークスクリプトの基本型

トークスクリプトの基本的な構成は「挨拶」「導入・フロントトーク」「本題」「クロージング」です。相手の返答や状況によってすぐに適切な受け答えができるよう、フローチャート式になっていると使いやすいでしょう。この流れをもとに、典型的な顧客や、顧客の状況についての仮説を立てて、具体的なセリフを考えていきます。

シーン別トークスクリプトの作成

トークスクリプトは、営業シーン別に作りましょう。例えば人材派遣の営業では下記のような場面が考えられます。

新規顧客開拓(テレアポ)
新規顧客開拓(初回面談)
顧客フォロー(テレアポ)
顧客フォロー(面談)

人材派遣の営業活動では、まず顧客の興味を惹き、ついで顧客からさまざまな情報を引き出す必要があります。話の進み方に関わらず、伝えるべき言葉やヒアリング内容に抜け漏れが出ないように、筋道を立てた台本を作りましょう。

トークスクリプトの作成例

人材派遣営業のコツ1 アポイント獲得トークスクリプト

効果の出るトークスクリプト作成のポイント

トークスクリプト作成時は以下の点に気を配るといいでしょう。

  • 明確なゴールを設定する
  • 「営業」は後回し
  • 切り返しトークを用意しておく

「課題ヒアリングのための訪問またはオンラインアポイントを取る」「人材についての課題ヒアリングと課題の深堀り」など、ゴールを具体化することにより、精度の高いトークスクリプトになります。

また、最初から営業感を出してしまうと、先方のガードが一気に上がってしまいます。まずは相手をよく知りたい、課題を聞き、相手にとって自社が何ができるのか考えさせて欲しい、という姿勢が伝われば警戒心を解きやすいでしょう。

相手から断られたり、想定外の質問が来たときを想定してトークスクリプトを作っておくと、慌てずに落ち着いた対応ができます。例えば、テレアポ時に受付で担当者に繋ぐのを断られた場合を想定すると、下記のような切り返しを考えることもできるでしょう。

切り返しトーク例

「◯◯についての最新の資料をお持ちし、手短にご説明できればと思っておりました。◯◯のご担当者さまには有用な情報かと存じます。10分程度、情報提供の機会をいただくことはできますでしょうか?」

常に見直しとブラッシュアップを行う

作成したトークスクリプトは声を出して読み上げたり、ロールプレイングで使用して微修正していきます。さらに、話すスピードや大切な部分の抑揚など、ニュアンスにも配慮したものにするといいでしょう。

トークスクリプトは定期的な見直しと改善を続けることで一層質が高まります。特にうまく行った事例を十分に振り返り、トークスクリプトに落とし込むことで、成功例をマニュアル化する効果もあります。安定したトークの質を保てると共に、自信を持った対応ができ、相手に信頼感を与えることができるでしょう。

人材派遣営業のコツ2 提案型営業のための「ヒアリング力」

人材派遣の営業が顧客に提供すべきは、労働力だけではありません。顧客の悩み・課題解決を目的とした、顧客のための提案を行うことが、業務の核となります。そして、提案営業の基本となるのがクライアントへのヒアリングです。

ヒアリングの目的は潜在ニーズを探ること

具体的な顧客の要望を確認するだけのヒアリングでは「提案営業」ができません。ぴったりの人材が市場にいない場合提案ができませんし、ニーズを深堀するとクライアント自身が気が付いていなかった潜在ニーズがある場合があるためです。

まずは先方の人事的な困りごと、課題を聞きましょう。ヒアリングをする中から、業界の課題や顧客の状況などの情報も集めつつ、クライアントが今解決しなければならないことが何か、オープンクスチョンなどで探っていきます。

具体的な要望があってもそれをヒントに潜在ニーズを探る

「経理経験が3年以上あって、社会人経験があって、受付業務もやってもらえる、派遣料◯◯◯◯以下の独身の女性がいい」

顧客から、上記のような具体的な要望をいただいたのであれば、それをヒントに潜在ニーズを探ることができます。

具体的な要望をヒアリングで深堀りしてわかる事情

経理経験が3年以上 :いずれは経理業務のうち◯◯を一人でやってほしい。教えることは可能。
社会人経験 :職場のマナーを守って欲しい。
受付業務 :ちょうど受付のパートさんがやめてしまった。お茶出しする人がいなくて困っているが、とはいえ最近お茶出しの機会は少ない。
派遣料◯◯◯◯以下 :予算は前任者と一緒。
独身 :フルタイムかそれに近い勤務時間がいい。
女性 :お茶だしがなければ、男性でもいい。

ヒアリングの結果、潜在ニーズは下記の通りだと分かります。

「経理の◯◯業務を行ってもらう予定で、それに適性のある人。職場マナーに問題なく、フルタイムかそれに近い時間勤務できる方」

ニーズを深堀り・整理することで、経理経験のあるシニア層、主婦層や第二新卒などもクライアントの問題解決となることがわかり、提案の幅も広がります。

問題解決のためのアイディア出し、提案を行う

上記の例では、クライアントが「お茶だしをする人がいない」と「◯◯の経理業務を任せる人がいない」の二つの問題を一緒に考えてしまっています。

ビジネス上の優先順位や、市場で本業務を任せられる人材の時給相場などから、問題をバラバラに解決した方がより顧客にとってメリットがあると判断すれば、そういった視点からの提案も可能です。

受付システムや給茶器導入など、他の顧客での事例やエピソードがあれば、それを共有することもできるでしょう。

クライアントから頼られる営業担当者になるには

人材派遣の営業担当者は、クライアントの悩みを解決できる提案ができれば、継続的に案件をもらいやすくなります。

私自身も人事担当者として、多くの人材派遣の営業担当者にお会いしてきました。その中で、困った時には必ず一番先に連絡する営業担当者は決まっていました。

その方に人材派遣の依頼の電話をかけると、不思議と思考が整理され、どんな人材であればマッチするか具体的になってくるのです。その後に他の派遣会社にも依頼は出すのですが、その担当者を差し置いて派遣求人をかけることは稀でした。

選ばれる派遣担当者になるためには、クライアントに「気づき」を与えてくれる「ヒアリングと潜在ニーズの分析力」が重要ではないかと思います。

人材派遣営業のコツ3 成果を出すための事前準備

コツの3つ目は、アポイントの獲得と提案営業で成果を出すための「事前準備」を紹介します。
営業活動のフェーズごとに、事前準備は主に3つです。

事前準備① 営業リストの作成
事前準備② 営業資料やお土産の工夫
事前準備③ 営業先の業界研究・市場調査・雇用状況確認

それぞれ説明します。

事前準備① 営業リストの作成

アポイントの獲得の際、準備するのは営業先リストです。

営業先リストを作る際は、採用求人・派遣求人広告の掲載リストから業界別に作成することが多いでしょう。事前準備では、そのリストをベースに企業研究や業界研究を行い、業績好調である企業や伸びている業界に営業先を絞ることです。確度の高い営業先のみに絞ることで、他の事前準備にかける時間を確保したり、質の高い営業戦略を練ることができます。

事前準備② 営業資料やお土産の工夫

アポイント獲得に動く前や既存顧客フォローに向かう前の事前準備は、営業資料と情報提供ツールなどの「お土産」を顧客目線で見直すことです。

顧客が興味を持つ内容であり、顧客にとってメリットとなる情報が分かりやすくまとまっている必要があります。営業資料に記載してある自社のメリットと、顧客から見たメリットにズレがないか、常に検証することも大切です。

事前準備③ 営業先の業界研究・市場調査・雇用状況確認

事前準備の三つ目は、顧客の悩みを理解したり、先回りして仮説を立てておくため、営業先の業界事情・雇用状況について十分な事前調査を行うことです。その企業の属する市場動向や競合企業の様子なども知っておくと、企業の置かれている状況を踏まえて、広い視野から潜在ニーズを探ることができます。

事前準備は営業担当者を助ける強い味方

事前準備の①〜③はどれも、顧客と同じ目線で悩みを探り、問題解決の方法を探るために大切なことです。ある程度の業界事情がわかっていれば、顧客にさまざまな角度から質問ができ、実情を教えてもらうきっかけになります。また、十分に準備したという自信があれば、初めて伺うアポイント先でも、落ち着いた態度で面談ができるでしょう。

派遣営業担当者が持っていくべき鉄板「お土産」5選! 

派遣営業担当者が持っていくべき鉄板「お土産」5選! 

最後に、忙しくてもつい時間を作ってしまう、人材派遣の営業担当者が持ってくる鉄板「お土産」をいくつか紹介します。テレアポの際や既存顧客フォローの際、顧客にとって役に立つものを用意しましょう。中でも、忙しい社長や担当者が普段積極的に調べることのない、業務に関係のある分野の「情報」は、営業感を抑えた最適なお土産です。

労働市場・政策全般についての情報&資料

IT化やDX、個人情報管理、年金・社会保険関連政策、顧客と同じ業種での採用求人の情報など話題はいくらでもあります。データとしてパッと見られるもの、複雑な内容をわかりやすくした内容など、資料を1、2枚にまとめて持っていくのが良いでしょう。

労働法・派遣法や派遣に関する情報提供&資料

派遣社員の定着率改善のポイント、派遣法の改正のポイント解説、今後の法整備の予定など派遣会社ならではの視点から最新情報を提供することができます。困りごとを聞き出すきっかけ作りにもなるため、活躍する資料です。

労働判例などの情報提供&資料

裁判ネタは今後の法改正の動向を読むことができる上、企業の社長や人事にとっては思わず興味を示してしまう分野です。派遣会社としては自社の取り組みを紹介したり、さりげなく強みをアピールできるチャンスにもなります。

年末時期はカレンダー(卓上が人気!)

今の顧客への年末のご挨拶は、先方の忙しい時期に重なりがちです。来年の見込みやニーズを聞けるチャンスを作るには、この会社は◯◯をくれるから…という期待感を作っておくのも手です。先方の社内で喜ばれることもあり、管理系担当者には有効なお土産です。

文房具(卓上メモ、ポストイット式の電話メモが人気!)

卓上メモやポストイット式の電話メモは、実際に職場で使われる可能性が高いです。毎日見るものなので、使用する人に社名が刷り込まれる効果があり、まだ取引のないクライアントには社名を知ってもらうのに効果的でしょう。

まとめ:人材派遣の営業はコツを押さえて確実に成果を出そう!

本記事では、人材派遣の営業のコツについて「トークスクリプト」の作成、 提案型営業のための「ヒアリング力」、その二つをサポートする「事前準備」という点で解説してきました。コツはどれも難しくなく、今日から取り組めるものばかりです。まだやっていないものがあれば是非取り入れてみてください。

提案営業の手法を使って潜在ニーズを探り当て、人材の派遣で問題が解決できそうな場合、実際の商材となる適切な人材の紹介を行います。その場合、自分の営業先となる業界でのニーズを事前に読み、普段から質の良い人材を獲得しておけばスピーディーな提案につながります。

売り手市場となっている現在の採用シーンで、迅速かつコストをかけず派遣人材を探すには、Webマーケティングや採用サイトの活用などが必須です。派遣人材のWeb集客についても、常にアンテナをはって知識を持っておきましょう。

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この記事を書いた人

人材業界|求人サイト運営・運用・管理
広告運用歴4年
ベンチャー企業でプレイングマネージャー
求人アグリゲーションサイトのことからベンチャー企業のあれやこれやも発信します。
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