DX推進やAIなどのデジタル技術が進歩していく中で、日本は将来的にデジタル人材が不足するといわれています。
今後、デジタル人材の雇用を検討したり、育成しようと考えている企業は多いでしょう。年々デジタル人材の雇用は難しくなっており、人材の獲得に苦労している企業も増えています。
デジタル人材というとエンジニアなどの技術職のイメージが強いかもしれませんが、DXを推進するのに必要なスキルは多岐にわたります。
DX推進のために必須なデジタル人材とは?
デジタル人材としてイメージするのは、エンジニアやデータサイエンティストといった職種をイメージするかもしれません。しかし、DXを推進するのは必ずしもエンジニアといった技術職だけではありません。ビジネス・サービスを設計するスキルを持つ人材もまたデジタル人材です。
具体的には、最先端テクノロジーであるAI・IoT・RPAなどを駆使して、組織の成長を促進するデジタル人材を獲得したいと考える企業は多いのではないでしょうか。ここでは、デジタル人材について詳しく解説していきます。
- デジタル人材に求められるスキル
- デジタル人材の採用市場
デジタル人材に求められるスキルとは
デジタル人材に求められるスキルは、最先端のデジタル技術の知識があって、それを活用できることです。
最先端のデジタル技術として対象となるのは次の内容です。
- AI
- IoT
- 生体認証
- クラウド
- 5G
- ビッグデータ
これらのデジタル技術を実行・運用できる人材を、デジタル人材もしくはIT人材と位置づけています。またこれ以外にも、デジタル技術を活用する仕事は数多く存在します。例えば、デザイン・データ関連・アプリケーション・プロジェクト管理などがあります。
こののように、デジタルの分野は多種多様なジャンルに分かれます。
なおSalesforsceによると、今後5年間、ビジネスで必要とされる最も重要なデジタルスキルとして、「グローバル・デジタルスキル・インデックス2022」で次のように発表しています。
1. 暗号化&サイバーセキュリティスキル
不正アクセスからデータを保護するためのスキル
2. コラボレーションスキル
コミュニケーションを加速するツールを活用したスキル
3. データサイエンス・データベース管理と分析スキル
統計学、データモデリングなどを含めたデータ収集、データ処理、データベース管理と分析したスキル
4. プロジェクト管理スキル
管理ソフトウェアによる製品の主要なカスタマーサクセスの工数設定や指標を追跡管理するスキル
引用:Salesforce、「グローバル・デジタルスキル・インデックス2022」を発表
先に述べたデジタル技術以外にも、コラボレーションスキルや、プロジェクト管理スキルもデジタルスキルとして重要だといわれています。
DX推進やデジタルを活用し、企業の課題を解決し成長していくためには、デジタルスキルを持つ人材の確保が不可欠です。
では、デジタル人材の採用市場はどのようになっているのでしょうか。
デジタル人材の採用市場
デジタル人材は今後も不足するといわれており、競争率や希少価値がとても高く、獲得競争が過熱しています。
経済産業省が平成31年4月に行った「IT人材需給に関する調査(概要)」によると、デジタル人材はすでに不足しており、2030年までに最大79万人が不足するという試算もあります。
デジタル人材の採用市場は求職者1名に対して求人数が複数あり、人数の少ないデジタル人材を、企業が採り合いをするような状況です。
それぞれの産業分野でDX化・業務効率化は急務のため、デジタル人材の獲得競争はさらに広がりを見せると予想されます。
独立行政法人 IPA 情報処理推進機構が実施した、「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方」に関する調査では、デジタル人材を仕事内容ごとに分類してデジタル人材の不足の度合いを示しています。
これを見ると、ビジネスの実現性を主導するプロデューサーや、ビジネスの企画を立てて実行し推進していくビジネスデザイナーといった職種が、不足している結果となっています。
プロジェクトを管理して遂行するビジネススキルを持った、デジタル人材の育成が急務といえます。
デジタル人材の採用は複数のアプローチが必要
デジタル人材が不足し獲得競争が広がっているので、採用手法はひとつではなく複数活用して攻めの採用を行う必要があります。
転職希望やキャリアアップを希望する優秀なデジタル人材は、自ら転職活動をせずとも、企業からヘッドハンティングされます。求人票や求人広告を出して応募者を募るような採用方法では、優秀なデジタル人材は確保できず、競合他社に採用されてしまうかもしれません。
デジタル人材を確実に獲得するためには、自社の採用システムを変更し、個別でアプローチする必要があります。
また、デジタル人材は常に新しい最先端の技術を学んでいるため向上心が高く、斬新な採用手法を好む傾向があります。そのため、既存の採用を踏襲するのではなく、常に新しい採用方法を試していきましょう。
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採用したデジタル人材を育成するには
採用に成功したデジタル人材は、ほかの企業も採用したい優秀な人材です。人材の流出を防ぐためにも、育成の取り組みが欠かせません。
そもそもデジタル人材は、最先端のデジタル技術を学ぼうとする学習意欲の高い人材が多いです。そのため、会社で働きながらスキルアップも臨めるスタイルが理想です。デジタル人材を育成するには次のような方法があります。
- OJTを実施してスキルアップを図る
- 教育や研修の機会を提供する
- 学習環境を整えて資格取得をサポートする
OJTを実施してスキルアップを図る
高い向上心を持っているデジタル人材は、任される実務に責任が伴ってくることで、自発的にスキルアップを図ります。
デジタル人材の育成には、常に成長しキャリアアップできるような機会を提供することが大切です。成長する機会を提供し、責任ある立場を任せていくことで、スキルアップのスピードは上がっていきます。
教育や研修の機会を提供する
デジタル人材は入社時から専門的なスキルを持っている人が多いので、講師として活用し社内研修を行うのも有効です。
また、外部から講師を招いてデジタル人材が最新知識が得られる環境を整えるのも効果的です。
学習環境を整えて資格取得をサポートする
デジタル人材はもともと自立して学習できるため、採用した際は学習環境の整備にも取り組みましょう。オンライン研修サービスの受講を推奨しながら、資格取得を推奨しサポートするのも大切です。
取得した資格に対しては、資格手当を付与するなどの待遇面の充実が叶うと理想的です。
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IT人材とデジタル人材の違い
デジタル人材の同じような言葉でIT人材という言葉があります。
それぞれの意味や違いを解説します。
IT人材とは
IT人材とは、経済産業省が公開した「IT人材の需給に関する調査」で、主に情報サービス業、インターネ ット付随サービス業及び、ユーザ ー企業(ITを活用する一般企業)の情報システム部門等に属する人を「IT人材」としています。
デジタル人材とは
デジタル人材とは、最先端のデジタル技術を活用できる人材のことです。
時代によって最先端のデジタル技術は変化していきますが、現在「IoT」「AI」「生体認証」「クラウド」「5G」「ビッグデータ」といった技術が対象です。
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まとめ:デジタル人材を採用する方法とは?
DX推進のために必要なデジタル人材は不足しており、企業が人材を確保するのに苦労していることが分かりました。
デジタル人材は最先端のデジタル技術の知識を習得しているだけでなく、ビジネスの課題を解決するプロデューサーや、企画を立案し遂行していく役割も担っています。