採用活動を行う上で、必ず用意することになるのが「採用サイト」です。
他にも、広告の出稿や就職活動のイベント出展などするべきことはさまざまありますが、採用サイトは求職者が直接応募に至るもっとも大きな入り口となります。
そのため、どのような採用サイトにするかは応募数の増減に直結する問題と言っても過言ではないでしょう。
多くの採用担当者にとって、採用サイトを構成する要素として注目することになるのがデザインとコンテンツでは無いでしょうか?
特に、新しく採用サイトを開設する際は、最新のトレンドを取り入れる必要があるのかも気になるポイントでしょう。
そこで今回は、採用サイトのデザインや応募が少ない採用サイトの特徴などについて説明していきます。
>>採用サイトのデザインで効果を出す方法についてはこちらで解説しています。
採用サイトのデザインにトレンドは必要?
近年では価値観が多様化しており、「やりがい」「やりたい仕事」などの業務内容よりも、「安定」「給料」「福利厚生」などのワークライフバランスを求める就活生が増えています。(参考:2023年卒大学生就職意識調査)
また、多くの企業が採用サイトで情報を発信しているため、トレンドに乗ったデザインは「他と似ている」「よくある会社」と、求職者の印象には残りません。
そのため、「企業のカラーを出す」「他にない魅力を発信する」など、トレンドを追い過ぎない”差別化したデザイン・コンテンツ”がカギになっています。
2022年の採用サイトのトレンドは「企業カラーを打ち出すデザイン」
現代の採用サイトは、トレンドデザインよりも企業のイメージが伝わりやすいデザインにすることが重要です。
Web上での採用活動がまだ定着しきれていない頃には、トレンドに乗った採用サイトは求職者に対し、最先端かつ挑戦的なイメージを与えることに役立ちました。
しかし、採用サイトは現在もっとも一般的な採用手法の一つであるため、トレンドに合わせたWebサイトを作成すると、他サイトとの差別化が難しくなってしまい逆効果です。
今、採用サイトのデザインを決めるなら、企業のブランドイメージや求職者に与えたいイメージに合わせたデザインにすると良いでしょう。
新しいことに挑戦することを伝えたいなら、未来的な印象を与えるデザインに、遊び心を大事にするなら、明るくポップなデザインなど、自社のイメージと照らし合わせてデザインを決定することをおすすめします。
採用サイトのデザイン事例を検索して見られるサイトもあるので、これらを活用してデザインを決定するのもおすすめです。
トレンドデザインに頼らずコンテンツで競合と差をつけることも重要
採用サイトを作成する上では、デザインだけでなくコンテンツの作り込みも重要です。
いくら良い雰囲気のデザインだからといって、それだけで求職者が実際に応募までに至ることは少ないでしょう。
- 一目で目を惹くコピー
- 企業の雰囲気がわかる画像や動画
- 若者の心をつかむ強烈なメッセージ
- わかりやすく嘘のない企業情報
- 「くだけたデザイン」「ユーモア」で親近感がわくコンテンツ
求職者がどのような情報を知りたいのかをよく考え、この疑問を全て解決できるよう網羅的にコンテンツを用意することが大切です。
自社の独自性をアピールする最大の手段となるため、競合他社と差をつけるポイントにもなるでしょう。
採用サイトのトレンドデザイン事例3選
ここでは、採用サイトのデザイン事例を3つ紹介していきます。
- ターゲットに合わせたポップなデザイン|講談社
- 求職者の目を惹くキャッチコピー|DeNA
- 会社の雰囲気がわかる顔写真|マクロミル
ターゲットに合わせたデザイン|講談社
イラストとコピーで親しみやすさが伝わるデザインのサイトです。
ターゲットである出版社志望者の「ワクワクを作りたい」「多様な物語を世に出したい」という想いを表すようなデザインとなっており、他にないデザインで差別化もされています。
目を惹くキャッチコピー|DeNA
【「面白がり」、求む。】という印象的なキャッチコピーが目を惹くDeNAの採用サイトです。コピー1つで求める人物像を明確にでき、会社の雰囲気も伝わるトップページになっています。
会社の雰囲気がわかる|マクロミル
「英語で手書き風のメッセージ」と「働く人の様子」がトップページになっており、「スタイリッシュさ」「充実さ」など会社の雰囲気が伝わります。
近年では、「会社の雰囲気を重視したい」「一緒に働く人が重要」と考えている求職者も多いため、雰囲気が伝わる写真を利用したデザインは魅力的です。
【トレンドに頼らない】採用サイトのデザインを決めるポイント
- ターゲットに合ったデザインにする
- 会社の雰囲気が伝わる写真を使う
- 自社のブランドイメージに合わせる
- 独自のコンテンツを充実させる
- 分かりやすい場所に応募ボタンを設置する
- スマホにも対応する
採用サイトのデザインを決める際は、どのような点に注目すれば良いでしょうか。
ここでは、応募者が集まりやすい採用サイトにおけるデザインの特徴について説明します。
ターゲットに合ったデザインにする
採用サイトを作成する前に、どのような人に応募してもらいたいのか、ターゲット像を決めましょう。
なるべく具体的な人物像となるよう、ペルソナを設計するのがベストです。
そうすることで、採用サイトの制作担当者によって異なるイメージを持ってしまい、方向性がブレることを防げます。
また、コンテンツを制作する際にもこのターゲット像が活きることになるでしょう。
具体的なターゲット像を決めたら、そのユーザーが好むデザインというのを一つの軸として採用サイトのデザインを設計していきます。
会社の雰囲気が伝わる写真を使う
求職者が実際に自分が働くイメージを持ってもらうためには、やはり写真を多く使うのが良いでしょう。
会社の外観を写した画像くらいしか載っていない採用サイトより、活躍する社員の顔や社内で働く雰囲気が伝わるような写真が豊富に掲載されている採用サイトの方が、求職者がより自身の働く姿を想像しやすくなります。
写真の素材が無い場合は、これを機に撮影の機会を設けるのもおすすめです。
自社のブランドイメージに合わせる
先にターゲットに合わせたデザインにすることが大切だと説明しましたが、自社のブランドイメージにも合うデザインになっているかもチェックするべきポイントです。
例えば業界での歴史も長い老舗企業が、新卒採用において学生がターゲットだからと20代前半が好むデザインにすることを最優先にしてしまうと、自社のブランドイメージとミスマッチが起こることもあるでしょう。
自社のブランドイメージを損なわず、ターゲットにも合わせるというバランスを保持することが大切です。
独自のコンテンツを充実させる
競合他社との差別化を図るためには、独自のコンテンツを充実させることが大切です。
独自性が高いコンテンツの例としては、オフィス紹介や実際に働く社員が登場するインタビューや対談形式のコンテンツなどが挙げられます。
自社の魅力が十分に伝わるよう、さまざまな切り口からコンテンツを増やしていくのがおすすめです。
分かりやすい場所に応募ボタンを設置する
応募ボタンがどこにあるのか迷うようなサイト設計は、応募者獲得のチャンスを逃すことになりかねません。
採用サイトにおいて最大の目的が「求職者からの応募」なのですから、応募ボタンの位置やデザインは分かりやすいものにしましょう。
単に見栄えが良いというだけでなく、実際に応募ボタンをクリックするというアクションを起こしやすいデザインにすることが大切です。
スクロールをしても応募ボタンが見えるようページ下部に固定するなど、ユーザーがわざわざ応募ボタンを探す必要がない親切なデザイン設計にするのも良いでしょう。
スマホにも対応する
採用サイトは制作を行うのはPC上ですが、実際に見にくるユーザーはスマホの方が多いかもしれません。
最近はスマホで何でもできるため、PCを持っていない人も多いでしょう。
そのため、PCだけでなくスマホやタブレットなど、どのようなデバイスでも見やすいレスポンシブデザインにすることも、採用サイトにおいて重要です。
実際、PCでは綺麗に表示されているものの、スマホで見たら文字が小さすぎていちいち拡大しないと読めない、応募ボタンをタップしたくても別のリンクを触ってしまうなど、異なる媒体からアクセスしたら使いにくくなってしまうというケースは少なくありません。
採用サイトを制作する際は、他のデバイスからも見やすいか必ずチェックするようにしましょう。
応募が来ない採用サイトのデザインの特徴
- 写真がほとんど無い
- 情報量が少ない
- 企業サイトが更新されていない
- SEO対策ができていない
- 競合他社より待遇が劣っている
- 求職者に求める条件が高すぎる
せっかく採用サイトを作っても、結局応募が集まらないのでは意味がありません。
応募が来ない採用サイトは、デザインやそれ以外にも問題を抱えている可能性があります。
ここでは、さまざまな視点から応募が来ない採用サイトの特徴を紹介していきましょう。
写真がほとんど無い
写真がほとんど無く、文字だけで構成されている採用サイトは応募が集まりにくくなっている可能性があります。
文章だけでは求職者が企業で働く具体的なイメージが湧きにくいですし、文字ばかりが続くとそもそも読む気を失って、早期にWebサイトから離れてしまうこともあるからです。
また、画質の悪い写真や比率がおかしくなっている画像を使うことも、ユーザーに不親切ですしネガティブなイメージにも繋がりやすいでしょう。
採用サイトを制作する際は、プロに依頼して会社のブランドイメージが伝わりやすい綺麗な写真を用意することが大切です。
情報量が少ない
最低限の求人情報しか載っていないなど、情報量が少ない採用サイトも、求職者が応募しようという気持ちにはなりにくいでしょう。
特に業務内容や社内の雰囲気などの情報が少ない状態では、もし応募が来たとしても入社後にギャップを感じ、早々に職場を離れてしまうことも考えられます。
また、採用サイトはただ応募機能が付いていれば良いという訳ではなく、応募する意欲を沸かせる目的を持って運用することが大切です。
改めて、自社の採用サイトには、求職者が応募に至るために必要な情報が不足なく掲載されているか見直してみましょう
企業サイトが更新されていない
求職者は採用サイトのみを見てすぐに応募するのではなく、企業のコーポレートサイトや提供しているサービスの公式サイトなど、さまざまな情報をチェックしています。
採用サイトに力を入れても、企業が運営する他のWebサイトの情報が全く更新されていない状態だと、時代遅れな印象も与えかねません。
企業で運営する全てのWebサイトに力を入れるまでは難しくとも、あまりに古い状態のまま放置されていないかは再度確認した方が良いでしょう。
SEO対策ができていない
そもそも採用サイトへのアクセスが全く無いという場合、SEO対策不足が考えられます。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語で検索エンジン最適化という意味です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索された際、検索結果でWebサイトを上位に表示させるための施策で、対策が不十分だとユーザーにWebサイトを見つけてもらえなくなってしまいます。
採用サイトの検索順位を確認し、改善できるポイントを見つけて求職者の目に止まりやすくなるよう対策しましょう。
特に、自社の社名などの指名キーワードでの検索順位が明らかに低い場合は、Googleからペナルティを受けているなどWebサイト自体に大きな問題を抱えている可能性が高く、改善が急務となります。
競合他社より待遇が劣っている
採用サイトのデザインなどに大きな問題がなく、アクセス数もあるのに応募が少ない場合、求人情報自体に問題を抱えている可能性があります。
給与や福利厚生などの待遇を同じ業界の競合他社と見比べ、明らかに劣っていることがあれば待遇を改善するよう社内で調整することも必要になるでしょう。
同じ業務内容なのに待遇が他社より悪いとなると、既存社員が離脱する要因にもなるため、応募者の獲得という点でなくても人事として見直した方が良いポイントの一つとなります。
求職者に求める条件が高すぎる
採用サイトに記載されている応募条件が高すぎて、そもそも応募できる求職者の母数が限られてしまっている状態も考えられます。
内容によっては、本来であれば自社の希望とマッチングする人材からも、ハードルが高いからと応募を懸念されてしまうかもしれません。
せっかくお金をかけて求人募集をするのだから良い人材が欲しいと思うのは当然のことですが、求人情報に掲載されている内容は本当に必要なスキルや経験なのか、改めて見直してみることも大切です。
また、求める条件と待遇が釣り合っていなければ、その分競合に応募が流れてしまう確率は高くなるでしょう。
待遇と求める条件のバランスが悪い場合も、掲載情報の内容を再検討する必要があります。