人材業界と聞いて、人材派遣や人材コンサルタントなどを思い浮かべる人も多いと思いますが、それだけではなく人材業界にもさまざまな種類があります。
この記事では、人材業界に関わっている人や、転職などで関わることになる人に向けて、人材業界の現状とこれからを紹介していきます。
人材とは
では、まず「人材」とは何なのかを解説していきます。
人材と人財の違い
「じんざい」と聞くと思い浮かべるのは「人材」と「人財」ではないでしょうか?
「人材」という字の「材」には「役に立つ才能・素養」という意味があります。
つまり、人材とは「会社の役に立つ能力を持つ人」「これから会社に貢献してくれる人」などの意味があります。
そして「人財」には、「企業の財産になる人」「企業にとって有益な従業員」という意味があります。
総じて言うと2つは同じ意味なのです。
あえて違いを明確にするならば、「人財」という言い方は経営者や企業の幹部などが、従業員を大切に思う姿勢を表して使うことが多い傾向があります。
人材業界の特徴
人材業界が行っていることは「人と企業を繋ぐ」ことです。
企業は常に労働力である人材を探しており、また求職者もより良い職場を探しています。しかし採用活動が上手くいっていない企業も多く、求職者を探すことに苦戦しているケースも多いです。
求職者側も企業とのミスマッチが多く、自身の働きやすい職場が見つけられずに転職を繰り返す人が多いのが現状です。
企業と求職者を引き合わせて、お互いのミスマッチをなくすのが人材業界が存在する本質です。
ただ人を企業に紹介するだけではなく、お互いの利害関係が一致するようにマッチングさせ、人・企業が満足できるような状態を作りだすことが現在も今後も人材業界に求められることです。
人材業界の種類
人材業界が提供するサービスにはさまざまな形態がありますが、今回は大きく分けて4つの職種を紹介します。
- 人材紹介
- 人材派遣
- 求人広告
- 人材コンサルタント
人材紹介
人材紹介とは、成功報酬型の採用サービスのことです。
人材紹介業者の仲介によって企業と求職者のマッチングを行い、採用後に紹介料として報酬を受け取るサービス形態です。
人材紹介業の大きなメリットは、採用の可能性が高い応募者とだけ面接ができるため、効率的に採用活動を進めることが可能な点です。
さらに企業によっては面接代行や日程調整、採用連絡まで請け負うこともあります。
人材派遣
人材派遣とは、派遣会社が雇用している社員を企業に派遣して、その派遣先で業務を行ってもらう仕組みのことです。
また、社員が直接雇用契約を結ぶのは派遣会社であり、実際の業務に関する指揮命令権は派遣先になります。
その際に派遣先と直接的な雇用契約は結びませんので、福利厚生や給料の支払いなどは雇用契約を結んでいる派遣会社が行うことになります。
求人広告
求人広告業とは、就職サイトや転職サイト、求人誌の運営会社のことを指します。
人材を採用したい企業に、自社で運営している求人媒体を通して採用活動を行ってもらい、その掲載料金でサービスを行っています。
求人広告は人材紹介とは違って成功報酬ではないので、応募や採用の有無に関係なく掲載費用がかかります。
また、求職者に直接アプローチするのは企業であるため、応募から採用までは企業ごとで行うことになります。
人材コンサルタント
人材コンサルタントとは、企業の人事制度や人事評価制度などを設計するコンサルティング業です。
企業から依頼された人材コンサルタントが、人材や組織についてアドバイスを行い、企業の採用活動や人事業務のサポートをします。
人材コンサルタントは、外部からサポートするだけでなく、実際に現場で指揮をとりながら人事の問題の改善に取り組むこともあります。
採用・求人でお困りの方はこちら!初期費用・ランニングコスト0円!求職者と面接が決まるまで課金はなし!
人材業界に向いている人
では。ここから人材業界に向いている人はどんな人なのかを解説していきます。
- 人と関わることが好きな人
- コミュニケーションスキルが高い人
- 理解力が高い人
人材業界に向いている人①人と関わることが好きな人
まず1つ目は、人に関わることが好きな人です。
人材業界は、関わる人に大きな影響を与えうる仕事です。
求職者が「どんな仕事がしたいのか?」「どんなことを望んでいるのか?」、あるいは企業は「どういった人材が欲しいのか?」を常に考えながら日々業務を行う必要があります。
その中で、人の人生に関わることに喜びを感じられる人でなければいけません。
人と関わる中で喜びを感じ、1人ひとりの人生の成功に共感できる人であれば、人材業界に向いていると言えるでしょう。
人材業界に向いている人②コミュニケーションスキルが高い人
2つ目はコミュニケーションスキルが高い人です。
人材業界は常に人とコミュニケーションを取りながら行う業務がほとんどのため、あまりコミュニケーションに自信がない人は向いていないと言えます。
逆に人と話すことや意思の疎通を行うことで仕事のやりがいを感じ、コミュニケーションを取ることに前向きであるならば、業界未経験であっても今後優秀な人材業者の人間になる可能性は高いです。
人材業界に向いている人③理解力が高い人
3つ目は理解力が高い人です。
人材業界は人を扱う仕事のため、さまざまな人と関わります。求職者や企業などとコミュニケーションする場面において、必要なことを瞬時で理解し、相手に伝える必要があります。
理解力はどんな職種にも必要ですが、特に人と接することが多い人材業界では大切なことです。
採用・求人でお困りの方はこちら!初期費用・ランニングコスト0円!求職者と面接が決まるまで課金はなし!
人材業界に向いていない人
逆に人材業界に向いていない人を解説します。
- 1人での仕事が好きな人
- 継続力がない人
- 人に興味がない人
人材業界に向いていない人①1人での仕事が好きな人
1つ目は1人での仕事が好きな人です。
人材業界は人と関わることがメインの業務です。そのため、多くの人と関わることがあまり得意でない人は、人材業界に向いているとはいえません。
淡々と仕事に取り組みイレギュラーなことを拒む人は、人材業界ではない方が実力を発揮できる可能性が高いでしょう。
人材業界に向いていない人②継続力がない人
2つ目は継続力がない人です。
人材業界の業務は常に予想だにしないことだらけです。
いくら高度に計算を行っても、人は自分の予測と違う行動をすることもあるためです。
人材業界は人の動きをコントロールし、敏感にその動きを察知しながら対応することが求められます。そのため、どんな事象にも臨機応変かつ柔軟に業務を行わなければいけません。
その際に途中で辞めてしまわずに、継続し続けることでより良い解決に近づきます。
人材業界に向いていない人③人に興味がない人
3つ目は人に興味がない人です。
上記でも解説した通り、人材業界は常に人に関わる仕事です。
そもそも人に興味がない人が行っていても、仕事にやりがいを感じられないでしょう。
人材業界に携わるのであれば、人への興味がないと成果を出すことは難しいでしょう。
採用・求人でお困りの方はこちら!初期費用・ランニングコスト0円!求職者と面接が決まるまで課金はなし!
人材業界がブラック、やめとけと言われる理由
ここからは人材業界の今後について、やりがいと課題も交えながら解説していきます。
人材業界の課題
現在の人材業界の課題として最も多く語られているのが、「雇用形態の変化」です。
労働人口が減り、終身雇用が崩壊へと向かっている今では、正社員での雇用が徐々に減り続けています。
さらに60歳以上の高齢者の雇用問題やグローバル人材の供給過多の問題などもあります。
今、日本の雇用形態の変化に伴って人材業界の大きな変化の中にいます。
その変化の中で企業がどこに向かうのかは目下の大きな課題です。
人材業界の過酷さとやりがい
人材業界でよく言われるのが、「人材業界はブラックである」ということです。
これは主に、以下の理由が考えられます。
- 参入障壁が低いため
- 業務内容が単純なため
- 営業先が多いため
- 求職者と企業の板挟みになるため
などが主な理由です。人と企業の間に立ち、人を右から左に流すという単純な作業がほとんどのため、許可さえ取れれば誰でもできてしまう業界だからこそ、業務が激化しやすいという背景があります。
そのため世間では「ブラックな業界」として知られてしまっているのでしょう。
ですが、全てがそのようなブラックな体質の企業だけでなく、健全な運営を行っている企業も多くあります。
さらに、その中でやりがいを感じて日々業務にあたっている人も多いので、人と関わることが好きな人であればおすすめの業界です。
人材業界の未来
人材業界はコロナの影響や経済不安からの不況などで、今後も危機的な状況が続くと思われます。
労働人口が減少している日本では、企業は業務の自動化やAIを活用して、いかに人に頼らず業務を効率化するかが重要になってきています。
自動化やAIを活用は、経済的には良い傾向と言えます。しかし、人材業界はこれに伴って変化が求められるようになりました。今までは、人を集めれば成り立っていたビジネスが、今では優秀な人材をどれだけ集められるかによって左右されます。
つまり、より健全で集客力のある企業しか生き残ることはできなくなります。
このことから、人材業界の未来はさらに激動の時代へと入ることが予想されます。
採用・求人でお困りの方はこちら!初期費用・ランニングコスト0円!求職者と面接が決まるまで課金はなし!
人材業界ランキング
では、ここからは人材業界でも特にポピュラーな業種である「人材派遣」の業績をランキングで紹介します。
売上(億円) | 経常利益(億円) | 利益率(%) | |
---|---|---|---|
1位 | リクルートHD(11,848) | リクルートHD(1,685) | MS-Japan(30,3) |
2位 | パーソルHD(9,504) | パーソルHD(291) | ラクス(19.0) |
3位 | アウトソーシング(3,667) | マイナビ(231) | エス・エム・エス(13,4) |
4位 | パソナグループ(3,345) | パソナグループ(203) | ギークス(13,2) |
5位 | テクノプロ・HD(1,613) | テクノプロHD(194) | アイロムグル―プ(10,1) |
まとめ:人材業界はやめとけとは言えない
ここまで人材業界の特徴や向いている人、向いていない人などを解説しました。
今後、転職や就職を考えられている方はぜひ参考にしてみて下さい。