「人材育成」に答えはありません。
企業が成長するためには、優秀な人材は必ず必要になります。
ですが、簡単にそんな人材を獲得できる訳もありません。
そのため、日々どうやって優秀な人材を育成するのかを課題に感じている経営者、人事担当者も多いでしょう。
この記事ではそんな悩みを持ちながら、なかなか人材育成が上手くいかない方に向けて育成方法や重要ポイント、課題も合わせて紹介していきます。
人材育成の課題
企業にとって人材の育成は急務であり、避けられない課題です。
ですが、ほとんどの企業が取り組んでは失敗しています。
まずは人材育成の課題、目的を明確化しましょう。
人材育成の目的
なぜ企業は人材の育成に注力し、熱心に取り組むのでしょうか?
それは「人材の確保」のためです。
企業が利益を生み出すには優秀な人材が必ず必要です。
そんな優秀な人材を外部から取り入れることができれば良いですが、コストが高くなってしまったり、採用に時間がかかったりとリスクが大きいです。
しかし自社で育成を行った人材であれば、会社に合わないことやコストが増えるなどのリスクがありません。
つまり、人材育成の目的は優秀な人材の確保です。
人材育成の課題
次に人材育成の課題を解説します。
企業ごとに課題の有無や内容は変わってくるかと思いますが、共通である課題が「育成方法」です。
育成方法は業態や業種によっても違いますし、人によっても違う場合があります。
そのため多くの企業が、育成プログラムを自社で作成したり、外部に委託したりなどの課題解決を進めています。
人材育成の目的
人材育成にゴールはありません。
完璧な育成や、育成を終了するなんてことはありませんし、どんな役職になってもシニア世代になっても育成は行い続けなければいけません。それは、どんな人もまだ伸びしろがあるからです。
人材育成にゴールはありませんが、目的はあります。
それは企業によってさまざまですが、共通して言えるのが「会社の利益に貢献できている」状態まで育てることです。企業に利益を生み出すことができる人材をいかに早く作り上げるかが、全ての企業共通の人材育成の目的でしょう。
人材育成の考え方と方法
ここからは人材育成の考え方と方法を解説します。
育成をされる人の役職によって方法も変わってきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
未経験を育成するケース
まずは業種、職種未経験の人を育成するケースです。
未経験の人は根本的な仕事の流れが分かっていないことが多く、今行っている仕事が今後どのように次に工程にいくのか?どういった流れでここまで来たのか?を把握できていません。
そのため現在行っている仕事の本質を分かっていないので、完成度も低くなってしまいます。
こういった人は、まず仕事の全体像を理解させることが良いでしょう。
会社全体の流れを掴み、自分が行っている業務はなぜ必要なのかを理解することで、本質が分かり始めてきます。そうすると自然と仕事に対するマインドも変化し、熱意も出てくるでしょう。
非正規雇用者を育成するケース
非正規雇用者の育成方法は、完全にシステム化することが良いでしょう。
非正規雇用者やパートの人は入れ替わりが非常に激しく、育成したとしてもすぐに離職することが頻繁に起こります。
できるだけ育成に時間はかけず、いかにすぐ仕事を覚えさせるかが大切なこととなります。
非正規雇用者・パートの育成方法をシステム化することで育成方法を簡略化し、効率よく育成が行えます。
管理職を育成するケース
人材育成の中で最も難易度が高いのが、管理職を育成することです。
管理職を育成するまでには長い時間がかかり、さらに高度な育成方法が必要になります。
管理職を育成する方法は、責任範囲を広げることです。
管理職になると管理する範囲が大きくなり、それに伴って責任も広がります。
そのため、いきなり高い役職を付けるとその責任の重さに対応できずに、失敗してしまいます。
少しずつ責任範囲を広げていき、管理能力を高めながら育成することが管理職を育てる方法です。
人材育成に必要なスキル
人材育成を行う際は、育成する側もスキルが必要です。
最低でもあるべき3つのスキルを解説します。
人材育成を行う際に必要なスキル
①マネジメントスキル
②コミュニケーションスキル
③目的設定スキル
④リーダーシップ
⑤マーケティングスキル
人材育成に必要なスキル①マネジメントスキル
1つ目はマネジメントスキルです。
人材育成をする際は、常に細かいフィードバックや報連相が欠かせません。
何を考えているのか?どんな行動をしているのか?何を覚えたのか?などを管理していく必要があります。
それが1人ではなく複数人になると、さらに高いマネジメントスキルが求められます。
今後、自身が人材を育成する立場になるのであれば、マネジメントスキルは必須のスキルとなります。
人材育成に必要なスキル②コミュニケーションスキル
2つ目はコミュニケーションスキルです。
部下を育成する場合、その伝え方や受け取り方が非常に重要になってきます。
また部下が、今どんなことを考えているのかを瞬時に感じ取り、その答えを先回りして導くことが求められます。
その際に部下に上手く伝えることができ、あくまで自分で答えを出させることが人材育成を行う際に必要になります。
人材育成に必要なスキル③目的設定スキル
3つ目は目的設定スキルです。
部下を育成する際にモチベーションは大切になってきます。
なぜなら、どんなに上手く育成しても失敗はつきものだからです。その際に上手くリカバリーさせられるかが重要です。
そこで大事になるのが目的設定スキルです。
部下が失敗や挫折をしても、変わらず走り続けることができるように、適切な距離に目的を設定しなければいけません。
しかし、目的が遠すぎてもやる気を失ってしまいます。
そのため上司は近すぎず、遠すぎずの距離で、現実的でなおかつ全力で走らないと届かない目的を設定しなければいけません。
人材育成に必要なスキル④リーダーシップ
4つ目はリーダーシップです。
人材を育成する過程において、育成担当者は育成される人材のモチベーションの維持にも取り組まなければいけません。
そのためには育成担当者が優秀なリーダーでいなくてはいけません。
育成される人材が「こんな人になりたい」「この人の言うことならついていける」などと思われることで業務に対するモチベーションは大きく変わってきます。
人材育成に必要なスキル⑤マーケティングスキル
5つ目はマーケティングスキルです。
マーケティングスキルとは、その人が求めているものを考え、ニーズを満たすスキルのことです。
人材育成においても、自社が欲している人材を的確に理解し、人材の適材適所を見抜きながら育成していくことがもとめられますので、マーケティングスキルは育成においても重要だといえます
人材育成で大切な3つのポイント
では次に人材育成において大切な3つのポイントを解説していきます。
- 自律性を引き出す
- 学び・成長を可視化する
- 目的を明確化する
自律性を引き出す
1つ目は自律性を引き出すことです。
自律性というのは、文字通り「自分を律する」ことです。
つまり、上司に言われたことを言われたとおりにやるだけではなく、自分で考えて自分を管理して仕事を進めることです。
部下を育成する際によく失敗するケースは、何から何まで世話をし過ぎることです。
人材育成の目的はあくまで部下の「自律」であり、そこまでの時間をいかに早くするかの問題なので、育成というのを勘違いしてひたすら部下に並走するのはやめましょう。
学び・成長を可視化する
2つ目は部下の学び・成長を可視化してあげることです。
上司が部下のモチベーションを常に意識しながら仕事を行うことは非常に難しいです。
なぜなら、人は仕事以外のことでも簡単にモチベーションを下げるからです。
いくら仕事でモチベーションを保てたとしても、プライベートで問題が起こりモチベーションが下がるのを防ぐことはできません。
そのため、部下のモチベーション管理は普段の学びや日頃の成長で自ら行ってもらうしかありません。
そのために上司は部下の成長を定量的に表示したり、学びの知識を仕事に活かしたりすることで、育成を長期的に行っていくしかありません。
目的を明確化する
3つ目は目的を明確化することです。
大手企業ではよくあることですが、目的設定が曖昧過ぎて社員の向上心がなくなってしまうことがあります。
目的は業務を行っていく中で非常に大切です。部下のモチベーション、向上心、学習意欲などを大きく左右します。
会社で定めるのはもちろん、部や個人の目標を時期ごとに分けるなどの細かい目的を明確化することで人材育成がよりスムーズに進むでしょう。
人材育成を進める手順
では、ここからは人材育成を進める手順を解説します。
- 課題をヒアリングする
- 育成コストとリソースを確認する
- 育成計画を作成する
課題をヒアリングする
まず最初に行うことは課題をヒアリングすることです。
人材育成を行う前に、なぜ育成をしなければいけないのか?育成後はどうなっているのか?を確認し、そこから課題を洗い出しましょう。
そうすることで無駄な育成にコストやリソースを割くことを防ぐことができます。
育成コストとリソースを確認する
次に行うのが育成コストとリソースの確認です。
人材の育成にはコストやリソースがかかるので、その余力が現在の会社にあるのか?どれぐらいあるのか?を確認し、次のステップに移りましょう。
育成計画を作成する
最後は育成計画を作成することです。
人材育成を行う前に必ずしなければいけないのが育成計画を作成することです。
計画をキチンと行うことで、計画性がある制度の高い育成を行うことができます。
まとめ:人材育成で必要なスキルを目的にする
ここまで人材育成での課題やポイントを解説しましたが、最も大切なことは根本的な考え方です。
しかし、人材育成を行ったことがない方には最初から育成の考え方を持つのは困難です。
でも採用はしたい、でも手間はかけられないというお悩みをお持ちであれば、ぜひ一度「hr-hack」へご相談ください!