【採用コストを削減する4つの方法】お金をかけない求人募集法も紹介

「採用コストを抑える方法を知りたい」

「お金をかけずに求人募集するにはどうすればいい?」

こういった予算不足や採用コストの高さに困っている企業も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、お金をかけない求人方法お金をかけずに求人に取り組む際の注意点をまとめました。

自社で取り入れやすいものもあるかもしれませんので、人材の採用やコストでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

目次

そもそも採用コストとは?

採用コストとは、その名の通り採用にかかる費用のことです。

具体的には、求人広告費や採用担当者の人件費などが当てはまります。

この採用コストを削減するためには、自社の現状採用コストの相場お金をかけない採用方法を把握して採用を進めなければなりません。

採用の費用対効果を高める方法はこちらで紹介しています。

採用コストの推移

新卒採用と中途採用では採用にかかるコストが異なります。
しかし、採用コストは新卒・中途ともに増加傾向にあります。

ご存じの通り日本は少子化です。
このこともあり、特に中小企業において人材不足が深刻化しています。

AIの活用などで一部採用コストを削減できた企業もありますが、全体としては増加しており、2024年卒採用の見通しとしても採用活動に費やす総費用が「減る」とみている企業は6.6%にとどまっています。(出典:『就職白書2023』データ集)

おそらく今後も採用コストは上昇傾向を続けることが予想されます。

採用コストの内訳は「外部」と「内部」の2種類

採用コストは大きく「内部コスト」と「外部コスト」に分けられます。

内部コスト

内部コストとは、社内の採用にかかる費用のことです。

内部コストの例
  • 採用担当者の人件費
  • 面接のための交通費や宿泊費
  • リファラル採用(社員紹介)の報酬

内部コストの多くを占めるのが採用担当者の人件費です。

採用担当の手間や負担を減らすことが、採用コストを抑えるために重要と言えるでしょう。

外部コスト

外部コストとは外部の企業やサービスに支払う費用のことです。

外部コストの例
  • 求人掲載費用
  • 人材紹介会社への費用
  • セミナーや企業説明会の会場費

外部コストの中でもとくに大きいのが求人募集の費用です。

採用コストを削減するためには、求人掲載費が安いサービスや、費用対効果の良いサービスを使う必要があります。

お金をかけない求人募集方法については、後ほど詳しく紹介していくので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。

1人当たりの平均採用コストは?

採用コストの平均相場を把握して、自社にかかっている採用コストと比較していきましょう。

株式会社リクルート「就職白書2020」のデータによると、採用コストの平均相場は「中途103万円、新卒93万円」でした。

採用に係るコストは、19年度の新卒採用(20年卒)1人あたりの平均が93.6万円で(P11・データ❸)、中途採用のコスト(103.3万円)との差が縮まった。

株式会社リクルート:就職白書2020

ちなもに前年のデータでは、新規採用が71.5万円、中途採用が83万円です。

社員数が多いほど1人当たりの採用コストは下がる傾向にあるため、大企業であれば相場よりも安く、中小企業であれば相場よりも高くなる傾向にあります。

採用単価の平均相場についてはこちらで紹介しています。

職種別採用単価一覧

採用コストはもちろん職種によっても異なります。
採用しにくい職種においてはコストが高くなるので、目安として職種別の採用単価についても触れておきます。

業種別新卒採用中途採用
建設業69.4 万円97.8 万円
製造業69.7 万円102.3 万円
流通業67.7 万円55.5 万円
金融業84.8 万円58.2 万円
サービス・情報業78.1 万円86.8 万円
2018年度新卒採用および中途採用1人あたりの平均採用コスト

出典:株式会社リクルート「就職白書2019

経験やスキルが求められる職種の方が、中途採用単価は高くなっています。

【2023年最新】新卒採用の採用単価はどれくらい?

マイナビでは独自に調査を行い次のような発表を行っています。

あくまで目安となりますが、弊社調査(出典:2023年卒マイナビ企業新卒内定状況調査)において、採用全体にかかる費用としては1社あたり平均約298.7万円というデータがでています。

マイナビ:新卒採用の予算について

【2023年最新】中途採用の採用単価はどれくらい?

マイナビの中途採用状況調査 2023年版(2022年実績)によると、企業が中途採用にかける費用は、2022年全体予算が618.4万円、実績は573.9万円となっています。

マイナビ:中途採用状況調査2023年版(2022年実績)

効果的にコスト削減法を実施するためのポイント

「自社の採用単価が平均より高い!」と驚かれた方もいるのではないでしょうか。

採用コストを見直すには、まず自社の内部コストと外部コストをすべて書き出してみましょう。

書き出してみることで、採用の無駄が浮き彫りになってきます。

内部コストが高い場合は採用効率を見直そう

人件費などの内部コストが高い場合は、以下のポイントを見直してみましょう。

内部コストを見直すポイント
  • 採用の効率が悪くないか
  • 無駄なプロセスや選考フローがないか
  • 選考が厳しすぎないか
  • システム化・自動化できる部分はないか

ここで再度内部コストの内訳例について紹介しておきます。

内部コストの主軸は、面接や採用担当者の人件費ですが、他にも次のようなものが内部コストに含まれます。

発生する時期が分散したり、全体の費用が見えにくくなりがちですが、しっかり把握することで削減への道がひらけます。

  • 採用担当者の人件費
  • 面接のための交通費や宿泊費
  • リファラル採用(社員紹介)の報酬
  • 内定者懇親会などの会食や交際費
  • 内定者の交通費や引越費
  • 内定者のガイダンス費

外部コストが高い場合は求人広告を見直そう

求人広告費などの外部コストが高い場合は、以下のポイントを見直してみましょう。

外部コストを見直すポイント
  • むやみやたらに求人広告を出していないか
  • 自社に合った求人広告媒体を利用しているか
  • 費用対効果の悪い求人募集方法を取っていないか
  • 使っていないサービスに課金していないか

反対に、これらを見直さずに採用を行っていると、採用コストは上がってしまうでしょう。

外部コストの内訳例

外部コストは内部コストと比べると内訳が分かりやすくひとつひとつの費用が大きいことが特徴です。

このことから削減する場合に取り掛かりやすい一方、取りやめた場合の影響が大きいため、削減には注意が必要です。

  • 求人掲載費用
  • 人材紹介会社への費用
  • セミナーや企業説明会の会場費
  • ホームページ等広告媒体の製作費
  • 動画やパンフレット等採用ツールの製作費
  • 内定者の外部研修費

採用コストを削減する4つの方法

では、実際に採用コストを下げるためには、どのような方法を行えばよいのでしょうか?

ここからは具体的な4つのコスト削減方法をご紹介していきます。

採用コストの削減方法
  • 現在かかっているコストをチェックする
  • 母集団形成をしっかりと行う
  • 掲載する求人サイトを厳選する
  • 無料の求人サイトを利用する

コスト削減する方法①現在かかっているコストをチェックする

繰り返しになりますが、採用コストを下げたいのであれば、現在どれくらいの採用コストになっているのかをチェックする必要があります。

効果がない求人ツールにコストを払っている場合もあるでしょう。

システムを活用すれば効率化できる業務もあるでしょう。

そのため、現在どれくらいのコストを払っていて、そのコストに対してどれくらいの効果が得られているのかを把握し、コストパフォーマンスをしっかりと分析する必要があります。

コスト削減する方法母集団形成をしっかりと行う

母集団形成とは、ターゲットを定めて自社に合う人材を集めることです。

企業が採用活動を行う場合、とにかくたくさんの応募が来るように幅広い層に向けてアプローチする企業が多くあります。

しかし、そのように漠然と採用活動を行ってしまうと、自社に合わない人材もたくさん集まってしまったり、他の企業よりも魅力的な求人を作れなかったり、結果的に採用コストが上がってしまいます。

また、たとえ入社したとしても思った戦力になってくれなかったり、早く離職してしまったりする可能性も少なくありません。

そのため、採用活動を行う前に「どのような人材に応募してほしいのか」を明確にし、そのターゲットに対して魅力的に映る求人広告を作成するといいでしょう。

コスト削減する方法掲載する求人サイトを厳選する

現在、多数の求人広告を使っているなら必要以上にコストがかかっている可能性が高いです。

求人サイトにはそれぞれ特性があり、登録している求職者の特徴も異なります。

そのため、自社で定めたターゲット層がよく利用するサイトを厳選して求人掲載しましょう

ターゲット層に合わない求人サイトを使った場合、高い費用を払って多くの募集があったとしても、実際に採用に至る人材は集まっていないというケースはよくあります。

これまでの採用実績から応募してきた人材のタイプを分析し、より効果の高い求人サイトだけを利用するようにしましょう。

コスト削減する方法お金のかからない求人方法を利用する

最近では、無料で求人を掲載できるサイトもたくさんあります

無料で使えるのであれば、応募の増加が見込める上にコストがかからないので、メリットは大きいでしょう。

ただ、有名な求人サイトの場合には求人数が多く、無料ではなかなか応募が来ないということも多々あるため注意が必要です。

そのため、劇的な効果は見込めないかもしれません。ですが、無料で登録できるのであればリスクはないため、登録しておくというのも採用コストを下げる方法です。

【採用コスト削減】お金をかけない求人方法8選

お金をかけない方法

こちらでは、お金をかけない求人方法として下記の8つをご紹介します。

お金をかけない求人方法
  1. ハローワークに登録する
  2. 無料で掲載できる媒体を利用する
  3. 自社ホームページに求人情報を掲載する
  4. noteなどのWebサービスを活用する
  5. SNSで求職者を募る
  6. リファラル採用に取り組む
  7. チラシやポスターを設置する
  8. 完全成果報酬型の求人サイトを利用する

いずれも無料で取り入れられるものですが、かかる手間はそれぞれ異なります。

なかには専門的な知識が求められるものもあるので、自社で導入できそうかどうかも検討しながらご確認ください。

1. ハローワークに登録する

人材を広く紹介しているハローワークは、無料で登録できるサービスです。

求人掲載の申し込みをするためには職場を管轄するハローワークで登録する必要がありますが、掲載された内容は全国のハローワークやインターネット上で公開されます。

ハローワークの利用者数は地域によっても異なりますが、公式サイトによると1日あたり約40万件ものアクセスがあるとのことなので、一定以上の閲覧は見込めるでしょう。

また、ハローワークでは求人に関する相談にも乗っており、募集職種に対してどのくらいの求職者がいるのかも確認できます。

無料ながらさまざまなサービス・サポートを受けられるため、第一の選択肢として取り組むのもおすすめです。

参考:ハローワークのサービスについて

2. 無料で掲載できる媒体を利用する

お金をかけない求人方法として、求人検索エンジンの「Indeed」や地域別の情報サイト「ジモティー」など無料で掲載できる媒体を利用する方法もあります。

なかには介護やエンジニアなど特定の業種に特化した求人サイトもあるため、職種を絞って募集したい場合はそちらを選ぶのもよいでしょう。

ただし、求人の掲載自体にはお金がかからなくても、採用時に支払いが必要となったり有料の広告掲載を勧められたりと結果的に費用がかかる媒体もあります。

無料で掲載できる点は魅力ですが、サービスの詳細を細かく確認したうえで掲載の有無を決定するようにしましょう。

3. 自社ホームページに求人情報を掲載する

自社のホームページに求人情報を掲載する方法もおすすめです。

自社に関する情報を調べている人が対象となるため、ある程度の興味を持ったうえで求人を見てもらうことができます。

また、情報も自由に更新しやすいため、求めている人材が増えた場合でも臨機応変に対応できるでしょう。

ただ一方で自社について調べた人のみしか見られないため、閲覧人数を増やすためにはSEO対策(検索エンジンで上位表示させるための取り組み)にも注力する必要があります。

自社のリソースに余裕がある場合は、採用サイトを別途立ち上げたり採用マーケティングを実践したりするのもよいでしょう。

4. noteなどのWebサービスを活用する

自社ホームページへの掲載と似た手法ですが、「note」などのWebサービスを活用する方法もあります。

noteとはブログのように手軽に情報を発信できるサービスで、求人情報を埋め込む機能が実装されている点も特徴です。

採用活動の一環として社員インタビューや取り組みを発信している企業もあり、求職者の情報収集にも役立てられています。

また、複数の社員が作成した記事を「マガジン」として1冊の雑誌のようにまとめることで、在籍している社員の雰囲気や仕事への考え方をわかりやすく伝えられます。

noteは広告なしで見られる点も魅力なので、他社のバナーなど余計な情報を表示させたくない企業にとっても安心して利用できるコンテンツと言えるでしょう。

参考:note を企業の採用活動の拠点に!求人情報を埋め込む機能を追加しました。

5. SNSで求職者を募る

求人にお金をかけたくない方は、TwitterやInstagramなどのSNSを活用して採用に取り組んでみてはいかがでしょう。

SNSでの採用活動は「ソーシャルリクルーティング」とも呼ばれ、情報発信の手軽さや拡散力の高さなどから注目を集めています。

社員が仕事内容や企業の取り組みを発信することで職場の雰囲気を伝えられたり、求職者とスムーズにやりとりができたりなどメリットも多いため、うまく活用できればコストをほとんどかけずに採用を実現できるでしょう。

ただしSNSでの採用活動は炎上などのリスクがある点も考慮したいポイントです。社員個人の発信が企業の意見として広がることもあり、かえってトラブルにつながってしまう可能性もあります。

SNSで情報を発信する場合はあらかじめ社内で取り決めを行い、社員の意識を統一したうえでスタートするとよいでしょう。

6. リファラル採用に取り組む

離職率の高さでお悩みの場合はリファラル採用に取り組むのもおすすめです。

リファラル採用とは、自社の従業員から知人や友人を紹介・推薦してもらう手法です。

一般的な採用方法よりも実態に沿った具体的な情報を伝えられるため、結果的に企業と求職者とのミスマッチを防げます。

また、知人・友人を介することで転職に対する意識が薄い潜在層にも情報を届けられるため、他の求人方法よりもアプローチできる人材の幅が広がる点もメリットです。

ただし、リファラル採用を推進するためには社内の協力が欠かせません

  • どういった人材を募集しているのか基準を明確にする
  • 会社見学や上司になりうる人との食事会など、社内風土を気軽に確認できる機会を設ける
  • 「紹介された人物が採用に至ったら3万円」などインセンティブとして報奨金を用意する

など、社員自らが「うちの会社を紹介したい」「一緒に働いてもらいたい」と思えるように仕組みを構築する必要があるでしょう。

7. チラシやポスターを設置する

アナログな手法ではありますが、飲食店や小売店などで人材を募集する際はチラシ・ポスターも効果的です。

手書きやパソコンで作成したものをお店に掲示・設置するだけなので、ほとんどお金はかかりません

また、近隣の学生等をターゲットにする場合は駅や大学の掲示板にポスターを貼らせてもらう方法もあるので、多くの人の目に触れさせたい方は各機関に申し込むのもよいでしょう。

ただしチラシやポスターはお店を利用した人や近隣住民のみが対象となるため、目覚ましい効果は得られない可能性が高いです。できるだけ早く採用を進めたい場合は別の手法を選択するのがよいでしょう。

8. 完全成果報酬型の求人サイトを利用する

完全成果報酬型の求人サイトとは、応募があった場合や採用が決まった場合のみに費用がかかる形式の求人サイトです。

人材獲得はサイトを運営する企業が代わりに行ってくれるというサービスも多くあるので、より効率よく採用活動を行え、採用単価も下げられるでしょう。

完全成果報酬型の求人サイトを運営する企業は、成果を出さなければ利益を出せないので、より高い成果を残せる仕様になっている場合も多いです。

そのため、より早く人材を獲得できる傾向にあります。

お金をかけない求人でも効果を出す秘訣

上記で紹介したとおりお金をかけない求人方法は数多くありますが、効果を高めるためには下記の3つを意識することも大切です。

効果を高めるポイント
  • 企業の魅力を高めて社内外に発信する
  • 求人内容を定期的に見直す
  • かえってコストがかかってないか確認する

では、それぞれについて詳しくご紹介します。

企業の魅力を高めて社内外に発信する

お金をかけずに求人に取り組むためには、企業としての魅力を高めることが大切です。

エン・ジャパン株式会社が2019年に行った「20代の転職・仕事観 意識調査」によると、20代の人が転職先を決める際に重視しているポイントは勤務地仕事内容事業内容とのことですが、そのほかに給与年収社風休日オフィス環境を重視している人も半数以上いました。

つまり、企業としての条件のよさをアピールできれば無料の求人サイトでも十分な応募を見込める可能性があります。

また、自社のホームページやnote、動画などを利用して在職者のインタビューを掲載する方法もおすすめです。ただしその場合はよい面だけを推さず、悪い面や直してほしいポイントも含めると企業としての信頼性が高まるでしょう。

参考:20代の転職・仕事観 意識調査2019 | エン・ジャパン株式会社

求人内容を定期的に見直す

無料で掲載している求人の効果が薄い場合、内容に魅力を感じられていない可能性もあります。

ただ掲載しているだけの状態になっていれば、情報に不足がないか、内容が見づらくないかなど求職者の目線で見直してみてください。

特に仕事内容はわかりやすさに留意することが大切です。具体的な情報が記載されているか、写真の画質は粗くないかなど、細かい点まで気を配ると最後まで読まれやすくなるでしょう。

また、競合他社の求人があれば比べてみるのもよいですし、更新することで新着情報として表示されやすくなるのもメリットです。

ただし過去の求人から条件をアップすると既存の従業員が不満を抱く危険性もあるため、労働条件を極端に変えるのは止めておいたほうがよいでしょう。

かえってコストがかかってないか確認する

予算に応じてお金をかけない求人方法を模索することも大切ですが、コスト削減だけを考えて闇雲にこなしていくのは避けてください。

コストを意識しすぎるあまり採用担当者の工数を圧迫してしまい、過重労働ひいては体調不良や退職につながるリスクもあります。

また、無料で掲載できる媒体も、実際には無料掲載では効果は出ずコストがかかってしまう場合も珍しくありません。

そうなると、かえって採用コストがかかってしまうため、お金をかける部分・かけない部分を見極めながら採用活動を進めましょう。

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この記事を書いた人

人材業界|求人サイト運営・運用・管理
広告運用歴4年
ベンチャー企業でプレイングマネージャー
求人アグリゲーションサイトのことからベンチャー企業のあれやこれやも発信します。
indeed/求人ボックス/stanby/Google広告/seo

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