不動産業界と聞くと、賃貸や売買が身近に感じるかもしれません。
しかし不動産業界には様々な職種があり、数億〜数十億のお金が動くビジネスモデルになっています。高齢化社会の加速や2022年問題など、何かと話題になりがちな不動産業界について、詳しく知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、不動産業界の概要と具体的な職種や仕事内容、また今後の不動産業界の展望について解説します。不動産業界への就職・転職を検討される方は、ぜひ参考にしてください。
不動産業界の特徴について
不動産業界とは、ビルや、マンション、商業施設といった土地や建物にかかわる業種です。
施設の開発、住宅販売を手掛けるハウスメーカー、物件の売買や賃貸を仲介する仲介業者など、同じ不動産業界でも業種は様々に分かれています。
不動産業界の特徴として、取引規模が大きいという点が挙げられます。
土地や建物は数百万〜数百億以上という価格がつけられることもあり、歩合制を導入している不動産系企業は高収入であることも多いです。
ただ、実力次第で若くても高給取りになれる可能性がある一方、精神的・体力的な負担も比較的多いという特徴があります。
不動産業界の主な職種と仕事内容
次に不動産業界の主な職種について解説します。
不動産業界の業種には、不動産仲介、賃貸、売買、管理、さらには不動産投資も含まれます。
それぞれの企業によって違いはありますが、代表的な業種や職種としては5つが挙げられます。
- 営業職
- 事務職
- 管理
- 仲介(売買、賃貸)
- 投資・運用
不動産業界の職種①:営業職
不動産会社の営業職には、不動産賃貸会社、不動産売買仲介会社、不動産販売会社などが挙げられます。
不動産賃貸会社の営業は、家を借りたいと考えている人に、主に店舗営業で物件を紹介する事が主な仕事内容です。
不動産売買仲介会社の営業は、物件を売りたい人の条件と、売りたい人の条件をマッチングさせ、成約につなげます。
また不動産販売会社の営業は、保有する戸建て物件やマンションなどの物件を個人/法人に販売します。
業種により営業手法は違いますが、ヒアリング力と不動産知識が問われる職種です。
不動産業界の職種②:事務職
不動産業界の事務職は、基本的な仕事内容は他業種の事務職と変わりはありません。
しかし、不動産売買を事業としている会社の場合は、顧客情報や物件情報の入力や管理、提案書作成などの営業サポートが主な仕事です。
賃貸会社の場合は、顧客が店舗に来店するケースが多いため、来客予約や物件情報の入力、賃貸契約にまつわる書類作成などが主な仕事です。
自身の業種に関する基礎知識だけでなく、マルチタスク能力も問われる仕事です。
不動産業界の職種③:管理
不動産管理会社は、物件の管理者であるオーナーから手数料を貰い、物件管理や入居者募集、家賃の集金などを行う仕事です。
管理物件に空室が発生しないよう宣伝活動を行い、入居希望者への契約締結や家賃回収、建物が劣化しないよう定期的なリフォーム、メンテナンスを行います。業務自体は幅広く大変な面も多いですが、物件価値を高めたり、入居者の満足度を上げるための施策を考える事が多く、やりがいのある仕事です。
不動産業界の職種④:仲介(売買、賃貸)
不動産仲介業は、売買仲介と賃貸仲介によって仕事内容が変わります。
売買仲介は、物件の売り手と買い手の間に立って手続きや各種サポートを行い、賃貸仲介は賃貸物件を探している顧客に対し、ヒアリングから物件情報の案内、契約後の鍵の引き渡しまでを行う仕事です。
不動産業界の職種⑤:投資・運用
不動産投資事業会社は、マンションやオフィスビル、商業施設などの賃貸物件不動産が生み出す収益を、証券化して投資するビジネスを行っています。
小口の資金を多くの投資家から集めて不動産を購入・運用し、収益を投資家に配当しています。不動産を投資対象とする投資家のニーズに合わせた不動産物件のマーケティングを行い、運営・管理業務などを戦略的に行う仕事です。
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不動産業界に就職・転職するには?不動産業界に向いている人とは
仕事が多い分、高給取りにもなりやすい不動産業界。就活生からの人気も高い業界ですが、どのような人材が向いているのかを知っておくことで、志望動機作成など就活で有利に働きます。
不動産業界に向いている人の特徴としては
- 体力がある
- コミュニケーション能力がある
- 学習意欲が高い
という3つが挙げられます。以下にて詳しく解説していきます。
不動産業界に向いている人の特徴①:体力がある
不動産業界はどの業種もやることが多く、賃貸などの場合は繁忙期や閑散期があるため多忙になることが多いです。そのため長い労働時間に耐えられる体力や、クレームなど顧客からの厳しい意見にも対処できる精神的体力も必要になります。
特に営業職は飛び込みやテレアポなどを行う手法が多いため、体力に自信がある人は不動産業界に向いているといえるでしょう。
不動産業界に向いている人の特徴②:コミュニケーション能力がある
不動産仲介であれば売り手と買い手、賃貸であればオーナーとお客様、売買であればオーナーと法人顧客など、不動産業界はとにかく外部とのかかわりが多い業種です。
それぞれの立場の方々から、いかに最適な解決案を見つけ出せるか?顧客のニーズを引き出せるか?という意味でも、コミュニケーション能力はどの職種にも必要になります。
不動産業界に向いている人の特徴③:学習意欲が高い
不動産業界に限らず、常に知識を学ぶことは大事です。その中でも不動産は、家を買ったり引っ越しをしたりと、ライフイベントにおける重要な役割を果たします。
顧客に責任をもって物件を案内したり不動産を提案する際にも、登記・不動産ローン・不動産保険など、不動産に関するあらゆる情報を知っていることで仕事にも大いに役立ちます。
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不動産業界で活躍できる人の経歴
不動産業界では基本的に男女の優遇や学歴などの優劣もありません。
営業に関してはさらにシビアな実力社会のため、誰にでもチャンスはあります。
その中で、活躍しやすい経歴を持つ人を紹介します。
- 体育会系の部活経験
- 営業経験の有無
- 資格の有無
体育会系の部活経験
1つ目は体育会系の部活の経験です
営業の仕事は基本的に断られることや厳しいことの連続です。実力主義ということもあり、数字として成果が出ることも挫折する原因となります。
その中で、目標に対して粘り強く取り組む経験があれば、入社後も良い活躍が見込まれます。
営業経験の有無
2つ目は営業経験の有無です。
社会人時代に何らかの営業経験があれば、活躍する可能性が高いです。
経験者ということもありますが、問題や課題に対して真摯に対応することができる人材は、活躍できる可能性が高いです。
資格の有無
3つ目は資格の有無です。
不動産の有名な資格である「宅地建物取引士(宅建)」は持っていれば非常に有力な人材です。
さらに、
- ファイナンシャルプランナー
- 不動産コンサルティング技能士
- インテリアコーディネーター
などの資格があれば、不動産の案件獲得に向けて優位に運べる可能性が高くなります。
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不動産業界の今後について
不動産業界の特徴と職種について説明してきましたが、その業界の将来を知っておくことで業界研究にも役に立ちます。不動産業界の今後のキーワードでもある以下の3つについて、最後に解説していきます。
- 2022年問題
- 高齢化社会
- ブロックチェーン技術
2022年問題
2022年問題とは、1992年に行われた緑地法改正時に指定された生産緑地が、30年という期限のもと一斉に解除されてしまう問題のことです。
92年の緑地法改正から30年後である2022年に解除されてしまうことで、 都市部にある農地(生産緑地)が宅地として大量に市場に供給されるという問題です。
これにより、都市環境が悪化し周辺不動産の価値が低くなるという懸念があり、現在は先の見通しが立っていない状態にあります。
高齢化社会の加速
高齢化社会に関する問題は様々な業界でも起こっていますが、不動産業界も同様です。
現在日本の人口はピークである2004年の1億2786万人から減り続けており、特に地方の人口減少は空きや問題や土地価格の下落にもつながります。
一方、都市部は一向に多くの人が土地を探すことから価格は年々上がり、場所によって不動産価格が大幅に上下するという状態になります。
ブロックチェーン技術の活用
メタバースやWeb3.0などの新しい技術が次々と開発される中で、不動産業界にはブロックチェーン技術の活用が注目され始めています。
ブロックチェーンによる高度な情報管理技術が導入されることで、煩雑になりがちな不動産の契約プロセスをアプリで完結できるなど、これまでの手間を減らし効率的な業務が可能になります。
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不動産業界の魅力
ここからは不動産業界で働くことの魅力を紹介します。
- 大きなお金を動かせる
- 人の人生に大きく関われる
- 資格や年齢などの制限が少ない
大きなお金を動かせる
1つ目の魅力は大きなお金を動かせることです。
家を買う行為は人生で最も大きな買い物になる場合がほとんどです。
そのため自分の力で大きなお金が動き、それに伴って成果も大きくなることは不動産業界の魅力の1つです。
人の人生に大きく関われる
2つ目は人の人生に大きく関わることができることです。
家やマンションの購入は人生にとって大きな決断になります。
ここまで人の人生に大きく関わる仕事はないので、この点は大きな魅力になるでしょう。
資格や年齢などの制限が少ない
3つ目は資格や年齢などの制限が少ないことです。
不動産の資格として「宅地建物取引士」いわゆる「宅建」がありますが、必ずしも必要というわけではありません。
特に営業であれば持っていない人も多いです。
さらに事務や営業は経験の有無や年齢もそこまで考慮されることはありませんので、どんな人でも挑戦できること魅力の1つです。
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まとめ:不動産業界の特徴と向いている人について
不動産業界には業種や職種が幅広く、関わる人や企業も多い業界です。若くして高給取りに慣れる可能性が高い反面、体力的・精神的ストレスもかかりやすい業界でもあります。不動産業界への就職や転職を検討されている方は、ぜひ本記事を参考に就職活動に備えてみてください。
また多くの仕事がある不動産業界は、人材採用の需要も高い傾向にあります。しかし不動産業界の人事担当者の方々は、その多くが本業と並行しながら採用活動を行っていることが多いです。