「生産性」という言葉をみなさんは理解しているでしょうか?そして会社を経営する上で非常に重要だということを認識しているでしょうか?
今後、人材不足になるであろう日本にとって「生産性の向上」は企業を成長させるかどうかの大きな分岐点となります。
実際に生産性が高い企業は業績を伸ばし、低い企業は下がり続けています。
それほど重要な「生産性」を今回は解説します。
生産性の意味から成功事例まで解説しますので、すぐにでも自社に当てはめてみて、行っていない施策はすぐにでも取り組んでみましょう。
生産性とは
生産性の代表的な定義は「生産性とは、生産諸要素の有効利用の度合いである」というものです。
引用:日本生産性本部
有形のものであっても無形のものであっても、何かを生産する場合には、機械設備や土地、建物、エネルギー、さらには原材料などが必要になります。
また、実際にこれらの設備を操作する人間も欠くことができません。
生産を行うために必要となるこれらのものを生産要素といいますが、生産性とはこのような生産要素を投入することによって得られる産出物(製品・サービスなどの生産物/産出)との相対的な割合のことをいいます。
生産性向上に取り組むメリット
生産性を向上させると、一体どんなメリットがあるのかを解説します。
メリットは大きく分けて3つです。
- 働き方改革が起こる
- コストの大幅な削減
- 人手不足の改善
働き方改革が起こる
生産性を高めると、自ずと従業員の負担は軽くなります。
なぜなら、本来しなければいけない業務が圧縮されるからです。その分さらに濃い内容の業務内容を行えるので、従業員の成長速度も上がります。
業務が圧縮されるので、従業員の働き方も変化します。業務時間が短くなり、柔軟な働き方を実現し、満足度が向上、さらに離職率が下がるという正のスパイラルが起こります。
コストの大幅な削減
生産性を向上させるとコストの大幅なカットが望めます。
生産性を向上させることで、従業員の業務時間も少なくなりますので、人件費も減少します。
その浮いた資金で広告や営業などの新規開拓を行い、さらなる売上向上を図りましょう。
人手不足の改善
近年、日本で問題となっている「人手不足」の最も有効な手段が生産性の向上です。
ツールや仕組化を行い、人に頼らない経営をすることで、半永久的に人手不足を解消することができます。
人手不足を解消することで、人の裁量で決まる業務に集中できる時間と環境を生み出せることも大きなメリットです。
生産性を向上する施策
では、生産性を向上させるにはどのような施策を行えば良いのかを解説します。
今回は割合の多い3つの業種を紹介します。
- 製造業
- 営業
- 事務
製造業
製造業においての生産性とは「製品を製造するためにかかった人的工数とコスト」です。この要素を最適化することで、より良い品質と利益を実現できます。
具体的には、
- ITツールの導入
- 社員研修
- 業務のシステム化
- 製造機器導入
などです。
どれも自社で行おうとするとコストもリスクも大きすぎるので、専門の業者にアウトソーシングする方法が望ましいです。
営業
上記で解説した製造業よりも、営業の生産性は結果が顕著に現れます。
それがなぜかというと、営業の生産性とは「1人の従業員がどれだけの利益を生むのか」だからです。
数字として明確に結果が出るので、施策の効果を測定しやすいことは若干、他の業種よりも取り組みやすいです。
近年で最も取り組まれている施策は、SFA(営業支援システム)とCRM(顧客管理システム)の導入です。
SFMは営業情報を管理するシステムであり、CRMは顧客の情報全てを管理するシステムのことです。
このツールを使って営業全体の見える化を図り、今まで見逃していた無駄を徹底的に削ることで営業による売上の最大化を実現しましょう。
事務
事務の生産性は非常に計測しにくいことが特徴です。
一時的に業務が効率化しても、それが施策の成果なのか、単に従業員が成長したのかが明確になりにくいです。
ですので、事務の生産性の向上施策は長期的に行うことが望ましいです。常に業務の効率化を図り、時間帯効果を高めることは企業の資産にもなります。
常に生産性の向上は取り組まななければなりませんが、1番最初に行うべき具体的な施策としては、chatツールの導入です。
現在もメールや電話でやり取りをしている企業も多いですが、先進的な企業であればあるほどコミュニケーションを簡略化している流れがあります。
電話やメールは情報の伝達内容は濃いですが、速度や効率はchatに比べるとかなり悪いです。そのため生産性を向上させるツールとしては、優秀ではないです。
国内利用者数No.1中小企業向けビジネスチャットChatwork
生産性向上のための指標について
生産性向上の施策を実行するためには、どういった方向性で改善していくかの指標決定が重要です。
ここでは、いくつかある指標をご紹介します。
- インプット縮小型
- インプット大幅縮小型
- アウトプット拡大型
- アウトプット大幅拡大型
インプット縮小型
投入するインプット(資源)を減らし、生産量といったアウトプット(成果)を維持することで、成案性向上を目指すパターンです。これを、業務効率化やコスト削減の結果の指標とします。
インプット大幅縮小型
上記のインプット縮小をさらに強力に実行する施策です。事業を俯瞰してみながら経営資源の投入を大幅に縮小し、それでもアウトプットを維持することで生産性を向上させます。これには大胆な施策も必要なため、たとえば不採算な部署の縮小や解散、事業の統廃合、リストラなども含まれます。
アウトプット拡大型
投入する資源の量は変えずに、アウトプットを増やすことで生産性を向上させる方法です。従業員のスキルアップ、業務のDX化などが考えられます。これはあくまで、労働力や労働時間は変えずに成果を上げていきます。
アウトプット大幅拡大型
成果を上げたい事業に集中的に投資を行い、アウトプットを大幅に上げ成果を出す方法です。もしも投資の増加率よりも伸び率が低い場合は、効果が上がったように見えて無駄な投資を生んでいるので注意しましょう。
生産性向上の成功事例
ではここからは生産性向上の成功した事例を紹介していきます。
自社と比較してみて、改善できる箇所は積極的に取り組んで見ましょう。
生産性向上の成功事例①従業員の教育・研修
福井県で靴のインターネット販売を行うザカモアは、作業内容のチェックリストを作成し、業務の完全マニュアル化を行いました。
約1年間を新入社員の教育期間として設けていたところが、育成を効率化することで約1週間の研修のみで戦力にできるようになりました。
生産性向上の成功事例②無駄な労働時間の削減
和歌山県で電子基板などを製造する大洋工業では、基本的に「17時以降の会議禁止」「時間は45分まで」というルールとして定めており、さらに座ることはなく「起立会議」での開催を義務付けました。
その結果、3年間で平均所定外労働時間を約10時間削減することができました。
生産性向上の成功事例③作業工程の見える化
岐阜県にある飛騨食産株式会社では、親会社である株式会社駿河屋魚一のセントラルキッチンとして調理及び製造を行っています。
この飛騨食産株式会社は生産性向上のために、徹底的な業務の見える化を図っています。
生産性向上の基礎となる業務の見える化は、今後の新人育成にも大変有効的で、製造業の管理基盤となるでしょう。
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生産性向上の3つのポイント
では、ここからは生産性を向上させるポイントを解説します。
- 無駄な業務を排除
- 作業時間の短縮化
- 社員のナレッジ共有
無駄な業務を排除
1つ目のポイントは無駄な業務を排除していくことです。
生産性を最も向上させる施策として取り組むが必要なのが、業務の無駄をなくすことです。
商品の生産やサービス提供において無駄な過程は、社員の労働力の無駄遣いになります。
そのため、まずは労働力をどうすれば最小化できるかを考えていきましょう。
作業時間の短縮化
2つ目は作業の短縮化です。
上記でも解説しましたが、生産性を向上させるには従業員をいかに働かせないかが重要です。
残業や休日出勤などは仕事をやっている満足感はあるかもしれませんが、業務の効率化とは逆の方向をに進んでしまっています。
まずは社員の仕事量をどうすれば減らすことができるかを考えましょう。
社員のナレッジ共有
3つ目は社員のナレッジの共有です。
会社の中や社員同士での情報のすり合わせや知識の共有はなされているでしょうか?
社員の一部だけが知っている知識や情報を全社員に共有することで、さらに効率の良い作業が可能になります。
- 生産性を向上させるポイントは?
-
生産性を向上させるためには、主に以下の3つを意識すると良いでしょう。
- 無駄な業務を排除
- 作業時間の短縮化
- 社員のナレッジ共有
補助金・助成金で生産性向上する
生産性向上や制度変更への対応に取り組んでいる中小企業が申請できる補助金・助成金があります。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が行っている生産性革命推進事業では、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金の4つの補助金があります。
従来の補助金からの変更点として、通年での公募となるので、しっかりと準備をした上で申請・事業実施がしましょう。
まとめ:生産性向上は成功事例を参考にする
ここまで生産性の向上の方法について解説しましたが、一概にこの施策が成功とは言えません。
ですが、他社の成功事例を参考に少しづつ始めてみましょう。