「求人募集をかけようと思っているけど書き方が分からない」
「どうすれば応募が来るんだろう」
このような悩みを抱えている担当者も多いのではないでしょうか。せっかく求人募集をかけるのであれば優秀な人材を採用したいですよね。ですが、間違えた書き方をしてしまうと自社と応募者でミスマッチが起きたり、応募が来ない可能性もあります。
そこで、この記事では求人募集の書き方のポイントや書く際の注意点、事例などを解説していきます。テンプレートも用意しているので、これから求人募集をかけようと思っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
求人広告の書き方はとても重要
求人広告を作成するとき「求人広告の内容はあまり気にしていない」という採用担当の方も案外多いのではないでしょうか?
しかし、現在は人材採用が難しく、どこの企業も人手不足となっています。
そのため、求人広告の内容を見て魅力的だと感じなければ、応募してくれる人がいません。
求人内容を適当に書いているだけでは自社で求める人材が訪れてくれる可能性は少ないので、自社の魅力がしっかりと伝わるような内容にする必要があります。
また、作成してそれで終わりではなく、求職者のトレンドは常に変化しているので、他社の求人情報などを参考にしてターゲット層の求める内容になるようにリライトすることで、より高い効果を得られる求人広告を作ることができます。
今、求人広告の内容にそこまでこだわっていないという方は、まずは求人広告の5つのポイントを参考に今の求人広告の内容を見直すところから始めてみることが必要でしょう。
魅力的な求人広告の書き方のコツ
1つずつ詳しく解説していきます。
求人広告の書き方のコツ1.職種名は業務内容が分かるように書く
職種名は簡潔に業務内容が分かることが重要です。
例えば職種名に「営業」とだけ書いていても「ルート営業」なのか、それとも「駆け込み営業」なのかでは大きく業務内容が異なります。
応募者が最初に目にする部分なので簡潔に伝わるよう心がけてください。
求人広告の書き方のコツ2.業務内容はできるだけ詳しく書く
業務内容は応募者にとって一番重要な部分なのでできるだけ詳しく書くようにしましょう。
具体的には以下の項目を盛り込むようにしましょう。
- 雇用形態
- 勤務地
- 就業時間・休日日数
- 給与・賞与・残業代
- 各種保険など
詳しく書かなければ「入社したら思ってたのと違った…」というミスマッチが起きてしまう可能性もあります。
加えて「店内が見えない飲食店は入りにくい」のと同様で、業務内容が詳しく書かれていない求人は応募を見送ってしまう傾向が強いです。
また、業務内容を詳細に記載するとともに、「社員の実例」を加えると信頼性と具体性が増します。
「入社2年目、中途採用28歳、業務内容は○○、1日の流れは△△で、休日は趣味のスポーツを楽しむ。給与・賞与は◇◇円」「入社5年目、中途採用36歳、役職は××、給与は~」のように、実例を出すと求人の魅力が増すでしょう。
この際に、専門用語を多用してしまうと逆に伝わりにくくなってしまうので一般的な表現を使うことも心掛けるといいでしょう。
求人広告の書き方のコツ3.応募要件は最小限にとどめる
応募要件は厳しく定めたいところですが、厳しすぎると応募がなくなってしまいます。
持っておいた方が良いスキルを書くのではなく、確実に欲しいスキルだけにとどめることで応募の増加につながるでしょう。
また、「こういう経験や資格があると助かるんだけどなぁ」という場合は「必須なスキル」と「あれば良いスキル」を区別するといいでしょう。
そうすることで、経験や資格が豊富な方は自信をもって応募できますし、経験が足りない方も応募しやすいので応募数が激減することもないでしょう。
求人広告の書き方のコツ4.タイトル・キャッチコピーには一番力を入れる
タイトルやキャッチコピーは求人募集において最も重要です。
どれだけ求人内容に力を入れても、タイトルの時点で求職者の目に入らなければ意味がありません。
「どうすればタイトルから興味を持ってもらえるか」「どうすれば数ある求人の中で注目してもらえるか」を、自社の魅力と照らし合わせながらキャッチコピーを考えていきましょう。
求人募集媒体によっては「クリック率」「PV(ページビュー)数」などをのデータが見られるので、分析しながら試行錯誤していくことも大切です。
求人広告の書き方のコツ5.伝えたいことは絞る
求人募集で効果を出すには伝えたいことを絞ることが大切です。
万人に向けた求人よりも、特定の層や、特定の数人に向けた求人の方が求職者に刺さりやすくなります。
「できるだけ間口を広げて求人したい」という気持ちもわかりますが、「ターゲットはブレない」ことが重要です。
求人広告の書き方の注意点(法律・禁止事項)
1つずつ詳しく解説していきます。
求人広告の書き方の注意点1.職業安定法を確認する
2018年1月1日に施行された職業安定法の改定によって、求人募集する際には最低限明示しなければならない項目が定められています。
求人票に記載すべき内容は次の通りです。
これらの項目を表記しなければ法律違反となるため注意が必要です。
求人票に記載すべき内容
- 業務内容
- 契約期間
- 試用期間
- 就業場所
- 就業時間
- 休憩時間
- 休日
- 時間外労働
- 賃金
- 加入保険
- 募集者の氏名又は名称
求人広告の書き方の注意点2.男女雇用機会均等法を確認する
労働者の募集に関して性別を理由とする差別を禁止するために男女雇用機会均等法という法律が定められています。
以下のような行為は性別を理由とする差別に該当するため注意が必要です。
- 募集/採用の対象から男女のいずれかを排除すること
- 募集/採用の条件を男女で異なるものとすること
- 採用選考において、能力・資質の有無等を判断する方法や基準について男女で異なる取扱いをすること
- 募集/採用に当たって男女のいずれかを優先すること
- 求人の内容の説明等情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること
「できれば女性がほしい」という場合は「女性のみ採用」ではなく「女性が多く活躍している職場です」といった表現にしましょう。
また、年齢による制限をかけることも法令で禁止されているので、同様に「20代・30代活躍中」「学生歓迎」(学生には年齢制限がないので)などの表現にするように注意が必要です。
求人広告の書き方の注意点3.マイナス面は隠さず、嘘は書かない
より多くの方に魅力的に感じてほしいと思ってしまい、求人広告に良いことばかりを書いてしまう採用担当の方もいらっしゃると思います。
しかし、良いことしか書かれていない求人広告は、求職者から信用してもらえない可能性が高いと言えます。
そのため、仕事内容の中で大変なポイントがある場合はその点もしっかりと記述した上で、魅力的な点もアピールしていく方がよいでしょう。
どれだけいいことを書いていても実際に働く環境が求人広告と大きく異なってしまうと、実際に働き出してからのギャップが大きくなり、すぐにやめてしまう人もいます。
そのため、ネガティブな情報でもしっかりと伝えることが求人広告では大切です。
また、実際と異なる条件を記載することも、法律で禁止されています。
また、実際と異なる条件で応募を集められたとしても、そういった集め方をすると人材の定着率は下がり、結果的には余計に採用コストがかかってしまうでしょう。
繰り返しになりますが、求人内容は本当のことだけを書くように心がけ、デメリットまでしっかりと明記しましょう。
求人広告のキャッチコピー例
求人広告のキャッチコピーは、企業や求める人材の特徴、雰囲気を伝えるために重要です。
目につきやすい、興味をひきやすいワードを模索し取り入れみるとよいでしょう。
例えば、「未経験者歓迎!」「スキルが身につく!」「ノルマなし!」「リモートワーク可」など、欲しい人材のターゲット層に響くキーワードは何なのかを想定し、設定したうえで効果検証を行い調整していくことで自社にあったキャッチコピーが見つかります。
求人広告の書き方テンプレート(例文)
ここでは、求人広告の書き方のテンプレートを紹介します。
もちろん、それぞれの企業の求人によって媒体や求人内容など状況が違うので、テンプレートの例文を丸々コピーするわけにはいかないかもしれませんが、参考にしてください。
【タイトル・キャッチコピー】 | 未経験OK 働きながら成長できるWEBマーケター |
【企業名】 | ○○株式会社 |
【勤務地】 | 愛知県名古屋市○○ |
【給与】 | 年収 ○○円~○○円 |
【雇用形態】 | 正社員 |
【仕事内容】 | Webマーケターとして下記の仕事をお願いします。
大変なこともあるかもしれませんが、その分多くのスキルや経験を身に付けることができます! 未経験でも経験豊富な社員が手厚く教育してくれるので、安心して長く働ける環境です。 ノルマもなく、経験や実績よりも成長したい気持ちを重視しています。 |
【勤務時間】 | ○時~○時(残業平均○時間) |
【休暇】 | 週休2日制、夏季休暇、年末年始休暇 |
【待遇・福利厚生】 | 資格手当、○○手当、○○制度、○○保険 |
【その他】 | 必須スキル:PCスキル(Word、Excelが問題なく扱える) 望ましいスキル:マーケティング経験1年以上、人と接するのが好きな人、成長したい人
当社は「社員の成長」に重きを置いており、常にスキルアップを目指していただける環境が整った職場です。 会社とともに成長してくれる熱い人材を歓迎しています。 |
以上が、必要最低限を記載した求人広告のテンプレートです。加えて「企業理念」や「社員紹介」などがあるとさらにいいでしょう。
求人サイトなどでは掲載する情報量が限られていたり、写真や動画が盛り込めなかったりする場合もあるため、自社の採用サイトを準備してそちらに詳しく掲載するのもいいかもしれません。
重要なのはこれまで紹介した通り「求める人材を明確にする」「仕事内容や給与、待遇を具体的に書く」などを意識して求人広告を作成することです。
求人広告は書き方だけではダメ?さらに効果を出すためのポイントは?
求人広告は作成するだけでは効果は出ません。
さらに効果を出すには、以下の2つのポイントも大切です。
- ターゲットに合わせたデザインにする
- 掲載して終わりではない
求人広告の効果をさらに上げるためにも、ぜひ参考にしてください。
ポイント1.ターゲットに合わせたデザインにする
求人広告はデザインも重要です。ターゲットに合わせたデザインにしましょう。
また、写真や動画などを掲載するのも効果的です。
職場の雰囲気は言葉では中々伝わりにくいものです。文章などでは伝わらない「職場の雰囲気」「社員の様子」などが伝わるものにするといいでしょう。
ポイント2.掲載して終わりではない
求人広告は掲載して終わりではありません。分析と改善を繰り返し、求人広告を魅力的にしていきましょう。
アクセスやコンバージョン(応募してくれた割合)を分析し、求人広告に課題がないか確認しましょう。
また、効果が出ない場合は外注もおすすめです。
求人広告デザイン例
求人広告のデザインは視覚的な魅力を持ち、応募者の興味を引くことが重要です。
求人広告のデザイン時に気を付けたいポイントは次のような点です。
・業界や企業のイメージに合った色彩
・読みやすいフォントや文字の大きさ
・写真やイラストの活用
・キャッチコピーの配置と構成
・応募手順と連絡先の掲載
これらのポイントを考慮して、企業独自の雰囲気や特徴を反映させたデザインを作成することが求人広告の効果を高めるキーとなります。
次に求人広告デザインの参考となる事例をご紹介します。
株式会社フクロウラボ
どんな社風の会社なのか、どんなマインドの人が欲しいのかを視覚と文章で伝えることでメッセージに共感した人が集まりやすいデザインが意識されています。
株式会社イプロス
独自性の強いデザインで個性を打ち出した採用サイトです。
シンプルなテンプレートに必要事項を入力して作成するサイトと比べると熱を感じ、求職者を強く引き付けるサイトとなっています。
この会社で働くと面白そうだ!やりがいがありそうだ!とイメージしやすいサイト作りが採用サイトをデザインする際に大きなポイントとなります。
応募が来ない求人広告の特徴
上記のような求人広告を書いていないか、この機会に確認しましょう。
応募が来ない求人広告の特徴1.ターゲットが曖昧
ターゲットが曖昧なまま求人広告を書いてしまうと、応募が集まらない求人広告になってしまいます。
求人広告を掲載する場合「たくさんの人がきてほしい」という思いが強いと思いますが、そのような思いで求人掲載をしてしまうと、誰にもウケない当たり障りのない内容になってしまう可能性が高いです。
「どんな求職者に応募してほしいのか」「どんな人にめがけた求人募集なのか」が明確でないと、誰の目にも止まりません。
また、ターゲットが決まっていないと、自社をどのようにアピールするかも不明瞭になってしまいます。
自社の求人広告はターゲットを決めているか確認しましょう。
応募が来ない求人広告の特徴2.内容が曖昧
応募が来ない求人広告の特徴として、内容が曖昧なこともあげられます。
求職者はわからないことが少しでもあると、不安になって応募を見送ってしまいます。
実際、「給与がよくわからない」「実際にどんな仕事をするのかイマイチわからない」という求人は、応募したくありませんよね。
募集職種、仕事の内容、企業の特色、給与や福利厚生など、情報量が多く、具体的な内容の求人広告にすることが大切です。
応募が来ない求人広告の特徴3.求職者が魅力を感じられない
応募が来ない求人広告の特徴として、他の求人よりも魅力が劣る場合もあげられます。
特に、求人サイトや求人検索エンジンでは、求職者が多くの求人と比較して選ぶので、他社に負けないよう魅力をアピールしなければなりません。
求人情報を羅列していくだけでなく、「給与の高さ」「働き方の自由度」「成長できる環境」など、求職者にとってのメリットを記載しましょう。
求人広告を書く前の準備が重要
求人募集をかける前に準備するべきことが4点あります。
どんなに書き方を工夫しても、事前の準備がおろそかでは効果的な求人とはなりません。
それぞれ考えることで効果的な求人が書けるようになりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- ターゲットはどのような人物か
- そのターゲットに最適な広告媒体は何か
- 自社の強みは何か
- どう訴求すれば希望通りの人材を確保できるか
これらの土台を決めることで、効果的な求人を書けるようになります。
求人を書く前の準備1. ターゲットはどのような人物か
まずどのような人物が自社に来て欲しいのか(ターゲット)を考えましょう。
応募したくなる求人とは、求職者が「自分にピッタリ」と感じる求人広告のことです。
そのため、まずはターゲット層を明確にすることが必要になります。
ターゲットとは、「自社でどんな方が働いてほしいか」ということです。最低限確認しなければならないのは以下の2点です。
- 業務に取り組むにあたって必要なスキルや経験
- どんな性格の人が職場に馴染めるか、また向いているのか
これらの他にも経験豊富な即戦力が欲しいのか、それとも伸びしろのある若い人材が欲しいのかなど、求める人物像を明確にしてください。
どんなスキルを持っている方にきてほしいのか、どんな性格の方が好ましいのかという点を明確に書き出してみて、自社にきてほしいと思う方の目に止まるような広告を掲載することが重要になります。
ターゲットを明確にすることによって、具体的な広告を書くことができますし、そのターゲット層に刺さる内容を記載することができるでしょう。
求人を書く前の準備2. そのターゲットに効果的な広告媒体は何か
ターゲットに効果的な広告媒体を考えましょう。
求人募集の内容も大切ですが、そのターゲットに伝わる広告媒体を選ぶことも大切です。
一般的な求人広告としては、
- 求人サイト
- 採用サイト
- 求人検索エンジン
- 人材紹介
- 求人広告代理店に外注
などがあります。自社のリソースやコスト、ターゲットへの訴求などを総合的に考えて選定しましょう。
求人を書く前の準備3. 自社の強みは何か
ターゲットが定まったら次に行うことは自社の魅力の洗い出しです。
企業ごとに働くことによって受けられるメリットは異なります。
そのため、「自社で働けばどのような経験を得ることができるのか」「どのような経験を積むことができるのか」など、働くことによって得られるポイントや自社の特徴をまずは書き出してみましょう。
例えば「給料が高い」や「休日が多い」、「福利厚生が充実している」などもあれば、「企業理念」「ミッション」なども強みとして挙げられます。
その上で事前に出したターゲット層に当たる求職者の方は、自社で働いてもらうことによってどのようなメリットを享受することができるのかを考えることが必要になります。
ターゲット層に刺さる内容を記載することが大切なので、そこを意識して求人広告に掲載する内容を考えるようにしましょう。
同業他社と比べて明確な強みがあれば、それは良い人材を確保するための武器となります。
求人を書く前の準備4. どう訴求すれば希望通りの人材を確保できるか
最後に「どのように訴求すればターゲットとする人物を確保できるのか」を考えます。
もし高度なスキルが必要な業務なのであればその分ターゲットは高い給料を求めているはずです。
この場合には「給料が高い」という強みを前面に押し出して請求すれば確保できる可能性が高いと言えます。
ターゲットと自社の強みを掛け合わせて考えるようにしましょう。
まとめ:求人広告の書き方を理解して、応募を集めよう
求人広告は、ただ行えば応募が来るというものではありません。
どのようにすれば希望する人材が応募してくれるのか考えなければ、思うような成果は得られないでしょう。
また職業安定法や男女雇用機会均等法のように求人募集の際には法律も関わってくるので十分に注意が必要です。