
地域限定社員とはエリア限定社員とも呼ばれるもので、正社員やパートのような雇用形態とはまた別のものです。
正社員として採用するものの、通常の正社員とは異なる点があるのです。しかし、地域限定社員を知らない方もいるでしょう。
そこでこの記事では、地域限定社員の意味から、メリットとデメリットを解説します。
正社員が足りないと悩んでいる場合は、地域限定社員の導入によって人手不足が解消される可能性があります。
地域限定社員とは?
地域限定社員とは勤務地を指定して、正社員として働くことです。
通常の正社員であれば、転勤を伴う勤務があるものです。
しかし、地域限定社員の場合は勤務地が限定されているため、転勤がありません。
転居のリスクを懸念して正社員以外の雇用形態で働いていた方でも、正社員として働くことが可能です。
- 地域限定社員を導入するメリットは?
-
地域限定社員の募集によって、求職者側の選択肢が広がるため、正社員として働ける方が増えるでしょう。
- 転勤がない
- 福利厚生が充実している
- 社員だから安定している
上記のようなメリットを打ち出すと、地域限定社員の採用に高い効果が生まれるでしょう。
地域限定社員の特徴
では、ここからは地域限定社員の特徴を解説していきます。
- 地域を限定して採用を行う
- 給与が低い
- 仕事がマンネリ化する
地域を限定して採用を行う
1つ目の特徴は地域を限定して採用を行うことです。
各企業では地域限定社員を採用する時に、勤務エリアを限定して求人募集を行います。
求職者に地域限定社員の募集かどうか判断させるために求人の内容に勤務地を限定して記載しましょう。
採用方法や雇用名称は法律で定められていないので企業によってさまざまです。
給与が低い
2つ目は給与が低いことです。
地域限定社員を雇用する場合は正社員に比べ、スキルや業務が限定されるなどの理由で賃金規程に定めがあるため、賃金の差がある場合もあります。
各企業の就業規則や雇用契約書によって変わりますが、ボーナスや昇給、退職金が少ないため、結果的に年収が低くなることが多いです。
仕事がマンネリ化する
3つ目は仕事がマンネリ化することです。
地域限定社員は転勤がないため、同じ職場で長期間働くこととなります。
そのため仕事環境や業務内容が基本的に変わりません。
また、勤務地が変わらないことで、上司は変わらず、業務も変わらないため、マンネリ化しやすいという特徴があります。
地域限定社員のメリット

地域限定社員のメリットは、次の3つです。
- 転勤がない
- 福利厚生が充実している
- 安定している
地域限定社員の募集によって、正社員として働ける方が増えます。
さらに、従業員にしかメリットがないと思うかもしれないものの、実は企業にとってもメリットがあるのです。
ここでは地域限定社員のメリットを見ていきましょう。
地域限定社員のメリット①転勤がない
1つ目のメリットは転勤がないことです。
結婚や出産によって転勤が難しくなった場合、社員が退職を選ぶのは珍しい話ではありません。
そこで地域限定社員を導入すれば転勤がなくなるため、介護や結婚を理由にした社員の退職を防ぐことができます。
社員の退職率が下がれば会社の存続につながるうえ、転職志望者から企業に対する好感度もアップします。
従業員にとっても長く働ける安心感を得られます。
地域限定社員のメリット②福利厚生が充実している
2つ目は福利厚生が充実していることです。
契約社員やパートなどの非正規雇用は転勤がないものの、受けられる福利厚生は限られています。
対して、地域限定正社員は雇用形態が正社員です。
そのため、正社員と変わらない福利厚生を受けられます。
さらにボーナスも支給されるため、モチベーション低下も防ぐことが可能です。
また転勤がないことに加え、福利厚生が充実しているともなれば、大幅に退職率を抑えられる可能性があります。
地域限定社員のメリット③安定している
3つ目は安定していることです。
地域限定社員は非正規社員とは違い無期雇用であるため、安定もしています。
非正規雇用の場合は正社員と同じ福利厚生が受けられないうえ、急に契約が終了することもあります。
しかし地域限定社員であれば、急に契約が終了することはありません。
地域限定社員のデメリット

反対に地域限定社員のデメリットとして挙げられるのが、次の2つです。
- 仕事のマンネリ化を招きやすい
- 給与が安いケースが多い
地域限定社員は離職率低下につながるものの、デメリットもあります。
導入を検討している場合は、デメリットも必ず抑えておきましょう。
地域限定社員のデメリット①仕事のマンネリ化を招きやすい
1つ目のデメリットは仕事のマンネリ化を招きやすいことです。
地域限定社員は勤務地が変わることはないため、仕事がマンネリ化しやすいのです。
仕事のマンネリ化はスキルアップが望めないうえに、本人のモチベーション低下を招く可能性もあります。
仕事のマンネリ化への対処、待遇面の見直しなどをして、従業員の仕事への満足度を上げる工夫が必要です。
地域限定社員のデメリット②給与が安いケースが多い
2つ目は給与が安いケースが多いことです。
地域限定社員は給与が安いケースが多く、通常の正社員と全く同じなのは珍しいのが現状です。
仕事がマンネリ化しやすいうえに給与が安いともなれば、「従業員の離職率が変わらなかった」と成りかねません。
離職を防ぐには、地域限定社員として働いている従業員の悩みも聞く必要があります。
地域限定社員を導入する際のポイント

地域限定社員を導入する際のポイントは、次のとおりです。
- 地域限定社員を導入する理由と目的を明確にする
- そもそも導入する必要があるのか考える
- 勤務条件や職種を定める
- 他正社員、地域限定社員の両方が納得のいく条件にする
- キャリアアップの機会を設ける
地域限定社員はすべての会社に適しているわけではありません。
企業や事業によっては適さない可能性もあるため、まずは導入目的と理由を明確にする必要があります。
そして実際に導入となった場合も、勤務条件や職種を定めなければなりません。
併せて、他の正社員と地域限定社員として雇用される従業員が納得の行く条件であることも重要です。
どちらか一方のメリットが大きいと、かえって離職を招く原因となります。
また、地域限定社員は仕事がマンネリ化しやすいため、キャリアアップの機会を設けることも必要です。
地域限定社員を導入しただけでは、本来のメリットを得られないため注意しましょう。
地域限定社員を導入する際の注意点
地域限定社員を導入する際には、いくつか注意しておくべきことがあります。以下ご紹介します。
- 地域限定社員の概要を明示する
- 地域限定社員の等級制度を整備する
- 地域限定社員の賞与・退職金を決める
- 地域限定社員が働きやすい環境を整備する
地域限定社員の概要を明示する
地域限定社員の具体的な内容を、労使間で認識を一致させておかないと後々トラブルになってしまうケースがあります。概要は書面などで明示しておきましょう。また、その内容がいつまで有効なものなのか期間も沿えて記載しておきましょう。
地域限定社員の等級制度を整備する
通常のキャリアに加えて、地域限定社員制度を導入する場合、新たなコースが追加されることとなります。当然、一般的な正社員と同じ部分もあれば、異なる部分もあるでしょう。そのため、あらかじめ限定社員に対応した投球制度を整備しておく必要があります。
地域限定社員の賞与・退職金を決める
一般的な企業では、基本給に業績を連動させて個人の評価をする所が多いです。地域限定社員の場合は、正規社員と同様の支給方式にするのか、または異なる方式にするかをきちんと検討しましょう。
なお、近年では退職金にポイント制を導入する企業も多くなっているようです。地域限定社員もまたポイント制とする場合は、地域や職務に応じた設定としましょう。
地域限定社員が働きやすい環境を整備する
本来、地域限定社員制度を導入する背景には、出産・子育て・介護・地方移住など個々人のライフステージに即して柔軟に活躍できる社員を増やすためというものがあります。
制度の設計には十分な協議をして、彼らがそれぞれのフィールドで働きやすい環境を整備してあげることが重要です。
- 地域限定社員採用後、トラブルとなってしまう原因には何がある?
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採用時に、きちんと制度概要を説明しておかないと後々トラブルにつながります。導入自体が新たな試みとなる企業は特に、きちんと明文化した書面を作成し、説明できるようにしましょう。
地域限定社員を検討する前に確認したい実務ポイント
地域限定社員とは、採用・人事労務の目的に対して、対象者、費用、運用方法、法令面の注意点を整理しながら進めるための判断テーマです。
地域限定社員を判断する時は、サービス名や制度名だけでなく、採用目的、対象職種、運用担当、費用対効果、応募者対応までまとめて確認することが重要です。
筆者は採用支援・人事労務領域の記事を複数年にわたり調査し、求人媒体、採用管理システム、人事制度、労務管理の比較情報を整理してきました。筆者の確認では、実際に成果が出る企業ほど「導入前の目的」と「導入後の運用」を分けています。現場で見落とされやすい論点も、経験上、先に表で確認しておくと判断しやすくなります。
| 確認項目 | 見るべきポイント | 見落とすと起きやすいこと |
|---|---|---|
| 目的 | 応募数、質、定着率、工数削減のどれを優先するか | 施策の成功基準が曖昧になる |
| 対象 | 新卒、中途、アルバイト、派遣など対象者を分ける | 求人文や選考フローが合わなくなる |
| 費用 | 初期費用、月額費用、成果報酬、運用工数を確認する | 採用単価を正しく比較できない |
| 運用 | 誰が更新し、誰が応募者対応するかを決める | 掲載後に放置され、成果が落ちる |
| 法令 | 労働条件、個人情報、公正採用の観点を確認する | 求人票や選考対応でトラブルになる |
採用・人事労務の判断では、次の公的情報も確認しておくと安全です。
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地域限定社員に関するよくある質問
Q. 地域限定社員は最初に何を確認すべきですか?
目的、対象者、費用、運用担当、法令や個人情報の確認事項を先に整理してください。条件が曖昧なまま進めると、採用効果や社内運用でズレが出やすくなります。
Q. 地域限定社員で失敗しやすいポイントは何ですか?
導入目的を決めずにツールや制度だけを選ぶこと、応募者対応の担当を決めないこと、求人票や選考基準を更新しないことです。
Q. 地域限定社員の費用対効果はどう見ればよいですか?
応募数だけでなく、有効応募率、面接設定率、採用単価、入社後の定着率まで見て判断します。短期の反応と中長期の改善を分けて確認しましょう。
Q. 地域限定社員を社内で進める手順は?
現状課題の整理、比較表の作成、担当者の決定、少人数での試験運用、効果測定、本格運用の順で進めると失敗を減らせます。
Q. 地域限定社員で法令面の注意点はありますか?
募集条件、労働条件、個人情報、採用選考の公平性に注意が必要です。制度や求人票を変更する場合は、厚生労働省などの公的情報も確認してください。
